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【くるひか】5.ボーっとしてても挨拶はしろ

床屋行ってきました
すみません、急に
体調大丈夫そうな瞬間が、急に来たもんで
めちゃくちゃサッパリしましたっ!!!!

床屋は、長時間座ったり、シャンプーの姿勢を取ったりすることが出来ないので、事故以来1000円カットばかりになりました

オトナになって、パンクの追っかけ楽しんでて、青とか緑とか赤とか、いろんな髪型を楽しんでた過去とは、全く違う美容室の選び方
になりました

いつ倒れるか自分で予測できないので、とにかく早く
仰向け態勢もなしで
匂いも敏感になったため、髪染めやってないとこ
カット後スタイリング剤やワックスなどをつけないとこ

でも、寝たきりだった日々を想えば、床屋に行けるというのは素晴らしいことだと思います
感動はそこここに転がってて、幸せもほんとすぐ側にある
床屋については、やりたい髪型をやりたい時に済ませておいて、ほんと良かったです
みなさんも、やりたいことは今すぐやっといたほうがいいです!!!!
ぜっったいっっ!!!!

ーーー

警察が到着した
窓越しに、声をかけられる
「どんな状況だったか、お聞きしたいので、降りてきていただけますか?」
私は、荒れ狂って過呼吸になりそうな心を落ち着けるために、運転手=免許取り立ての自分の娘だ、と思い込もうとしていた
そして車自体もブレーキが故障してて、全く悪意の無い事故で、ぜんぶぜんぶ何かの間違いだったのだと思い込もうと頑張っていた
だって、そうじゃないんだとしたら、全く意味が分からない
コンコンコン
「お願いしまーす。どんなふうにぶつかったのか、教えてもらいたいのでー」
警察官が窓の外にたくさんいる
よく見かける制服と、見たことのない制服

私は、アドレナリンぷしゅんぷしゅん状態で、エヘラエヘラと車を降りた
「何かの間違いだとね、思うんですけどね、横断歩道の半分まで来たらですね、右前の道路に止まっていた車がね、突然加速して私たちにぶつかったんですよ。ほんと、なにか、故障じゃないかんですかね?ドンッってぶつかってもね、車止まらなくてね、このままじゃ小さい娘まで、ね、私がここで踏ん張らないとね。ブレーキ調べたほうが、ね、」
体は感覚を失っていて、すべりおりるように車を降り、ヘリョヘリョと100円ショップの前へと移動し、口は思考回路が漏れ出すように、うわっすべりな理屈をペラペラ展開しつづける
「車はどこも壊れていません」
警察がクッキリはっきり言う
「え、え・・・ええっっ!?!?」
まるで意味が分からない
どういうことなんだ
石にぶつかっても、小動物にぶつかっても、ゴミにぶつかっても、車って衝撃伝ってくるよね!?!?
伝わったら止まるよね!?!?
横断歩道の上なんだし!!!
分かんない分かんない分かんない分かんない
「ボーっとしてたそうです」
「え…?」
警察が車を元の立ち位置に動かしたのか、運転手が私にぶつかったあと動かしたのか
車は横断歩道の手前に停まった状態で止まっていた
その右側に女性が立っていた
私と同じくらいの年齢
私より小さい
こんな小さい体で、こんな大きな車に
「ボーっとしていて、ぶつかったことも、ブレーキかけることも、気づかなかったと」
女性はこちらに顔は向けていても、なんだかこの世にいるのかいないのか、私をちゃんとは見ていないような目玉
目玉に見えてるアメ玉なのかな




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