ずっと空くんいてくれたのに
タイミング悪いのと
恥ずかしいので
なかなか彼の方を向けずに
ずっと背中を向けて作業してしまった。
背中の後ろの彼のつま先は
ずっと私の方を向いてて
嬉しくてせつなかった。
そのうち他の部署から
3人くらい男性が手伝いに来て
私の後ろ陣取って
楽しそうに彼らは会話しながら
作業しはじめると
そらくんは色々面白くなかったのか
私から少し離れた
左眼の視野の中で
背中を向けて
楽しそうに
他の女性と仕事の話をしだした。
話しかけられた40半ばの女性は
女の子みたいに笑っていた。
意識して欲しいから
わざとだなとは思った。
たぶん私はいつも通りの態度と
表情でなにもかわらなかったであろう。
正直面白くなかったけど。
帰り際
片付けしてたら
背中ごしに名前を呼ばれた。
振り返ると彼は
なぜか嬉しそうに
抱きしめられるくらい近い距離で
明日の段取りを伝えてきた。
嬉しいし
ここで動揺して後づさりとかして
目をそらしたら
次から近づいてもらえなくなると思い
動じない様子で
目を見て話した。
彼は話の後半少し恥ずかしそうに
照れて目線を柔らかくはずした。
私がタイムカード押しに行く時
空くんがそばにいたので
お疲れ様でしたと言ったら
まだだよと言わんばかりに
「お疲れ様。」と言って
タイムカード私の目の前で押して
玄関から出ていった。
いつも通り
車の中で携帯見てる彼は
なかなか駐車場から
出なかったが
私がそれ以上に
携帯見る時間長かったら
流石に先に駐車場を後にしたようて
気づいたらもう
いなかった。