東大ロー 再現答案(構成)
こんにちは。11日に東大ロー、12日に行政書士試験があったので受けてきた。今日は東大ローの再現答案構成をしてみたいと思う。先に結論から言うと多分落ちた。民法がむずいのと刑法でだいぶ間違えているので壊滅的だと思う。まぁ一応これ書き終えたら灯火先生に送ってみる。
1 公法系
1 設問1 行政法
今回は営業所につき、開業の申請してそれがダメだった、という事案だった。理由付記の十分性と理由附記の瑕疵の治癒、手続き違法の場合の処分の違法性の3点が聞かれているような気がした。
【再現答案構成】
Step1:問題提起
本件処分につき理由附記が不十分だとして行政手続法8条1項に基づき取消すことが考えられる、と提起
Step2:本件処分が申請に対する処分であることの当てはめ
たばこ事業法22条1項が許可を受けなければならない、規定
↓
23条3号では不適当である場合には許可しないことができるとしている
+
同号の内容につき規則20条で詳細が規定されていて(2号等)、2号については同規則に基づき大臣がさらに詳細内容を定めている。
ということから、規則20条は23条3号の委任を受けて設けられていて、大臣が定めた詳細内容も規則の委任あり、として許可の基準を設けていると言える
→かかる基準は審査基準と言える(3条2項8号ロ)
∴本件処分 is 申請に対する処分
→2章が適用され、本件処分は申請を許可しない処分なので理由附記が必要(8条)
Step3: 理由附記の論証・あてはめへ
理由附記の趣旨 is
如何なる事実に基づき如何に法令を解釈してその処分に至ったかを明記する
→行政の判断の合理性を担保&相手方に争訟上の便宜を確保
⇒理由附記は如何なる事実に基づき如何に法令を解釈適用したかが相手方が一見してわかる程度に示す必要がある
↓
通知書には45mで不適当だとして規則20条2号及び23条3号該当を記載している
∴条文文言該当性と適用条文は明記している
↕but
規則20条2号につき大臣はさらにその内容を環境区分、地域区分と設け、繁華街と市街地とで異なる制限を設けて詳細に規定していた
⇒申請場所が市街地or繁華街か、をその根拠を含めて明示し、なぜ不適合なのかを示さなければならないがそれがなされていない
∴一見して如何なる事実に基づくのかが分からないため理由附記に瑕疵〇
Step4: 理由瑕疵の治癒につき
訴訟提起段階で答弁書では市街地に当たる反論を記載している
butこれにより理由附記の瑕疵が治癒されることは無い
∵理由附記の上記趣旨⇒理由附記は処分時に満たされる必要がある
←事後的な追加では判断の合理性を担保できないため。
Step5:手続き違反と処分自体の効力
当該違反が手続き制度の根幹そのものに抵触違反⇒処分自体が違法になる、とだけ書いた
↓
理由附記の上記趣旨は判断の公正・透明性確保(1条)という行政手続きの適正そのものに基づくと言える
⇒同条違反 is 手続制度の根幹そのものに反すると言える
∴処分自体も違法として取り消すことができる。
【反省点】
審査基準にあたることの当てはめはしなくて良かった。申請が予定されてるから本件処分は申請に対する処分と軽く認定すれば足りたと思う。それ故審査基準該当性の当てはめ時間を取り過ぎて、法人の人権享有主体性とか職業選択の自由への当てはめがクソカスになってしまった。
2 憲法
とりあえず、法令違憲で攻めた。
たばこ事業法23条3号及び規則20条2号はA区内においてたばこ小売販売業を開始することを禁じており職業選択の自由(22条1項)に反し違憲ではないか、ってかんじで提起した。
Step1: 保障段階
薬事法違憲判決で営業の自由を保証しているがその内容を書いてきた。
※あてはめしてたっけ…?あれ…?一日たったからか記憶が曖昧…
Step2:制約段階
本件処分は場所故に×、としただけで開業自体を禁じるわけではないから営業の自由への制約に留まる?という問題を論じた
→場所については当該場所で活動した場合の収入等を考慮し継続可能性を判断したうえで決定しているのが通常だから当該場所で行うことには社会的な価値がある。よって場所に対する制約が実質的に職業自体の開始を断念させるとして狭義の自由への制約となると解する。
∴本件でも狭義の自由への制約〇
というかんじ
Step3:審査基準について
「公共の福祉」(22条1項)による制約を受ける
→職業はその性質上社会的相互関連性が強く公権力の介入を受けやすい。
&その態様、目的は千差万別
∴立法裁量を一定程度認めざるを得ない
↕but
事柄の性質上広狭がある
→酒類販売事件では
・許可制で協議の自由への制約となる
but
・租税目的であり専門技術的判断が多分に求められる
→立法裁量は広い
⇒著しく合理性を書くことが明らかなときに違憲、とした
↓
許可制なので狭義の自由への強度な制約となる
but
(たばこの租税が財政収入において占める地位を理由←これ書けたか不明)財政集に入の安定的確保
→租税目的であり専門技術的判断が多分に求められる
∴本問でも同判決の射程が及ぶというべき
↓
当てはめでは
近距離での開設を認めることによる共倒れを防止することにあるから著しく不合理とは言えない
とだけ書いた(当てはめ書き出した時点で残り時間2分ちょい…)
最後に人権享有主体性について性質上法人にも及ぶから保障は問題ない、とだけ。
【反省点】
行政法のところで書いた通り。
2 刑事系
1 刑法
正直に言うと間違えまくってて書きたくないんだけど…
Step1:詐欺未遂の提起
行為は、「A宅に電話してキャッシュカードを入手しようとした行為」とした
欺罔行為 is 財物交付に向けられた相手方の財物交付判断の基礎となる重要な事実を偽る行為
↓
キャッシュカードたる財物を入手すべく
・自分自身が警察官であること
・詐欺被害に遭っていること
・訪問する金融庁職員に渡さなければならないこと
を偽っている。
・そもそも詐欺に合っていないなら被害金返還などありえないからキャッシュカードを渡す必要などない。
・警察官や金融庁職員という適切に職務を遂行するという立場にある者でないなら銀行から預金を入手するに不可欠なキャッシュカードを渡すことは考えないといえる
→かかる事実が虚偽だと知っていたならキャッシュカードを渡そうとは考えなかっただろうしそれが社会的に相当と言える
∴欺罔行為〇、としてしまった
本当は、処分行為に向けられたことの認定で欺罔行為ではないことになるのだが、占有の弛緩に過ぎない場合はだめっていうのを完全に忘れていた。
Step2:実行着手の論点へ
計画内容がやけに長く書かれていたので、これもしかして詐欺の実行着手を聴いてんのか?と思い、どの時点で実行着手を認めるべきか、と提起して規範を立てた
・実行行為 is 構成要件的結果発生の具体現実的危険を有する行為
・実行行為性 is 社会通念を基礎とする違法有責類型たる構成要件該当性
⇒実行着手はかかる具体現実的危険を実質的に判断すべき
&行為 is 主観と客観の統合
→行為者の計画も考慮すべき
↓
〈計画〉
・警察官を装ってA宅に電話を掛ける
・訪れる金融庁職員が
・キャッシュカードを用意させ、封筒に入れさせる
・印鑑を取りに行かせた隙に偽封筒とすり替えて持ち去る
〈実際〉
・詐欺に被害に遭っており被害額返還を返す旨
・返還のためにはカードが必要で金融庁職員が向かっており、封筒の中にキャッシュカードを入れる旨
・3日間は自宅保管し、利用を禁ずる指示
をしているが、詐欺被害及び返還についてはキャッシュカードを用意させるための根拠として、自宅保管及び利用の禁止指示は犯行の発覚を防止・遅延させるため必要なものだったと言える。
+
それ以外については計画と同じ内容をAに伝えている。
→上記の通り財物交付の危険があることにもかんがみれば(そんな感じの表現だったが忘れた)電話を掛けた時点で財物交付の移転の危険があったと言える
∴電話をかけて、「詐欺の被害に遭っている」と伝えた時点で詐欺罪の実行着手を認める。
なお、カードを取りに行くためにA宅に赴くのと電話行為は形式的には別個の行為だが、上記計画からすれば一連の行為であり一体のものと評価できるためである、と最後に付加。
あとは、職質を受けたことでA宅にいけず、キャッシュカードを受け取ることができていないから「財物を交付させた」が認められず未遂に留まる。
とした。
2 刑訴法
刑訴でワンチャン刑法のやらかし相殺しててくれないだろうか…
【その1】
・罰条の記載がない事
憲法35条は令状が正当な理由によろ発布されたことは求めていないため、罰条の記載自体は憲法の要求するところではなく、刑事訴訟法に委ねたと言える
→219条1項では罰条の記載が規定されてない
∴不要
【その2】
・『同室内に在住する者の身体及びその所持品』と幅のある記載にしていること
捜索対象特定要求の219条1項の趣旨 is 裁判官の「正当な理由」(憲法35条)の事前審査
→捜査機関の権限濫用防止&相手方の争訟の機会を付与
⇒たとえ幅のある記載でも「正当な理由」の有無を審査することができたといえるのであればOK
↓
とあるマンションの一室を拠点とする。
→マンション一室は活動拠点として小規模であること(面積が小さいって書いたっけか)、犯罪グループの活動拠点であれば所属者以外は立ち入りが極めて困難だと言える⇔犯罪グループ所属者以外の者がいる可能性は極めて小さい
∴当該室にいるもの⇒被疑事実に関する証拠物を有している蓋然性〇
といえる状況
→裁判官による正当な理由の有無を審査することができていたと言える
以上より問題なし
※あと空間の特定あるから場所の特定問題なし、的なこと書いてたな(利用権と管理権それぞれ特定されてるって感じの当てはめしたと思う)
【その3】
差押対象物の概括的記載の可否
差押対象特定の219条1項の趣旨 is その2、と同様
but 捜査の流動性に鑑みる
⇒一定程度の概括的記載は認める必要がある。
→被疑事実関連物が具体的に例示され、それに後続する形で概括的記載をしている
⇒OK
↓
パソコン is 犯行計画のメモがありうる点
スマートフォン is 相手方への通話履歴がある点
USBメモリやSDカード is キャッシュカード(や相手方のリストがある点)
で被疑事実に関する証拠となりうるため関連性〇
→被疑事実に関する証拠が例示列挙されてる
それに続く形で、その他、とあるから適法
以上より本件記載の令状はOK
3 民事系
1 民法
これマジでよく分からなかったんだけど。
Step1: 債権譲渡の有効性
本件はAのBに対する売掛金債権を被担保債権とする債権譲渡担保契約と法的性質を明記。債権譲渡自体は可能(466条1項)だが債権は知覚不能な権利なので、特定されていることが必要。
・AB間における売掛金が対象となっている
ため、対象となる債権の内容、債権の当事者が特定されていると言える。
また、かかる契約によってAの事業活動が著しく困難となったりAの債権者やBの利益を害するといった特段の事情も無い
∴本件では集合債権譲渡担保の要件である特定性が満たされていると言えるため適法
↑
譲渡禁止特約があるから無効、と反論するも、効力自体は妨げられない(466条2項)
あとは、
本件譲渡担保契約につき対象債権を債権譲渡登記しているため第三者に対抗出来る
→第三者 is 登記欠缺につき正当利益〇、な者
BはAB間の売掛金たる被担保債権の当事者であるので、被担保債権の存否を巡り争う立場にある
∴Bは債権譲渡担保の登記欠缺につき正当利益〇
としてCはBに譲渡担保を対抗することができる、としてしまった。
※正直債権譲渡登記とあって、「は?」となった。ただ、旧TwitterのTLやリプで債権譲渡特別法が全く想起できなかった。加藤ゼミナールの論証では掲載されてたんだけど、「流石に出んやろ」と思ってやってなかったんだった…大反省です。
Step2:譲渡担保自体有効でも行使できるのか?と考えて構成
尤も、AC間で取立権限をAに留保する特約がなされていてCはこれを解除しているから債権行使できる、と書いた。
↑
無催告解除であるが不適法だ、とBによる反論を書いていく。
しかし、A社がAの財務状況が改善することは無く支払い不能陥る可能性が高かったため、「債務者が…明らか」(542条1項5号)にあたると認定して無催告解除を適法とした。
※この時点で結構時間迫っててちゃんと当てはめする余裕なし。加えて本当にこれであってるのかもわかってない。
最後に債権譲渡担保に基づき履行請求可能だが、譲渡禁止契約条項が業界ではよくあることだったことからすれば、C社はAに禁止特約があるのか確認すべきだったと言えるがこれを全くしていないので、譲渡禁止特約につき重過失アリ、として466条3項に基づき履行拒絶OK
って結論付けた。
正直言ってこの問題はマジでよく分らんかった。法的構成がドンピシャで分かった感覚がまるでない。取立権限留保付き集合債権譲渡担保という法的構成は分かっても、どこから書くべきか…
債権譲渡の有効性→担保としての有効性・対抗の可否→取立権限解除の適否
の順で論じて債権譲渡担保に基づく履行請求、的なことにしたけどよくわかんない。反省点もだからまるで掴めてない。
2 民訴法
これは結構分かりやすかった。ただ、民法で回答用紙表面使い切ってるからかなり焦ってた。
Step0:一部請求としての適法性
処分権主義(246条)&相手方の不意打ち防止から、一部である旨の明示があれば一部請求も許される
→総額が1000万円であると明示して200万円を請求しているので、一部を請求する旨が明示されてると言えるから適法
Step1:後訴の既判力作用
確定判決の後訴での拘束力:既判力 の正当化根拠 is
手続保障下での自己責任
↑
これは判決主文に包含するものにのみ及ぼせば十分&それにより審理弾力化に資する
∴既判力は判決主文に包含するものに生じ(114条1項)理由中判断には生じない
&既判力は前訴訴訟物と後訴訴訟物が同一/矛盾/先決関係にあるときに作用
↓
前訴判決既判力は200万円の請求権の不存在につき生じる
but一部請求がなされた⇒一部と残部は別個の訴訟物となる
∴同一/矛盾/先決関係に無い
後訴に既判力は作用しない
Step2:信義則による主張制限
たとえ既判力の作用が無くても当該主張が紛争の実質的な蒸し返しに当たる
⇒当該主張は信義則により(2条)許されない
前訴では、BがAに対して完済している旨を主張して、これを認容して請求棄却をしている
⇒裁判所はBの弁済が1000万円全体に為されたと心証形成して当該判決に至ったと言え、弁済の存在につき信頼が生じたと言える
∴後訴提起は弁済につき争うとして実質的に紛争蒸し返しといえる
→信義則違反で主張を却下すべき
多分これはほぼ正解筋ちゃんと書けたんじゃないかな。本番ではここまで丁寧に書けてないけど。ちょっと略したところもある
3 商法
これは199条3項該当論じて210条1号違反を論じる位しかスペースなかったわ。
Step1:特に有利な金額該当性
199条3項の趣旨 is 資金調達と既存株主保護の調整
→特に有利な金額 is 公正価格と比して著しく低い価格
&上場会社の場合はかかる趣旨から発行直近の市場価格と近接していることが原則必要
↓
本件では、発行決定決議直前にヶ月は400円前後で推移
→発行価格は250円と6割ほどしかない。よって著しく低い、とも思える
butもともとA社市場価格は500円前後で、業績悪化で200円前後で低迷していた。支援決定により400円前後にまで高騰したのであり、A社の業績改善によるものではない
∴500円を公正価格とすべき
→たった半分しかないのでやはり公正価格と比して著しく低いといえる
Step2:法令違反
∴本件では株主総会特別決議が必要(309条2項5号、199条3項)だが、株主総会は開催されていないため法令違反アリ
→210条1号により差し止めOK
※おい。柱書の検討していないじゃないか。馬鹿者
こんな感じです。