安易な気持ちで飼ってない?コンパニオンアニマル(ペット)を飼うと幸福感が下がる理由。
動物って本当にかわいいですよね。
時には沈んだ心を癒してくれる存在です。
しかし、癒されたくて飼ったものの
無責任に飼うと幸福感を下げてしまうことになります。
今日は先行研究を基にコンパニオンアニマルと幸福感低下の関係についてお話ししたいと思います。
ペットとコンパニオンアニマル違い
ペットは愛玩を目的として飼育される動物という風に定義されています。
今日、ペットというよりも愛着が湧き苦楽を共にする家族同然の存在となりつつあります。
それに伴い、「コンパニオンアニマル(companion animal):人生の伴侶としての動物」という概念があります。
コンパニオンアニマルは、人の生活の変化に伴い、その存在義意義や価値、役割が変わり、家族の1人、社会の一員として位置づけられるようになったことから、1985年頃から使われ始めました。
コンパニオンアニマルには以下のような条件があります。
・人と暮らしを共にし、長い歴史を歩んできた動物
・人と共に暮らし、習性や行動、獣医学が解明されている動物
・人と動物との共通感染症が解明されている動物
人と共生する動物という意味合いが強いのがペットとの違いですね。
この記事ではコンパニオンアニマルをCAと表記します。
愛着が湧きすぎると幸福感が下がってしまう
CAとの関係に飼い主が満足していても、社会関係が悪くなれば幸福感が下がるという研究結果がでています。
個人の自尊心よりも,周囲の人々と協調的な社会関係をもつことのほうが幸福感に大きな影響を与えるとされています。
いやいや、そんなことない。
私は愛犬、愛猫に癒されてる!
とおっしゃる方も多いと思います。
もちろん、家族と同じように愛しておられる方もいます。
すべての人に当てはまるわけではありません。
ただ、この結果について考える必要があると感じています。
欧米の先行研究ではCAとの関係性(「絆」「愛着」「親密性」とも表現される)が強い飼い主ほど幸福感が高い結果が出ています。
欧米と日本で差が出ていることは事実です。
人間の無責任な行動で殺されてしまう命を守るためにも真剣に考えていきます。
周囲の他者との関係性が問題
幸福感が低い原因は、CAの飼い主が社会とのかかわりを制限され、CAを飼っていない人から必ずしも肯定的な評価を受けていないことにあります。
CAを飼っていることで公園での散歩中に声をかけられたり、話の話題になったり普段関われない人と関わることができます。
これは、非常に利点になりますね。
しかし一方で、飼ったことによって旅行や買い物など社会とのかかわりに制限がかかる一面もあります。
さらに、CAの飼い主はCAを飼っていない人から否定的な評価を受けることもあります。
犬の吠える声がうるさいや、散歩のマナーが悪いなどから周りから否定的な反応があるということが幸福感低下の原因にあります。
この幸福感の低下が動物虐待や捨てられた動物の殺処分問題にかかわってくるとしたら飼う側の意識を変えていく必要があると感じました。
飼うなら精神的に落ち着いているときに!
落ち込んでしまった
寂しくて癒しがほしい
といった心情だけで飼うのはやめてほしいです。
動物を飼う、生き物を飼うということは簡単なことではありません。
思い通りにはいかないですし、必ずなつくとも限りません。
それでも飼ったからには最期まで看取ることが飼育者の責任です。
もしあなたがCAを飼いなつかなかったから
捨てたり、暴力を振るたり
それが原因で死んでしまったとしたら
それは人殺しと同じになります。
彼らは飼い主を選べません。
何かあっても声をあげて助けを求めることはできません。
飼う前に
今飼うべきなのか
飼う準備が整っているのか
最期まで飼うことができるのか
しっかり考えた上でたくさん癒されてほしいです。
ぜひ素敵なコンパニオンアニマルライフを送ってください!
今日のつぶやき
動物虐待問題は深刻だなと感じました。