「時代」
日々の日課で、通勤電車で毎週更新の漫画を読む。
作品と、そのコメント欄まで楽しむのが私流。
顔も名前も知らない人々と同じ作品について感想を言い合う。
(私は主にみているだけだが)
ルールが一つ。
コメントを見る前に、自分の感想を考える。
それから他人の意見を見る。
そうすると、いろんな意見に飲まれることなく楽しめる。
会社に着く。
一日の業務の始まりに世の中の動きを見る。
国内最高年齢の方が先日亡くなり、この国に明治生まれの人はいなくなった。
ネットニュースで目にした記事だ。
またコメント欄を見る。
関心の多いニュースは1000件近いコメントが集まり、それをいくつかAIがピックアップしている。
今回の記事についてはおそらく今40~50代の年齢層が多いのだろう。
・私の祖父、祖母は戦時下を生き抜いた人だった。
・昔は明治生まれの人が多く、その中で育てられた為戦争が身近な話だった。
・徳川最後の将軍が亡くなったのも明治時代で、祖父母はその時代を生きていたと思うと江戸時代もそう遠くない過去に思える。
たくさんの意見があった。
(まずこの時点でコメントとそのコメントの管理をAIがしているギャップが皮肉にも思えてくる。)
私は戦争も、高度経済成長もバブルも、何も知らない。
知っているのは、アナログ放送の終わりと、地デジの始まり。
それと、スマートフォンの出現くらいだ。
祖父母も戦後に生まれた。
そんな私たちが今の、これからの日本を担っていく。
「歴史は繰り返す」
この言葉には強く共感する。
なぜなら人は矛盾の中で生活し、生きて、時代を紡いできたからだ。
矛盾しているとわかっていながら、どうしようもなくて、どうしていいかわからないまま、ぐるぐる絡み合って生きている。
そして、間違えて、失敗して、成長する。
秩序や概念は凝り固まっているように見えて案外あっさり軌道変更する。
この国が民主主義だからだろうか。
2人だと1:1のはずが、3人だと1:2になる。1:1:1は無いのか。
あるかもしれないが、分母が大きくなるほど1:1:1:1・・・
結果「マイノリティ:マジョリティ」
世論はどうしたって分母が多い。大きなくくりで動いている。
その全員が、矛盾を、間違いと、失敗をしたら。
戦争を知らない私たちが育てるさらに下の世代。
その世代が新たな革命家として立ち上がり、
「この国も戦うべきだ!」
と声高らかに主張し、マイノリティが指示したら?
想像したくもない。
時代に思いを馳せて、懐かしみ、学び、敬意を払うことは重要なことだ。
自分のルーツを知り、伝統や文化に触れることも、自分が時代のバトンリレーに参加する事につながる。
今一度、本当に大切なことは何か、生きていくとは何か。
考えるべきではないか。
便利な現世の背景にどれほどの犠牲があったのか。
間違ってはいけない、失敗してはいけないなんて思わない。
ただ、過去を振りかえり、過去から学び、大切なものを見失わないように懸命に生きて紡いでいかなければ、とは思う。