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【くるひか】6.黄色い横断歩道の上で

鑑識?テレビで見た鑑識係っぽい服装の2人が、どんなふうに横断歩道を歩いてたのか聞いてきたので、演じてみる
短大の心理学の時間にやった'ロールプレイ'みたいだな〜と思いながら

「どこにぶつかりましたか?」
「わき腹です。まず右のわき腹にドンッと衝撃が来て、そのあとメリメリメリッって感じで、右の腰と右の膝が変なふうに押し倒されかけました」
「衝撃で頭は道路に付きましたか?」
「え?いえ、左手には娘がいたので、私が倒れてしまうと、この車、私みたいにデカいのにもぶつかっても止まらないので、娘のちっちゃい体なんかすぐに潰されると思って、火事場のバカぢからで娘をかばいました」
「では頭は地面につかなかったんですね?」
「はい、だから今、娘は生きてます」
「頭がつかなかったとなると…」

頭が付いたか付かなかったかが、そのときはそんなに重要だとは思ってなかった

そしてまだ運転手も旦那さんも私に挨拶も謝罪もしてこない
世間話はしてきても
ほんとに車の故障じゃないのなら、ほんとにただの不注意なら、ちょっともうちょい低姿勢でも良くないか???
もし私か主人か大きい娘が同じことしたら、
「大丈夫ですかっ!?本当に本当に申し訳ございませんっ!病院にお運びしますね!?」
とかとか、まずは駆け寄ってくるよ?
まだ"ボーっとしてる"のか?
私はひどいメガネっ子で、運転免許取れる視力出なかったから、車の法律ルールはまるで知らないんだけど、こーゆーとき、人としてのマナーを求めるのは間違いなの???
鑑識たちは、グレーの紙ばさみを片手に、車のバンパーを調べている
私が
「あ、私の腰にぶつかったのはこの辺です」
と銀色のバンパーを触って知らせようとしたら
「わわわ、さわらないで!」
と怒られた
「たしかにここに奥さまの着られているコートの毛が付いていますね」
もう1人が冷静にピンセットみたいなものででバンパーから証拠採取をした
テンションおかしくて採取の邪魔するとこだった、ふうぅ
横断歩道の立ち位置確認もされる
「何歩目でしたか?」
「え、っと、左前をおじいさんがまだ歩いていたから、3本目と4本目の間だった気がします」

今見たら、「とまれ」めっちゃある😂


「場所は?」
「真ん中を歩いてて、ぶつけられて何歩か左によろめいたので、横断歩道から左にかなりズレたと思います」
「うーん」
うーん、ってなんだろ
「うーん」
「あのう、ほんとにブレーキの故障とかではなかったんですか?ぶつかってもぜんぜん、もう全然止まらなくて、主人がオーイと叫んで、窓叩くまで止まらなかったんですけど」
「ブレーキの故障ではありません。本人が、『ボーっとしていて轢いてしまった』と言ってますし、確かめたところ車に異常はありませんでした」
一体あなたはいつまで変なかばいだてを言ってるんだ?という目線で答えられる
「加害者とお知り合いですか?」
「いいいええ、ぜんぜん」
びっくり
「とにかくこの事故は、運転手側の完全な過失です。警察はあんまりこんなこと言わないんですけど、これはもう100:0、加害者が悪い事故です」
ええええ〜〜〜

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