コンフェスコ 1/n さんぽのはじまり
コンフェスコは夢を見ていました。どんな夢だったかは思い出せません。でも、なんとなく心地よい夢だったような気がします。
コンフェスコは寝床から重たいからだをゆっくりと起こして、窓の外をぼんやり眺めます。
今日は薄曇り、暑くもなく寒くもなさそうです。
お散歩をするには丁度いいかもしれない。
コンフェスコは身支度を整えて、寝蔵の外へ。
隣町まで行ってみよう。特に用事はないけれど。
隣町までは歩いて半日ほどかかります。
隣町まで続く道はたくさんありますが、今日は畑の道を通って、森の道を抜けて行くことにしました。
寝蔵から畑の道までの間に、大きな木があります。 大きな木の下には、小さな石がふたつ並んでいます。
コンフェスコは大きな木の下の小さな石たちに、胸に手を当てながら心のなかで話しかけました。
お兄さん、お姉さん今日は隣町まで行ってきます。
お兄さんが好きだった小麦の種があったら譲って貰えるようにお願いしてみます。
お姉さんが好きだった樹の実の汁を少し分けて貰えないか聞いてみます。
わたしが道に迷わないように見守っていてください。
行ってきます。
コンフェスコは少しあたまを下げると畑の道のほうへ歩き始めました。