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『祝福のチェスカ』の魅力を伝えたい!

普段の生活の中で、辛いことや嫌なことで落ち込んだり、気分が乗らないときに少しでも気持ちを前向きにする“きっかけ”がほしいときはありませんか?

僕はマンガを読んでいると、「こんなふうに考えることができなかった!」ということや「こんな捉え方があるんだ!」と、自分を見つめ直す“きっかけ”になる言葉に出会うことがあります。

今回はマンガが好きすぎて、貯蔵量が70,000冊を越えながらも毎月新マンガを買い漁っている僕が、昨年2024年に思わず表紙買いしてしまった『祝福のチェスカ』より、僕自身の価値観や経験を通して心に刺さった言葉を厳選して紹介したいと思います!

本作は2025年2月現在、単行本は1巻発行&連載中の作品です。

祝福のチェスカ 概要・感想

『祝福のチェスカ』は神の祝福“ルア”が人々の社会的階層を決定する魔法の有無による支配構造が根付いた世界で、言語学の天才である少女チェスカと神の祝福“ルア”を持たず虐げられてきたヤグーの王子シキ、さまざまな立場の若者たちが学園での交流を通じて世界の在り方そのものに疑問を投げかけていく異世界ファンタジー物語です。

まず世界観の設定が秀逸で、超能力を持つ支配者側とその能力を持たないヤグーと呼ばれる被支配者側に分かれ、徹底的な差別と抑圧を受けている世界が舞台で、文化や国家、宗教など、王族たちが背負ったものや思惑が端的かつ鋭く描かれていて、他国の言語が通じないという点で、主人公のチェスカは言語学の天才にして通訳者(翻訳者)という今までにあまりない主人公の設定で物語に引き込まれます。

物語はある日突然、世界を支配していた神の祝福“ルア”が消失し、超能力が使えない異変が発生したことで、支配者と被支配者の力関係が崩れつつある中、多くの王族が通う学園にヤグーの王子シキが入学し、チェスカとの運命的な出会いを果たすところから始まります。

チェスカは純粋な知識欲に突き動かされるかのように見えながら、実は酸いも甘いも噛み分けて生きてきた冷徹な側面を持つキャラクターで、彼女は言語学の天才であり、ルアを持たずとも知識によって世界を変えようとしています。

対するシキは長らく虐げられてきたヤグーの王子で、学園での議論や対立を通じて彼は次第に自らの立場と世界の矛盾を認識していきます。

この作品のおすすめポイントは単なる異世界ファンタジーに留まらず、人種差別や支配構造といった現実社会にも通じるテーマが鋭く描かれている点です。

学園を舞台として裁判劇のような感じで、異なる民族の代表たちが互いの意見を調整しながら問題解決を試みる場面が数多くあり、文化や国家、宗教が複雑に絡み合う社会の中で、対立しながらも解決策を模索する姿はとてもリアルに感じます。

特に、魔法が突然使えなくなったことによる混乱の中で、各国の王族たちがどのように対応し、どんな思想を持っているのかが丁寧に描かれていて、各登場人物の価値観がしっかりと構築されており、読み進めるほどに物語の厚みを感じさせます。

まだ1巻しか出ていないこともありますが、物語の行く末がまったく見えないので、学園内での多国籍な生徒たちの交流が中心となる序盤から、次第に世界の根幹に関わる大きな謎へと展開していきますが、神より与えられた力を持つ者と持たざる者の間に築かれた差別構造がどのように変化していくのか、そしてチェスカが何を目的として動いているのかとても気になります。

単なる学園ファンタジーではなく、才能や知識の力、そして人種差別といったテーマを深く掘り下げられ、登場人物たちの思惑が複雑に絡み合いながら、物語がどのような結末に向かっていくのかがまったく読めない緊張感が味わえる作品ですので、ぜひ興味のある方は読んでみて損はないと思います!

祝福のチェスカ 名言&共感ポイント

この記事は『祝福のチェスカ』©乃原美隆/一迅社 の内容を引用しています。

何もしてくれない代表者の国の民は本当に悲惨だよ。言う権利は誰にでも与えられるものじゃないのに。

チェスカ

厳しい現実の中で生きる者の重みがある言葉のように思いますね…。

単なる独善ではなくて、長年にわたる支配と抑圧の中で何も変えられない者たちの苦しみを示唆しているようで、現実世界でも権力を持つ者が責任を果たさずに結果として民衆が苦しむ場面は少なくように思いますし、それは国レベルの話ではなく会社や学校などでも、チームやグループ、組織といった括りでも起こっていると思うんですよね。

また、「言う権利は誰にでも与えられるものじゃない」という言葉には、発言には責任と影響力が伴うんだよと教えてくれている言葉でもあり、警告している言葉でもあるように思います。

誰もが自由に発言できるように見える世界でも、実際には力を持つ者や正当性を持つ者、その場で意見を言える気持ちの強い者など、周囲へ何らかの影響力を持っている人ならではの感覚があるのかもしれません。

僕自身は思ったことをすぐ口にしてしまうタイプですが、それによって軋轢を生んだり、余計な一言だったなとか、声を上げることは大切だと思いつつも、その場では求められていなかったということを何度も経験してきました。

『言葉は凶器』とか、『言葉の葉は刃物の刃で、相手を傷づける』とか、いろいろと思うところがありますが、意外と「言う権利」って平等のようで平等でないのかもな…、と考えさせられた言葉でした。

まとめ

いかがだったでしょうか。

『祝福のチェスカ』の魅力&自分を見つめ直すきっかけになりそうな言葉は伝わったでしょうか?

学校や会社、いろんな組織、団体などに所属していて、「落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるとき、そして、少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるとき」に、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。

それでは今回はここまでです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。


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