感情だけの浅はかな思考が、不祥事を引き起こす。

レトリカ教採学院(教採塾)、学院長の川上です。

先日のニュースで、

授業開始まもなくして、3人以上の児童がトイレに行きたいと申し出たが、トイレに行くことを許可しなかった教諭が処分を受けた。

というのが話題になりました。

場面指導的な面接質問でも、似た事例がよく出題されるのは、こういうことからでしょうね。

私は、ニュースそのものに驚いたというよりも、ニュースに対してのコメントの一部に愕然としました。

「嘘かどうかは、普段見ていればよくわかる」
「3人以上というのは、遊ぶ可能性があるから、よくない」
「休憩時間に行かせておくのが普通。」
「授業開始すぐなのに、またトイレに行きたいっていうのは、おかしい。」

などの意見が散見されました。

私は、

今回のニュースのような教師も然りだが、こんなコメントをしたり、こんな浅はかな思考をもったりしている教師が、体罰や不祥事を起こしているんだな。


と感じます。

今回のコメントのような思考をもつ教師が現場にいるのだとしたら、恐ろしいことだと思います。

そもそも法律を知らず、感情や主観で物事を判断を判断する教師たちですからね。

また、授業を進めたい、騒がせたくない、トラブルを起こしたくない、そんな、子供たちの行動をコントロールしたい教師の一方的で傲慢な思考です。

体罰を引き起こす要因を、文科省は「指導力不足」と定義しています。
その通りだなと感じますね。
指導力があれば、コントロールしたいなんて、思いもしませんからね。
指導力があれば、楽しい授業を展開できるわけですから、子供たちも進んで、急いで、授業を聞きに戻ってきますからね。

結局は、指導力がない教師が、授業崩壊を恐れて、禁止しているだけにすぎません。

こども基本法や、子供の権利条約、児童憲章なども、読んですらいないのでしょうね。

だから権利よりも、自分の感情が先に来るのでしょう。

子供の目線で考えてみても、「この担任から信頼されていないんだな。」ということで、嫌いになるでしょう。


さて、今回の事例から教師を目指す皆さんも知っておかなければいけないことを、まとめますね。

まず、

嘘かどうかではなく、子供がトイレに行きたいと言った時点で、禁止することはできませんよ!禁止することは、体罰にも該当します!



加えて、仮に禁止したところで、失禁してしまったら、それこそ大問題です。私が保護者なら、即その教師を訴えますね。

大人であっても、急におなかが痛くなることだってあります。授業が始まってすぐだからと、禁止することはできません。
授業の残り時間があとわずかであっても、同様です。「我慢しなさい。」というのは、これまた体罰です。


休憩時間もそもそも、5分しかない中で、片付け、次の授業準備、水分補給をしていたら到底足りません。大便であれば、なおさら足りません。

個室に入ったら、からかわれたりするから、だれもいない、静かなときに行きたいという気持ちもあるでしょう。

子どもの権利条約にもあるように、子供の意見表明を尊重しましょう。


もちろん、仲のいい友達がトイレに行ったから、「自分も!」という子供もいるかもしれません。
あるいは、ほかの子がトイレに行くというのを聞いて、自分の尿意を思い出す子もいるでしょう。
さらにさらに、「あ、今トイレ行ってもいいんだ!」と思って「私も!」という子もいるでしょう。

1人であっても、複数であっても、トイレに行きたいと言っている時点で、行かせる以外ありません。


場面指導で、「複数の子がトイレに行きたいといいだしたらどうしますか?」と問われることも、よくあります。

模範解答は以下の通りです。現場でも次のような指導をしてくださいね。


1人が、「トイレに行きたい!」と言い出したら、「どうぞ!」と伝えましょう。

そのあとに追随して、「自分も」「ぼくも!」と言い出す子がいれば、

「はい、複数の人がトイレに行きたいといっているので、いったん授業を止めます。いま、トイレに行きたいという人は、手を挙げてください。
はい、では、いま手を挙げた子は、トイレに行ってきてください。みんなが戻ってきたら、授業を再開します。手を挙げてない子は、教科書の問題を黙読しておいてください。」

というように指導するのがいいでしょう。


決して、

「遊ぶからダメ。」
「もうすぐ授業が終わるから我慢しなさい。」
「さっきも行ったでしょう。」
「休憩中に行っておきなさいよ!」

などと感情あらわにして、法や権利を無視して指導するのは、ご法度です。

訴えられたり、問題になったりしたら、確実に処分を受ける事例です。

それでも、感情的な教師は、「でもトイレに行かせたら、授業にならない。落ち着かない。」と反論してくるかもしれませんね(笑)

何度も言いますが、こういうことを述べる教師は、単なる指導力不足です。そして、結局、法律や権利よりも、自分の感情でしかものごとを考えられない愚かな人です。
返す言葉もありません。

子供のためにならないダメダメ教師は淘汰されるべきですね。


ではまた!

レトリカ教採学院(教採塾)
学院長
川上貴裕


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