いっしょ
一人ででもやろうと思っていることを
誰かが何もいわずに手伝ってくれると
とてもありがたいと感じることがある。
一人でやるには気力体力、もつかどうか不安な時、
殊更に強く感じる。
誰かと一緒にいることで
感じることができる安心は、
現状維持の心に繋がるかもしれないが
感謝もともに呼びおこす。
心について語る時に難しいことは、
全ての人が、それぞれに違った経験体験を持っているので、
一つの経験によって起こる感情が
全ての人の心に当てはまらないということだ。
それを承知でいうのだが
『やれば自分一人でできる』と思いながら始めた仕事が
やや大変になってきた時、
やや悲しい気持ちで仕事をやり遂げようと頑張っている時、
急に出てきて手を貸そうとしてくれる人がいると
めっちゃ嬉しい。
その人が実際役に立とうと立つまいと
一緒に仕事をやろうとしてきたそのことに
ありがたさを感じる。
小さな子どもでも、
年老いた力のない親でも。
誰かと一緒にいることが無条件に嬉しい時には、
相手にあれこれ注文しないものだ。
相手の存在自体が
自分を喜ばせてくれる。
幸せにしてくれる。
「ただそこにいるだけで愛される存在がある」と、
新米ママになった知人はしみじみいっていたが、
幸せって結構シンプルなのかもしれないな
と、大人になって考え過ぎる自分は思う。
一緒にいるだけで
誰かを幸せにしている。
一緒にいるだけで
誰かに幸せにされている。
我々は気づかなくとも
常に守ってくれる守護の存在が
天にも地にもいるという。
本当に悲しい時は内にこもり、
一人ぼっちを感じるものだ。
目にみえる者でも
目にみえない者でも
安心できる誰かと一緒にいて
それに気がつけば
幸せでいられる。
直子デチェン
1970年千葉県出身
1999年初渡印
チベタン・ライブラリー講座履修
2003年〜2016年
ダラムサラ仏教論理大学聴講(全科目履修)
ブログ https://note.com/dechenblog
のんびりしたインド生活、旅日記、仏教話をつらつら記す。
龍樹著『中論』・仏護著『ブッダパーリタ(仏護註)』・月称著『顕句論』・ツォンカパ著
『正理の海』翻訳
https://www.dechen.jp/ で公開
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