Takaronn. Bakaronn

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第1章:始まりの神託(2ページ目)

目を覚ましたとき、月乃は見知らぬ場所に立っていた。 暗闇に包まれた空間の中、遠くには無数の星が輝いている。だが、それは夜空とは異なる感覚だった。星々が生きているように脈打ち、その一つ一つが月乃に何かを語りかけているようだった。 「……ここはどこ?」 辺りを見回しても、地面も風も何も感じられない。ただ星々が静かに瞬いているだけだ。まるで宇宙そのものの中に放り込まれたような不思議な感覚。 「月乃よ……。」 再びあの声が響いた。今度はもっと近く、もっと深く胸に届くように。

    • 星天の神と光宿りの巫女

      第1章:始まりの神託 夜空を見上げると、星が揺れているように感じた。 それは風のせいでも、目の錯覚でもない。どこか歪んだように輝く星々の光は、月乃の胸に奇妙な不安を呼び起こしていた。 境内で竹箒を握りながら、月乃は星空に視線を向ける。 「なんだろう……」 星はいつもと同じように煌めいているはずなのに、今夜の空には得体の知れない異質さが漂っている。子どもの頃から毎晩眺めてきたはずの星空が、どこか違う。 「気のせいだよね……」 自分にそう言い聞かせながら、箒を下ろして

      • 「星天の神と光宿りの巫女」 予告文

        星々が語りかける夜、すべてが動き出した。 日本の小さな神社に住む少女・月乃は、普通の高校生として平穏な日々を送っていた。しかし、ある晩、夜空に走る異変とともに彼女の運命は大きく変わる。 神秘の光を放つ御神木、心に直接響く謎の声、そして星空から降り注ぐ不思議な輝き――。 「お前が選ばれし巫女だ。」 地脈を守る使命を背負い、月乃は未知の力に目覚める。だが、彼女の前に立ちはだかるのは、星々の神「星天の神」と、宇宙からの侵略者「虚無の理」。守るために戦う少女が気づくのは、守る

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      • 「星天の神と光宿りの巫女」
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