★【続巻マンガ紹介】『葬送のフリーレン 12巻』が熱い!
マンガが好き過ぎて、マンガの貯蔵量が60,000冊を越えながらも、毎月新しいマンガを買い漁る僕が、前回1~11巻までの名言を紹介したマンガである『葬送のフリーレン』(©原作:山田鐘人・作画:アベツカサ/小学館)の最新刊:12巻を紹介させていただきます。
葬送のフリーレン 12巻 感想
前巻の終わりで「新章の過去編に突入だ!」と思われていましたが、「過去編。ん?過去じゃなくタイムスリップ?」という展開になりましたね。
12巻の裏表紙にも書かれている通り、「前日譚ファンタジー」ということで、意趣を変えた過去篇というか、「後日譚」として語られているように思います。
女神の石碑について調べていたところ、女神様の謎の魔法で思いがけず80年前に飛ばされたフリーレンですが、一体どこまでが「実際にあった」ことで、どこからが時空の歪みで発生したことなのかは謎のままです。
そして勇者一行としてヒンメルたちとの魔王討伐の旅が再開し、思い出で語られる勇者一行の冒険をなぞる旅の中で、フリーレンが自分の想いを共有し、ヒンメルたちに協力してもらいながら改めて戻る方法を模索する冒険が始まりました。
冒険の中では、油断するとすぐかっこいいポーズするヒンメルや二日酔いのハイター、ドラゴンとの戦闘で異常なほどの頑丈さを見せるアイゼン、そしてお子ちゃまな感じのフリーレンといった、これまで部分的に描かれていた勇者一行の冒険がリアルかつ本当だったんだ…と、ドン引きと嬉しさが入り交じった感情にさせてくれます。
また、80年の時間経過で魔王討伐時点では存在し得ない魔法を使えるフリーレンと80年分の情報が魔王軍側に漏れると歴史が改変されてしまうため、むやみやたらに現代で行っていたことができないのも、タイムスリップならではの展開です。
未来から来たフリーレンに「私たちは80年後の世界では魔王を倒せているのか?」と聞いたハイターに対して、「どのような結果になっても僕たちは戦うんだ。勇者一行なんだから。」と遮るヒンメルの姿は、今ここにあるこの気持ちが大切なんだということを見せているようにも思いますし、なにより未来の結果を知る人が現れたのにそれを聞かず、未来から来たという不可知を受け容れられるヒンメルが純粋にすごいです。
さらに少しく考察するなら、ヒンメルたちは未来のフリーレンに会ったってことを、当時のフリーレンには内緒にしていたということなのかな?と、秘密を最後まで守り通したのもすごいです。
今回はヒンメルの巻と言っていいほど、ヒンメルの真っ直ぐな人間性が輝いており、フリーレンが「未来から来た」という言葉に対して、前進するために考えを即座に切り替えられるところが本当に勇者だなと感じたり、模造品の勇者の剣を大切する勇者が相変わらずカッコよく、「剣が勇者にするのでなく、勇者が使った剣が勇者の剣なんだ」と、ヒンメルの人柄がどんどん出てきます。
孤児院だった場所で、幼少期を振り返るヒンメルとハイターの会話の中で「自分は信じられないけど、ヒンメルは信じられる。」とハイターが言っていたことがホントによくわかると思いますし、勇者の剣がレプリカであっても、もうレプリカの剣が本物の剣を超えていると思います。
そんなヒンメルたちと懐かしい再会をしたフリーレンは、本当はヒンメルたちに話したいことがいっぱいあるんだろうと思いますが、未来を変えたくないって思えるのは「今」が幸せであり、それを察するヒンメルはやっぱり良き理解者だなと感じました。
そして日常シーンばかりでなく、元の時代に戻るために女神の石碑で呪文を唱えようとしたところで、魔族たちが現れてバトルの気配というか勃発します。
約50~80年後に「決着」のついている敵との闘いが、過去に戻って新たに語られるという展開が物語的に新鮮で、ヒンメルと同様にフリーレンが未来から来たという不可知を即受け容れ、どう対処するかを考える魔王軍側のソリテールの行動が気になります。
ゾルトラークや飛行などの現代魔法を封じたフリーレンと、過去の時代の能力・スキルで戦うヒンメルたちがどのように魔族と戦っていくのかが楽しみです。
この記事の冒頭で「フリーレンがヒンメルたちに自分の想いを共有して、ら改めて戻る冒険が始まった」と書きました。
このフリーレンの想いとは、フリーレンが語った「私はこれでもこの旅が終わってからたくさんのことを学んだんだよ。新しく大切なものもたくさんできた。」と、フリーレンにとってフェルンやシュタルクとの旅は、ヒンメルたちとの旅と同じくらいの大切なものになっていたんだなと読んでいて泣きそうになりました…。
フリーレンはフェルンたちのもとに戻れるのだろうか…、ってハラハラ・ドキドキしてしまいました。
そして最後に、魔族の見せる夢の効果でヒンメルのフリーレンに対する想いが描かれますが、まさかの花嫁姿のフリーレン…。
ヒンメルがフリーレンと「結婚する未来」は叶わない未来であり、それが描かれるのは何だか切ないです。
さらにヒンメルがフリーレンとのことをどう思っていたのかが明確にわかって、僕の心はギュッとなり、数巻前の指輪のシーンを読み直したら切なさがハンパないことになりました…。フリーレンへの想いを諦めたとかではなく、「フリーレンの全てを受け入れてんだろうなぁ」と思います。
この記事を書くにあたり、前巻からの伏線回収を見直していて、最後のページにあったヒンメルの「決して叶わないと諦めた幸せな夢」の内容が切なすぎることと、逆にヒンメルたちの日常というか彼らの冒険譚が楽しくて、魔王軍とのバトルとヒンメルの想い、そしてフリーレンの想いにグッときたので、是非12巻を読んでみてもらいたいです。
葬送のフリーレン 12巻 名言一覧
いかがだったでしょうか?
次巻、使える魔法に制約がある中で、危機的状況である魔族の見せる夢からどうやって醒め、どんなふうに切り抜けて元の時代に戻るのか、期待が高まる一方です。ぜひ興味のある方は読んでみて損はないと作品だと思います!
それでは今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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