営業と簿記 17/n 完成品原価→製品
16/nで仕掛品について触れました。
仕掛品の仕訳を見ていくと次のようになっています。
直接材料費 完成品原価
10000 10000
直接労務費
20000 20000
直接経費
10000 10000
製造間接費
10000 10000
毛糸が完成するまでかかっている費用を完成品原価に一度まとめます。
わかりやすいように、上記仕訳分はひと箱分として考えてみましょう。
一度完成品原価に集約したことでひと箱分は50000だということが確認できます。実際には、50000で作ろうという計画があって、ここで49000なら少し安く出来たことになりますし、51000なら余計な出費があったことがわかります。
新しく出てきた製造間接費は、材料費、労務費、経費で触れた各間接費をひと箱あたりならこれくらいかなとある割合で割ったものを完成品原価に反映するための勘定科目です。 間接費は製造のはじめから終わりまでのある範囲を担っていることが多いので、ひと箱当たりの量がわかりにくいためこのように扱われます。
例として、間接材料費では大量の洗剤を上げましたが、ひと箱分のみに使用するのではなく十箱分くらいまで捨てずに同じ洗剤を使うとすれば、ある割合は10パーセントとなります。
完成品原価がまとまったら、製品が出来ているはずなので出荷できるように売上原価へ仕訳をし直します。
完成品原価 売上原価
50000 50000
完成品原価までの仕訳は工業簿記特有の仕訳なので、簿記の一般的なスタイルである商業簿記が読み取れる売上原価の仕訳にしてあげています。
これも、簿記が数字の状態にこだわる例のひとつです。