口伝２８日目：毎日読む般若経&弟子達の話題

13:47 宝積経５巻目読了。
13:48 ６巻目口伝開始。

口伝がいつ満了されるか
午前中にアナウンスがあった。

チベット語・ネパール語
英語・中国語の
4ヶ国語である。

現在(12/3 13:50pm)までの２７.５日間で
５３巻読了されている。
当初の予定の来年１月３日に
読了されそうな気配もあるが

先生の体調など
万が一を慮って
１月１３日(チベット暦11月15日満月)まで
日程を取っているとのことだった。

早速にチケット変更の手配を始めた人も多い。

口伝を受けながら
「いつ帰る？」等
世間的な話も聞くようになってきた。

ご法話では
主に経典と関係した修行の方法を説かれるが

それとは別に
友人達との会話でも面白い話題が出てくる。

法話が終わると
台湾女性の友人２人と
ネパール人のお坊さんと一緒に帰る。

女性２人とも
非常に真面目に仏教を勉強していて
１人はプネ(インド中央部)の大学で
博士課程に進学するために
日々精進されている。

彼女と既に学位を取られたネパール人のお坊さんの会話が興味深い。

昨日は
中観自立論証派と中観帰謬論証派について
話していた。
実はこの話題は、一昨日からの宿題だった。

古代インドの偉大なる学匠方
龍樹・仏護・清弁・月称の論書の中には
「わたしは中観帰謬論証派です」とか
「わたしは自立論証派です」などという言葉は
何処にもみられない。

それどころか
自立論証派・帰謬論証派
という言葉すら見られない。

にもかかわらず、
後続の我々は
龍樹は大中観派。
仏護と月称は中観帰謬論証派。
清弁は自立論証派。。。
と、大阿闍梨方を見解で分けている。

これって変じゃない？

今まで当たり前過ぎて、
疑問に思ってもみなかった。

これについて、ネパール人のカギュ派のお坊さんが答えてくれた。

実は
「中観帰謬論証派」
「中観自立論証派」という分類は
１１２５年、
チベット人の「法称」という方が、
初めて名前をつけ、分類し、
使い始めたのだという。

それまで、チベットの先駆者達は
特別見解を分けることは無かったらしい。

中観自立論証派の代表のように言われる清弁も
中観帰謬論証派だと言われる場合があり、

それは、自身が何派であるかと
テキストの見解が示す学派は
異なる場合があるから。

例えば、
無着(アサンガ)は唯識派の創始者と呼ばれるが
自身の見解は中観帰謬論証派であった
と言われるが如くである。

無着が帰謬論証派だった理由は、
弥勒菩薩と一緒に兜率天へ行って
弥勒の法を聴いておられるから。
正しい見解がないと、
いくら弥勒の助けがあったとしても
かような天界へ神通力で行くことはできないからだ。

ということで、
帰謬論証派と自立論証派は
チベットの学匠が付けた名称であった。

さて、午後になって
小さなカラープリント冊子が配られた。

口伝をなさっている
サンゲェ・ニェンパ・リンポチェが
毎日読経することが大切だとおっしゃった
般若経の幾つかの偈が
チベット語と
(多分)ネパール語で書かれている。

色(形あるもの)に留まらず
受(感受作用)に留まらず、
想(識別作用)に留まらず
思いに留まらず、
識(主体的知覚)であるものに留まらず
法性に留まる、
この者は最高の般若波羅蜜を行ずるのである。

ここに五蘊を幻のようであると知り、
幻を別、蘊を別のものとしない、
諸々の想(識別作用)と離れ寂静を行ずる
この者は最高の般若波羅蜜を行ずるのである。

星、目のデキモノ、灯明や、
幻、朝露、水中の泡や、
夢、稲妻、雲のように、
有為(原因から生じたもの)の諸々のものごとは、そのように見たまえ。

夢のように、幻のように、
尋香(ガンダルヴァ：幽霊)の都がそうであるように、
その如く「生」を、その如く「住(留まること)」を、
その如く「壊」を説かれた。

生を知ることによって壊を知り、
壊を知ることによって無常を知る。
正しく無常(の修行)に入る事を知ることによって、
聖なる法をも悟ることになる。

शास्ता शाक्यमुनि बुद्ध
シャスタ　シャキャムニ　ブッダ
(導師　釈迦牟尼　仏陀)
《サムネ写真》

毎日意味を考えながら唱えることで
般若波羅蜜の修行となる
ありがたいお経である。

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