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菩提心の称賛《宝珠の灯》第15偈

15)全ての利益、幸福の源である、
王者の息子の菩提心。
それに対して、如意宝珠が
競い合う力は、全く無い。
 
「王者」とは仏陀。
「王者の息子」は菩薩である。
大乗の修行者、菩薩として生まれるのは、心に菩提心が起こった時。

四行目の最後は、直訳すると「有ることは全くない。(Yod Re sKan)」で、「有る(Yod)」を「~ではない。(Re sKan)」という強い否定で打ち消す。
字面が長くなり、意味が真直ぐこないので「全く無い。」とした。
 
この菩提心は、
自らにとっても、他者にとっても、
最も素晴らしい幸せに導いてくれるナビゲーターである。
 
これには、如意宝珠も敵わない。
何故なら、如意宝珠は形のある現象世界で、望むものを与えてくれるものだから。
 
ということは、
如意宝珠に「仏陀にならせて下さい」と祈っても、
叶わないということか。
 
仏の境地とは、自分以外の何ものかが与えてくれるのではなく、
自分自身で、
自分の心に向き合って、
達成しなければならないことなのだ。

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