菩提心の称賛《宝珠の灯》第36偈
36)大河によって、水の宝庫がそうであるように、
水の宝庫によって、水を携えるものがそうであるように、
水を携えるものによっても、保つ母がそうであるように、
菩提心によって、この衆生は美しい。
「水の宝庫」とは海。
「水を携えるもの」とは雲。
「保つ母」とは大地。
雪が解け、雨が降り、地表から滲みだした水が集まって
流れる大河がそそぎ込むことによって、
海は豊かに水を湛える。
海水が清浄で、豊かであれば、
水分は自然に適度に蒸発し、
白く大きな雲ができる。
水分を湛えた雲は風に流され、
地を潤す甘露の雨を降らせ、
母なる大地を彩る木々草花、
そして、
全ての生きものの糧になる。
菩提心も、
それを内に持つことによって、
その者の目に見える身体、
その者の言葉、
その者の心を、
豊かに、軽やかに、深く、
美しく彩る。