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かいだん~「癒しの順番・修行の階梯」お話会~

かいだんは、先ず下から上がる。
下の段がなければ、安全に上ることができない。
 
形あるものも、心も同じで、
特定の結果の前には
それに続く特定の原因がある。
 
修行の道もおなじである。
 
以前、外から仏教を見ていた時には、
「皆を幸せにするために、仏陀になる修行をするのだ!」という心を
ただ『偉いなあ』と思うだけだった。
 
実際起こしてみたいと思った時も、
ただその心のように思えば良いと思っていた。
 
ところがどっこい。
 
法話やその時の環境で盛り上がり、
その場で強く思ったとしても、
 
その場を離れて日常にもどると薄れてしまい
「そんなこと思ったな」程度になってしまう。
 

この理由の一つに、
心の下地を整えないうちに、色を塗ってしまった
ということがある。
 

波羅蜜の授業を受けると、
発菩提心(菩提心を起こすこと)についても、
「これの次はこれ」と順をおいながら
主に二種類ならう。
 
「因果の七つの秘訣」と呼ばれる一般受けするものと、
「自他交換」というやや難しい、賢い人向けのものである。
 
「因果の七つの秘訣」で菩提心を起こす時には、
①    すべての衆生が(長い輪廻転生の中で)母であったことを知る。
②    恩を思い出す。
③    恩返ししようと思う。
④    深い愛情
⑤    大慈悲
⑥    殊勝な心(他者に任せるのではなく、自分自身が責任をもってすべての衆生を助けようと思う心)
⑦発菩提心(「すべての衆生を全ての苦しみから助け出し最高の幸せに導くために、それができる存在である仏陀に、修行をして絶対なる!」と決心する)
 
となっており、前段階の基礎がなければ、
定義に適った次段階の心は起こらない、
といわれる。
 
この方法は、母親に愛情や恩を感じる人々が多いため、
彼らに合わせて作り上げられたメソットである。
 

上記は発菩提心一つについての話だが、
修行体系全てにおいても当てはまる。
 
例えば、『苦しんでいる全ての衆生を助けたい』と思う大乗の発心の前には、
自分が輪廻の苦しみを経験し、
自分が『この輪廻の苦しみから逃れたい』という
小乗の発心と同様の心を通過していなければならない。

自分で苦しいことを実感したことがなければ、
そこから助けようと心底思わないからだ。
 
実際、菩薩(大乗仏教修道者)の感じた苦しみは、
一般人や小乗の修道者の感じた苦しみより
百倍強いといわれている。
 
発心は、
大きな苦しみを経験した上での
強い決心である。
 

このかいだんを上るにあたり、
全くの初心者がどのように学んでいくのかを
順序だてて説明しているテキストが『道次第』である。
 

今回のお話会では、
心が癒される順番とともに、
 
癒された心が上っていく
始めの一歩ともいえる修行の階梯も、
『道次第』の目次を見ながら紹介する。
 
仏教に興味のある人も、そうでない人も、
更には既に修行を始めておられる人も、

「チベットのお坊さん達は、こんなことから修行を始めるんだ~」
「仏のこの教えは、道次第のこの部分に使われているのか」
と、楽しく発見して頂ければ嬉しい。
 
 
《癒しの順番・修行の階梯:内容》
・心の段階を見やすく記した表をつかい、心を高低を知る。
・0、あるいはニュートラルな状態に達していない心を、ニュートラルに引き上げる方法を具体的に紹介する。
・仏教の修行に興味を持たれている方々のために、道次第(仏教の教えの中から修行の階梯として組み直したテキスト)の目次内容を紹介しながら、実践の概要をみる。
・それによって上がる、心のステージについて紹介する。
・苦しい中で道を志す方々が、修行を続けるために気をつけた方がよいことについて共有する。
 
11月4日(土)10:00~11:30 
ネパールインド薬膳料理レストラン チャンドラ・スーリヤ(神奈川県南林間)様にて
参加費:2500円(ランチ付き)予約優先10名様
お申込み:チャンドラ・スーリヤ
Email:chandrasulainfo@gmail.com
Tell:080-8842-8175
 
11月11日(土)15:00~16:30
チベットレストラン・カフェ タシデレ(新宿区曙橋)様にて
参加費:3500円(ドリンク・デザート付き)
お申込み:タシデレ
Email:tibetrestaurant@tashidelek.jp
Tell:03-6457-7255
または個別メッセージで
 
【講師紹介】:直子デチェン
1970年千葉県出身
1999年初渡印
チベタン・ライブラリー講座履修
2003年〜2016年
ダラムサラ仏教論理大学聴講(全科目履修)
ブログ https://note.com/dechenblog
のんびりしたインド生活、旅日記、仏教話をつらつら記す。
龍樹著『中論』・仏護著『ブッダパーリタ(仏護註)』・月称著『顕句論』・ツォンカパ著
『正理の海』翻訳
https://www.dechen.jp/ で公開

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