「スタバ」の強さの源泉 (2022/6/6)
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記事のポイント
大手の生命保険会社が営業職員の新規採用を絞り込む。
保険商品の販売チャネルは、自社の営業職員を介した新規契約が全体の6割程度を占める。
生命保険協会加盟社の職員数は2021年3月末時点で24万8,000人。ピーク時に比べると4割少ない。各社は新規採用を緩やかに減らしてきたが、今後は採用の基準を厳しくする。
各社が採用の基準を厳しくするのは「大量採用・大量離職」の課題に対応するため。短期間で未経験者を育て、厳しい販売目標を課しながら全体の契約を底上げする手法が多くの離脱者を出した。担当者の頻繁な交代は契約者の不満にもつながりやすい。
職員の定着を図る上で欠かせないのは採用後の育成。第一生命は初期の研修期間を従来の4ヶ月から1年に延長。日本生命も一律2年間だった育成の期間を最大5年に延ばした。
ある年に採用された職員が25ヶ月目にどれだけ残っているかを示す指標で、日本生命は1999年度は約20%だったが、21年度には58%まで上昇。ほかの大手も50〜62%程度と定着にはなお道半ば。
金融庁は営業職員を中心とするビジネスモデルの持続性に疑いのまなざしも向ける。各社は今後も営業職員が販売の中核を担うことに変わりがないとの姿勢を示す。
説得力を持たせるためにも、採用の厳格化や実効性のある育成を通じ、人材の質を高める取り組みが今後も欠かせない。
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人口の減少が続くなか、これまでのような「大量採用・大量退職」のビジネスモデルは成り立たなくなったということですよね。
各社、実効性のある育成を通じて、人材の質を高める取り組みを続けていかれるようです。
「実効性のある育成」という点でわたしがスゴいなと感じている企業のひとつが、スターバックス(スタバ)です。
わたしは外食をするときは個人経営のお店を利用することが多いのですが、外でコーヒーを飲むときはスタバを使うことが多いです。
正直なところコーヒーの味だけでいえば、他により好みに近いチェーンがあるのですが、利用頻度は圧倒的にスタバが勝ります。
(スタバでMacを広げてドヤりたい訳ではないです(笑))
なぜスタバに行ってしまうのか?
最大の理由は、「パートナー」さんのサービスのよさです。
(社員・アルバイトにかかわらず全員「パートナー」と呼んでいるそうです)
1996年に日本に初出店し、現在では日本最大の店舗数を誇るカフェチェーンにまで拡大しているにもかかわらず、どこのお店に行っても、どのパートナーさんに接しても感じがいいんですよね。
(マニュアルを読まされているのではなく、自分の言葉で話しているように感じる方が多いです)
【参考】カフェチェーン店舗数トップ3
・第1位:スタバ1704店舗
・第2位:ドトール1286店舗
・第3位:コメダ899店舗。
他にも理由はあると思いますが、スタバの関係者でないわたしが外部からみたサービス力の源泉は、会社としてのパートナーの扱い方・接し方です。
写真はあるスタバの店舗にあった案内板です。
店内に従業員専用の席が確保されていて、たとえ他の席が満席になっても顧客のために使われることはありません。
スタバを利用をしたことがある方なら、このお店のように席が確保されていないまでも、店内で社員の方が1on1(面談)をしている場面に遭遇したことがあるのではないでしょうか。
カフェチェーンに限らず、たとえばコンビニの飲食スペースや、アパレルの店内など、顧客が利用する場所で従業員同士が面談している姿はスタバ以外では見たことがありません。
もしみなさんが従業員だったら、店舗裏の荷物が雑然と置かれたうす暗い倉庫のような場所で面談するのと、顧客も使う明るい店舗内で面談するのとでは、どんな違いを感じますか?
わたしだったら、後者のほうが大切に扱われていると感じますね。
人間には返報性があるので、誰かから与えられたら、誰かにに返そうという意識が働きます。
(返報性:相手から受けた好意などに対して、「お返ししたい」と感じる心理)
会社が従業員を大切に扱うことで、従業員が顧客を大切に扱い、結果的に顧客サービスの向上につながっているのではないでしょうか。
「お客様第一」と従業員に対して口を酸っぱくして言うより、よほど効果的です。
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
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ディアログ 小川