口伝４０日目：上師の加持
14:14 経部雑経１６巻目読了。
14:15 １７巻目口伝開始。
今日も経部雑経１６巻目から始まった。
この巻には聴いたことのある経典名が沢山あって、
稲稈(とうかん)経や
内容一部はこちら↓
https://note.com/dechenblog/n/n65c619e91a1d
縁起経、
アングリマーラ(聖央崛魔羅大乘經)経など
口伝は早くて聴き取れないものの、
このお経の口伝を受けたのだと嬉しくなった。
また、口伝の最終スケジュールが決定したらしく、アナウンスがあった。
来年１月１２日が口伝最終日
翌日１月１３日は
サンゲェ・ニェンパ・リンポチェの長寿の法要
１１月４日から始まった２ヶ月ちょいの口伝が
満了する。
先生は経典全ての口伝は５回目だそうだ。
再度なさるかどうかは
。。。難しいとおっしゃっている。
今日は友人が誘ってくれて
偉い方のところで食事をよばれた。
偉い方は
ベンチェン僧院でずっと修行をされてこられた方だった。
シッキムに彼の僧院があるという。
その方のお話の中で、サンゲェ・ニェンパ・リンポチェのお話もあった。
前世のサンゲェ・ニェンパ・リンポチェは
ブータン国王の師ともなった
ディルゴ・ケンツェ・リンポチェのお兄様だそうである。ご存知の方もおられるだろうが、お顔もとても似ている。
དུས་ཀྱི་སྦྲང་ཆར། 時の細雨より
ディルゴ・ケンツェ・リンポチェが在家の修行者だったことに対して、
お兄様は出家者の戒律を守られた方だった。
今世のニェンパ・リンポチェも
非常に清浄に戒律を守られている方で、
ご自身のお部屋には(必要最小限以外)何もない。
僧衣も律経に書かれているように
１組のみ。(とのこと)
袴も夜洗って外に乾かして、
翌日は乾いた袴をはいておられるそうである。
お話もあまりなさらず、
するとしたら仏教・修行と関係する事のみ。
近くで住持する偉いお坊さんも
お茶を差し上げて、
キャンディーを１つもらって、
静かに頂いて
口をつぐんでいる。
記憶力が非常に良くて、
はっきりと分かるように人々を見る事はしないが、
お経を見ながら少し視線をずらして
周りの人が何をしているか
ちゃんと見ている。
もし嘘をつくようなことをすると、
「やぁやぁ」と言って何回かはそのままにしておくが
それが何度も重なると、
今までの前科が全てリンポチェの口から明らかになり
退出せざるを得なくなる。
本人も覚えてないような事も、リンポチェは覚えておられる。
経典全ての口伝は今回で５回目だが、
十万頌般若経の口伝は何度もなさっている。
リンポチェの口伝は非常に速い。
ご真言でもスローになる事はない。
聴いていた誰かが
もしかして違う所があるかもしれないと
意地悪な心を起こして、
真言口伝を録音した。
後で答え合わせをする算段である。
答え合わせをしたら、
間違っていなかった。
逆に驚いた。
こちらの先生方は、
リンポチェの読み書きの能力は勿論優れていようが
これほど長く水が流れるように口伝を続けられるのは
上師の加持のおかげだという。
先ず、これだけ沢山のテキストを読み続ける事自体が、普通の人間にはできない。
喉がやられてしまうのだそうだ。
読むにしても書くにしても
説くにしても引用するにしても
非常に速く
詰まることなくなさる。
超人的なまでの口伝力は
上師の加持から来る。
昼休みの終わりに
「勉強をする時、
お経の内容が分からない時には
こうしなさい」と、
会話の中で教えて頂いた。
上師と文殊菩薩を不別のものとして供養し
祈る。
そうすると、
以前理解できなかったテキストの内容が
分かるようになる。
カギュ派ならではの
修行の仕方であると思った。
上師を非常に大切にする。
筆者が聴いたことのあるゲルク派のアドバイスでは、
もちろん先生も大切にするが
テキストそのものにも礼拝をする。
難しいテキストを理解する為の方法も
微妙に違っているけれど、
どの門から仏陀の教えに近づこうとも
目的地は同じだろう。
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