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眠れる遺跡
先日2月14日まで、
日本からのお客様と一緒に
仏跡を巡らせて頂いた。
(インド仏跡巡拝ツアーの皆様
ありがとうございました。)
ひとりになってブッダガヤーの日常に戻り
今朝は明るくなってからお寺へ行った。
朝お寺へ行く時には
ほとんど手ぶらで
ローカルの村を通って行く。
今日は座る時の敷物と
数珠だけを持って行った。
普段は大通りを通って
20分くらいでお寺へ行くけれど、
朝は村を通る近道を行く。
早朝は未だ生活が始まっておらず
掃き掃除をする女の子が家の前に出ているくらい。
一見汚れた場所でも
生活環境を清潔に保とうとする習慣には
頭が下がる。
村を抜けると乾いた野っ原がある。
ここを通っていけば、
大通りで30分かかる道のりが
15分くらいで済む。
ありがたいショートカットで
野ヤギ、野ウシ、野ブタもいて
時々犬も歩いている。
モリンガの木も花を咲かせている。
が
ゴミもいっぱい落ちている。
![](https://assets.st-note.com/img/1739680005-U72JV1SZ9qyIbeYps630va4i.jpg?width=1200)
乾燥していて
砂埃が目に見えるほど舞っているので
以前はいつも使っていたこの道も
最近昼間以降は通らない。
朝は早くお寺に行きたいから
質素な村を通って野っ原を通っていたのだが
スゴいことに気づいてしまった。
乾いた近道の下には
遺跡が埋まっているのではないか?
というのも、
先日のツアーで新しく学んだことに
仏陀入滅後の歴史的な流れがあった。
ツアーで巡拝させて頂いた遺跡には
3世紀にアショーカ王が建てた
仏教施設が多かった。
全て地中から発掘されたものだ。
それが埋まっている時の姿に
とてもよく似た様相が、
砂埃が舞うゴミの捨てられた野っ原の近道に
見えるような気がしたのだ。
今回巡った仏跡にはほとんど全てに
仏陀だけではなく
アショーカ王の足跡があった。
彼は仏陀を崇拝して
行く先々で何かを建てていったが、
それにも興味深い話がある。
仏陀が2650年前に現れ入滅された後に
仏舎利は8つに分けられた。
舎利八分というそうだ。
この8つのうち
今も地中に仏舎利が眠っているストゥーパ
(卒塔婆)、或いは仏塔は、
ネパールのラングラム(ラマグラマとも)
ひとつしかない。
![](https://assets.st-note.com/img/1739640732-DuT3E4CcyGnvpiWsKAa0emON.jpg?width=1200)
他の7つの仏塔は
何処にあったかさえ分からない。
何故かというと、
8400の仏塔を建てようとしたアショーカ王が
その中に納めるために、
7つの仏塔を掘って
仏舎利を取り出してしまったからだ。
ラングラムは
仏舎利を大切に守っていた龍王が
アショーカ王の夢の中に現れ、
「大切に守っているから持っていかないで」
と頼んだので助かった。
ともあれ、
3世紀のアショーカ王の時代から
13世紀にイスラム教徒によって
仏教施設が破壊されるまで、
煉瓦造りの僧院や仏塔など
いろいろなものが造られた。
![](https://assets.st-note.com/img/1739641264-i0yLkNqoB3r49PxORFDpmHET.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1739641304-Dd8e5JTPmHRZxfMUsl9ihg4O.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1739641523-MtpOdabVULwrG2FWZ7hN6ABH.jpg?width=1200)
13世紀に破壊され
使われなくなった煉瓦造りの建物は
土に埋もれた。
近代になって掘り起こされるまで
眠っていたのだ。
ブッダガヤーの大菩提寺ですら発掘されたもの。
行けば分かるが、
塔は周囲をまわる参道より下に土台がある。
小さな仏塔は参道から見下ろされる。
掘られる前は、
なんの片鱗も地上に出ていなかっただろう。
大菩提寺の敷地は
シャラスバティーの祇園精舎跡より小さい。
ブッダガヤが仏教徒最大最強の聖地なら、
周りにも他にいろいろあったのではないかと
勘ぐってしまう。
壁で囲まれた僧院の跡とか、
仏塔とか誰かの住居とか。
そう考えると、
参道と同じ高さの
大菩提寺のすぐ隣の空き地の下に
煉瓦造りの歴史的遺産が眠っていて
頭のてっぺんだけ地表に出ているのではないかという考察も
あり得なくもない。
![](https://assets.st-note.com/img/1739680438-jH6nDYCmbgeE04opLiy7VIJs.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1739680344-VFMWeYuCPIvhbG0BEjqfoxRL.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1739680523-KQvYiZMsoR4cItnkfxWwqE1S.jpg?width=1200)
証拠はないかと思いながら地面に少しだけ出ている赤煉瓦の周りを手で掘ろうとして、横を行くインド人のお姉ちゃんに変な目で見られてしまった。
![](https://assets.st-note.com/img/1739680604-T69kpt8Huv3moBdUE2zxwyr0.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1739680604-bDUPmC8KcVeS1HLB4pWrjt5O.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1739680604-HFnNauofYBK9T2RiW6VhkOSg.jpg?width=1200)
いずれにせよ
毎日歩いていた野っ原の下に
仏跡が埋もれているなんてカッコいい。
何年も前のダライ・ラマ法王の法話の帰り道
リチャード・ギアが
砂漠みたいなこの野っ原で
風と砂埃の中をひとり歩いていた後姿を見たことがあるが
それくらいカッコいい。
いや、もっとカッコいい。
![](https://assets.st-note.com/img/1739640525-bdEFRYJu2Gjv5rKVMtSI6ZBD.jpg?width=1200)
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龍樹など古代インドの学匠方と
チベット仏教の大祖ツォンカパの
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