Surface Go 2は優秀なサブデバイス
サブデバイス、何を使っていますか?
自宅や会社のメインPCがWindowsの環境においてでもサブ機としてiPadを選ぶ方が多いと思います。
ですがせっかくWindows環境下にあるならSurface Go 2などWindows搭載2in1をタブレット運用することを推したいのです。
そんなことをいう私ですがほんのちょっと前まではiPad ProやiPad miniをサブデバイスとして使用していました。
ですがOSを横断することでiPadがあまり活用できずにいました。
サブとはメインのおまけという意味ではありません。
メインデバイスとの相乗効果を担い生産性の向上に寄与するメインプレイヤーの片翼であってほしいのです。
OSを横断すると、そのデバイスはサブデバイスというよりは切り離され独立したデバイスだといえるかと思います。
私はサブデバイスとしてSurface Go 2を選択しましたが、Surface Proの安価モデルやその他のWindowsタブレットでも同じことが言えると思いますので参考にしていただければ幸いです。
サブデバイスもPCであることのメリット
サブデバイスがタブレット専用OSではなく、WindowsのPCであることが最大のメリットになります。
デバイス間共有の容易さやOneDriveでの同期のスムーズさはOSを横断するとできない体験です。
またファイルをフォルダで管理しているのもメリットが大きいです。
どんなデータも自分が指定したフォルダに格納できるので、作業分類ごとにフォルダを作れます。
iPadだとデータがアプリに紐付けされているのでデータにアクセスするのにアプリそのものを立ち上げる手間がかかってしまいます。
そもそもデータをアプリの外に持っていけないものも多いです。
メインデバイスと同じWindowsがそのまま持ち運べる、というメリットはサブデバイスにiPadやandroidタブレットを選択すると得られないのです。
Surface Go 2の特徴
持ち運びのしやすいコンパクトサイズ
Surface Go 2はとにかく軽量で重量は600gをきります。サイズ感はiPad Pro11インチと同じくらいです。見た目はPCというよりタブレットです。
常時インターネット接続ができるLTEモデル
どこにいてもインターネット接続が可能なLTEモデルがあり、他のSurfaceシリーズにはない強力なメリットで、メインデバイスをうまく補完してくれます。eSIMにも対応しています。
Surfaceペンが使える
Go 2の特徴というよりSurfaceシリーズを通した特徴ですが、Surfaceペンが使いまわせます。別のSurfaceでペンを使用していても瞬時にペアリングされます。またキャリブレーションや筆圧レベルの調整にも対応しておりペンの精度を向上させられます。
高精細ディスプレイ
ディスプレイは200ppiを超える高精細を誇ります。またアスペクト比(縦横比)が一般的な16:9に比べて3:2と縦に長いのでCLIPSTUDIO PAINTなどレイヤーパレットが縦に情報が展開するアプリに相性がいいです。
OneDrive
WindowsPCにプリインストールされているクラウドサービスです。無料でも5GB使えますので、メインデバイスにある資料くらいならすぐに同期できます。また後述するArtPose ProやEASY POSEのスクリーンショットもこちらに保存されますのでファイル移動の手間がありません。
その他
iPadOSやアンドロイドではなくPCですので理屈の上ではWindowsがフルで動きます。
自立スタンドが優秀で別途購入の必要がありません。
サブPCとしては非常に優秀ですがメインPCになりえるほどの高性能ではありません。それでもタブレットとして運用することが前提であればライバル機よりも優れている点が多いです。
バッテリーのもちはiPadなどSoC搭載の純粋なタブレットに比べると悪いです。PCモードではなくタブレットモードで使いこなすにはある程度カスタマイズが必要です。
またインターフェイスもUSBタイプCとイヤホンジャックのみと少ないです。タイプCはthunderbolt3ではないものの充電と映像出力に対応しているので使い勝手は悪くないかと思います。
CPU性能も低いです。それでもCLIPSTUDIO PAINTなどイラストアプリであれば普通に動きます。
Surface Go 2はタブレットモードで運用する
そもそもタブレットモード使っていますか?
タッチ操作を前提とした操作体系に変更ができるタブレットモードですが、Windows=PCのイメージやおまけ感が強くて、そもそも使いにくくなるという印象でした。
たくさんのウィンドウやアプリケーションを開き、マルチタスクでバリバリ作業をこなすPCではタブレットモードはいりません。
ですがメイン機ではなくサブ機であれば事情は異なってきます。
基本的にシングルタスクで作業をすることを想定されたディスプレイサイズの小さいデバイスであればタブレットモードで運用したほうが生産性は高くなるかと思います。
事実、完全にタッチ操作を前提に運用することを想定した場合、タブレットモードはかなり使い勝手がいいのです。
Surface GoやSurface Proの低価格モデルバージョンはそのような運用にぴったりなデバイスです。
またPCの固定観念からタイプカバーキーボードを購入したくなってしまいますが、サブ機として「タブレット運用」をするので私は購入していません。
ブラウザベースでの運用
Windowsタブレットの宿命でもあるのですが、ブラウザでやれることはブラウザでやってしまいましょう。
「アプリがない!」
と言われるとデメリットに感じるかもしれませんが、いち漫画描きとしてはブラウザベースはメリットが大きかったです。
いまどき専門性の高いアプリ以外はだいたいブラウザでも動いていることが多いです。
いちいちアプリを起動しないですみますし、ブラウザのタブで管理されますのでマルチタスク的に横断するのが捗ります。
ですのでアプリベースよりもブラウザベースの方が利便性が高くなりつつあるように感じます。
またMicrosoftEdgeでならブラウザとは独立させたかったりタブ化されることを防ぎたいサイトをアプリとしてインストールすることもできます。
これもかなり便利です。
サイトのアプリ化については下のリンク先「インターネットサイトのアプリ化」でやり方を書いています。
電子書籍の閲覧
専用アプリケーションで読むことが多いと思われる電子書籍ですが、WindowsデバイスではWindowsストアにアプリケーションがほとんどないこともあってブラウザで読むことを強いられます。
デメリットのように思えるかもしれませんが、コンシューマーではなくクリエイターの視点に立つとそうとも限らなくなります。
ブラウザ版であればいくつもの書籍を開きっぱなしにしたまま様々な本にアクセスできますし、ブラウザでのタブ管理ですので電子書籍ビューワーが違っていても問題ありません
また同じビューワーで別の書籍を同時に分割表示できたり、無段階拡縮にも対応しています。
(無段階拡縮については対応していないビューワーもあります。)
電子書籍ビューワーに関しては専用アプリよりブラウザのほうが読みやすく参考にしやすいと思います。
その他にも
メール作業など簡単な事務処理
TwitterなどのSNS
Office 365でのWord、Excel、PowerPointでの作業
オンライン会議
動画の視聴など
などブラウザで完結するものは多いです。
アプリベースでの運用
ブラウザで動かないアプリも当然あります。
私の場合はCLIPSTUDIO PAINTやPhotoshopなどです。
またはArtPose ProやEASY POSEなどの作画補助のsteamで配信されているアプリもそうです。
CLIPSTUDIO PAINT
スペック的にもイラストなどの制作には向いています。
ただディスプレイサイズが小さいことや業界トッププレイヤーのWacom製ペンタブレットに比べれば見劣りのするペン精度などを考慮すれば、重たい作業や精緻さを求められる作業には少し不安定さを感じます。
それでもサブデバイスとしてすきま時間の活用などでは充分に役割を果たしてくれるでしょう。
CLIPSTUDIO PAINTとEASY POSEと同時に動かしても大丈夫でした。
3:2のアスペクト比を活かして縦向きで作画するのにも向いています。
そのときはレイヤーパレットは常時展開するよりも必要な時だけ展開する方式がいいかと思います。
おわりに
私は漫画作業がデジタルになって以来、メインデバイス、いわゆる母艦はずっとWindowsでやってきました。
今はSurface Book 3をメインデバイスとして使用しています。
そういったなかでサブデバイス選びを考えた時、Surface Go 2は有力な選択肢となりました。
実際に運用していく中でSurface Go 2はベンチスコアなどカタログスペックからは見えてこない輝きがあります。
特にSurface Book 3とSurface Go 2の間でSurfaceペンを使いまわせることや、OneDriveの使い勝手の良さ、さらにイラスト制作程度であれば存分に動かすことができるスペックはサブデバイスとしてとても魅力的です。
それでもサブデバイスやモバイルデバイスの選択肢はいつの間にか「iPadのどれか」になってしまっているのが現状です。
もっとこのデバイスの魅力を知ってほしいと思い記事にさせていただきました。
Windows環境下にありメインとサブの連携を高め、生産性の向上を期待するのであればiPadよりWindowsタブレットを候補に考えてみてはいかがでしょうか。
引用
「日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神」相野仁/桑島黎音/田口一/KADOKAWA
「写真と図説でわかる 衣服のシワ上達ガイド 男女の制服とカジュアル」ゴーオフィス/廣済堂出版
今後について
今後はタブレット運用するうえでおすすめのセッティングやSurface Book 3の記事など書いていきたいです。