心が温まる青春群像劇『スキップとローファー』の魅力を伝えたい!
普段の生活の中で、辛いことや嫌なことで落ち込んだり、気分が乗らないときに少しでも気持ちを前向きにする“きっかけ”がほしいときはありませんか?
僕はマンガを読んでいると、「こんなふうに考えることができなかった!」ということや「こんな捉え方があるんだ!」と、自分を見つめ直す“きっかけ”になる言葉に出会うことがあります。
今回はマンガが好きすぎて、貯蔵量が70,000冊を越えながらも毎月新マンガを買い漁っている僕が、続巻が出るたびにいまも読み返している『スキップとローファー』より、僕自身の価値観や経験を通して心に刺さった言葉を厳選して紹介したいと思います!
本作は2025年1月現在、単行本は11巻発行&連載中、マンガ大賞2020:第3位、第47回講談社漫画賞:総合部門受賞、2023年4月にアニメ化し、現在アニメ第2期の制作が決定している作品です。
スキップとローファー 概要・感想
『スキップとローファー』は田舎から都会の高校に進学した純粋で真っ直ぐな少女・岩倉美津未(みつみ)と、元子役の志摩聡介との出会いを軸に、高校生特有の友情や恋愛、人付き合いから生まれるピュアさや葛藤、コンプレックスなどを感じる繊細で純粋な心情と、それらの気持ちに向き合いながら成長していく姿がリアルで魅力的に描かれている青春群像劇です。
まず心惹かれる主人公のみつみは、田舎育ちで天然な性格ながらも頭脳明晰で、将来は官僚となってキャリアを積んで地元の市長として過疎地域に貢献したいという大きな夢を思い描いていますが、彼女の「素直でまっすぐ」なところと「天然な部分」が合わさって、田舎町でたった8人の同級生と過ごしてきた環境から東京の大都会で多くのクラスメートに囲まれる新しい生活に飛び、その中で見せる明るさや努力する姿勢が多くの人を惹きつけていきます。
そして、みつみの周囲を取り巻くさまざまな登場人物たちは、彼女を田舎者とおちょくったり、嫉妬したり、対抗意識を燃やす人もいますが、物語が進むにつれて彼らもまた、みつみの純粋さに触れることで自らの心と向き合うことで成長していきますし、その向き合い方や自分の気持ちに折り合いをつける姿に共感して応援したくなります。
元子役の志摩くんは一見すると明るくて誰からも好かれる人気者ですが、実は人との深い関係を恐れている繊細な一面があったり、周囲に気後れしないようにと努力をするもどこかで自分の気持ちを見限ってしまうミカちゃんや、美人で人気者のゆづはその容姿から男性からの言葉や女友達の態度、自分の悩みを打ち明けてもわかってもらえないトラウマを抱え、地味で控えめなまこっちゃんが自分と相いれない人たちと関わらない気持ちの裏側など、登場人物たちはみんなどこかに繊細さや傷を抱えています。
それぞれに独自の個性と背景を持っている登場人物たちも、みつみやみつみと関わったことで生まれた人間関係の中で、過去の劣等感やコンプレックスを抱えながらも前向きに頑張ろうとする姿勢が印象的で、自分が見失っていた「大切なもの」を思い出していくところに感動します。
個人的にこの作品の好きなところは、登場人物たちが「自分が他人に対して抱く嫌悪感の原因が相手ではなく、自分の中にあることに気づいていく」ところで、この気づきがきっかけとなって彼らは自分の弱さを受け入れ、より良い自分へと変わっていくところが大好きです。
自己を分析することは簡単なことではないですし、自分を分析するということは「自分の嫌な部分や向き合いたくない部分に目を向ける作業」でもあるからこそ、物語の中で描かれるようにそれを乗り越えることで人は成長し、より強い自分になることができるのだと思います。
また高校生ならではの友情や恋愛だけでなく、彼らを支える先輩や先生、家族などの大人たちが織り成す物語も魅力的で、みつみの叔母であるナオちゃんの存在は、みつみを受け入れる優しさや人生経験に裏打ちされたアドバイス、自分の中に秘めた想いと、この作品全体の温かみをさらに引き立ているように感じます。
青春の成長物語であると同時に、人間の心の奥深くに潜む感情や成長の可能性を魅せてくれる登場人物たち、そして人が持つ弱さや臆病さに自然と光を当てて周囲の人々を変えていく力を素直でまっすぐな気持ちで与えてくれるみつみの姿が、自分自身と向き合って新しい一歩を踏み出すきっかけをくれる作品ですので、ぜひ興味のある方は読んでみて損はないと思います!
補足情報とお願い
みつみの故郷は作者の出身地である石川県珠洲市がモデルで、珠洲市を含む石川県の能登半島は昨年の能登半島地震と豪雨災害で大変な被害を受けました。
僕自身は現在も石川県の地にいて、震災・豪雨災害のボランティア活動や友人の倒壊しかけた家から荷物を搬出したりしてきましたが、あれから1年・半年と経っても現状はひどい状況で公費解体がまだ済んでない家も数多くあります。
講談社が行ってくれた「スキップとローファーの第1話を読んでくれた人の分だけ100円を募金してくれる」というプロジェクトがあり、既に予定金額の1,000万円に達したため終了となりましたが、残り1週間を切ってますが1月22日まで1巻から3巻までが無料で読める募金プロジェクトで使用されている公式のキャンペーンサイトがありますので、ぜひ読んでみていただけたら嬉しいです!
スキップとローファー 名言10選&共感ポイント
この記事は『スキップとローファー』©高松美咲/講談社 の内容を引用しています。
いまでも努力は報われる・報われないみたいな議論はあるのかわかりませんが、僕が高校生・大学生の頃はよくこのテーマで話すことがありました。
また別の記事でこのテーマを取り上げたいと思いますが、この言葉は努力は自分を支える大きな柱になると考える一方で、報われるかどうかわからない未来に不安を抱えながら続けることでもあって、報われると信じ続けることはそんなにも簡単なことではないんだということを感じさせてくれる言葉でもあるように思います。
ここで感じている「怖さ」とは、真剣に向き合っているからこそのリアルな感情なんだろうなと思いますし、だからこそその恐怖に立ち向かうことは自分自身を成長させたり、大切な目標に少しでも近づけたいという希望を含めて努力を続ける理由として自分も頑張ろうと思える言葉だと思いました。
率直に言って、めちゃくちゃポジティブ思考やん!って思いました。
転ぶことを恥じるのではなく、起き上がる力を誇る考え方は失敗をポジティブに捉えるとてもいい例だなど思いましたし、日々の出来事や挑戦の中で失敗は避けられませんが、それを恐れるよりも乗り越える力を信じることで前向きに進む勇気がもらえるのではないかと思います。
また「得意なんだから!」と言えてしまうくらい転ぶことをなんとも思ってないと表現できる強さは、自分を信じる力と失敗を楽しむ余裕を持たせてくれるようで、こんなふうに自分も考えられるようになりたいなと思った言葉でした。
大人びた考え方だな~という印象ですが、僕自身もたしかに深く考えてみても意外と「譲れないもの」ってそんなにないかもと実感させられました。
迷いは人を成長さてくれる一方で、時には行動を止めてしまうこともありますが、志摩くんのこの言葉には迷いに囚われずに物事の本質を見つめ直す大切さが含まれているように感じます。
日常の些細なことで悩むことがあっても心を楽にしてくれて、「譲れないほど大事なもの」を基準にしてみると優先順位が自然と明確になって、迷いよりも大切なものはなんだろうと視点を切り替えたり、そう考えることでより自由に選択できるようになるなあと思わせてくれる言葉でした。
自分の理想像や憧れの姿に自分を重ねたときに、こんな思考になりやすいなと思いましたし、自分に対する劣等感や他者への嫉妬みたいな感情は自分に足りないものを突きつけてきて辛くなりますね。
僕も「自分は資格がない」と思う瞬間は何度か経験してきましたが、それでも前に進んでいる人たちを見て学ぶこともありました。
そうした気持ちに共感しつつも、自分自身もまた他者から刺激を受けて成長していくんだという希望を感じさせてくれる言葉でもあると思います。
成功がもたらすプレッシャーや他者からの期待に対する無意識な心の変化って意外と忘れがちというか、意識の外に会ったりする感覚だなと改めて思いました。
「成功体験」は自信につながる一方で、それを超えなければならないという重圧をも生むものでもあり、それは時に自分を苦しめますし、僕も「前のほうがよかった」や「期待に応えるべきだ」といった外部からの評価で自分の行動を制限してしまうと強力な足枷になるという経験をしてきました。
また他者評価は相手の主観的であって自分の価値を他の人の好みに委ねてしまうと、自分の中で内面的な満足が得られなくなることもあるので、自分が本当にやりたいことや自分らしさを追求するゆとりを持ったり、期待を重荷とせずに成長の糧へと変えられる柔軟さを持つことが大切だと思わせてくれる言葉でした。
何かを選択するときの悩みを吹き飛ばしてくれそうないい言葉だと思いました。
結果がわからない未来に向かって決断することは難しいですが、自分で選ぶことに意味があると教えてくれますし、僕たちはしばしば他人の意見や期待に影響されて選択することもありますが、最終的に自分で選んだ道はどんな結果であっても納得できます。(妥協もあるかもしれませんが…。)
僕は「選択した道を正解にする」って思いで、その後のアプローチに対して全力で取り組むようにしていますが、自分の望む結果につながったかどうかがわかるのはずっと先のことであるからこそ、選択肢がある時点で妥協せずに自分が納得して決めることって大事なんだろうなと改めて感じさせてくれた言葉でした。
前向きな言葉&決意を秘めた言葉で、個人的にとても心に刺さりました。
何かを克服しようと思ったときには、自分の理想と現実のギャップ、自分の現状を受入れてそれをさらけ出し、さらにはそこから周囲の批判や嘲笑に立ち向かわないとけない場面に出くわすこともありますが、そうした困難を乗り越える覚悟と、自己を変えたいという強い意志が感じられる言葉だと思います。
「自分には特別な才能があるかもしれない」と思いたい願望や淡い期待があっても、それが叶わない現実に直面したときには何かを変えるために「恥をかく」というリスクを取る覚悟を持てるかどうかは、人の本質的な強さを試す瞬間でもあるんだろうなと、チャレンジ意欲が搔き立てられる言葉のように感じました。
やんわりと完璧を求めすぎずに、自然体でいることの大切さを教えてくれていように感じますね。
他者に見せる恥ずかしさや弱さこそが、より深い人間関係を築くきっかけになるという温かいメッセージこもっていると思いますし、人と心を通わせる瞬間は意外にも自分の弱さをさらけ出したときに生まれることが多いように思います。
ナオのような視点を持つと人との関わり方がもっと自由になりそうで、軽く考えることで広がるチャンスを見落とさないようにしていきたいなと思えた言葉でした。
「自己満足」って聞くと、けっこうネガティブなイメージを持ちやすいかもしれませんが、実際には自分自身を満たすことはとっても大事で、その感覚が他者への優しさにもつながっているのかもしれません。
自分本位で自己完結することであれば、もっと自由に、もっと自分の「好き」を楽しんでいいんだと思いますし、他人の評価や社会の基準に縛られずに自分の中で価値のあることを見つけることって素敵だなと感じました。
他者の目を気にしすぎて、無意識でも自分を制限してしまうことがあるかもしれない環境で、肩肘を張らずに自分のペースで生きることの大切さを教えてくれている言葉だと思いました。
大人になって、忘年会や同窓会で昔仲の良かった仲間たちとの談笑の中で、青春時代に触れたときの気持ちがよみがえらされた言葉でした。
青春の甘酸っぱい思い出と同時に、過去のコンプレックスが滲んできて、「普通」と思える青春のひとときに対して「夢みたいに見える」と思うのは、どこか自分にはなかったものへの羨望や過去の痛みが感じられます。
それでも「自分の思い出」という一線を引いて、青春時代の感情を思い起こすきっかけに自分は関係ないと認識し、誰かの幸福を本気で願う気持ちは過去の苦しみを乗り越えた人だからこそ持てる強さだと思いますし、日常の小さな幸せを見逃さずに自分や他者に優しく生きる大切さを教えてくれます言葉だなと思いました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
『スキップとローファー』の魅力&自分を見つめ直すきっかけになりそうな言葉は伝わったでしょうか?
学校や会社、いろんな組織、団体などに所属していて、「落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるとき、そして、少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるとき」に、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。
それでは今回はここまでです。
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最後まで読んでいただきありがとうございました