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コンフェスコ 5/n フォルテツァの中で
フォルテツァの大きな石と石の間にはところどころに、はつかねずみなら通れる穴が開いていました。
その中の一つに美味しい匂いが運ばれてくる穴がありました。
コンフェスコはとてもお腹が空いていたので、美味しい匂いのするものがどんなものか知りたくなりました。そして、見つけられたら食べてみたいと思いました。
すこし狭い穴にからだを滑り込ませます。
穴の中は真っ暗ですが、美味しい匂いをたよりに、すこしずつすこしずつ前に進んでいくと風が吹き込んでいる一つの出口がありました。美味しい匂いもだいぶ近づいて来たようです。
出口から顔を覗かせて、辺りを見渡すと大きな大きな空間が広がっていました。 その空間はコンフェスコたちの住む寝蔵に比べて、四角く区切られていて、長方形や正方形で整えられた空間でした。
その空間の角に、大きな四角い塔が立っていました。
美味しい匂いはその塔の頂上くらいから運ばれて来ているようでした。
コンフェスコは穴から体を出して塔の頂上へ向かいます。