#038 コルシカ島の廃墟

画像1 #037の絵を描き終えて、私はかなり疲労していました。もう夕刻です。これで終わりにしよう。新たな気持ちでペンを握るのは無理だ。心も身体もクタクタ。ホテルへの道をトボトボ歩いていたら妙な脇道を見つけました。ふらふらと坂道を下って行くと、目の前に廃墟が現れたのです。私は釘付けになってしまいました。疲れていることも忘れ、夢中で描きました。私に余力が残っていたとは…あの時間は忘れられないものとなっています。#037と#038はコルテという町での出来事ですが、フェルマー出版社の『万年筆談義』にこの話を書いています。