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★【続巻マンガ紹介】『青に、ふれる。』が 7巻で完結!
マンガが好き過ぎて、マンガの貯蔵量が60,000冊を越えながらも、毎月新しいマンガを買い漁る僕が、前回1~6巻までの名言を紹介したマンガである『青に、ふれる。』(©鈴木望/双葉社)の最新刊:7巻を紹介させていただきます。
青に、ふれる。 7巻 感想
ついに今回の7巻で最終回を迎えました…。
場面は白川先生と神田先生が話してるところで急に瑠璃子の話題になったことに戸惑い、露骨に話題を変える神田先生に少し呆れ気味の白川先生でしたが、瑠璃子と神田先生の関係の本質を語り始めます。
生徒として瑠璃子を見ないといけない一方で、瑠璃子のアザが自分にとって特別であったことやフリースクールでの繋がりやが好意となって隠し切れない神田先生に、先生と生徒の関係性も卒業という環境でまた変わっっていくこと、そして「感情は思っているより伝わってしまうもので隠そうと抑えようとすればするほど、爆発したり他人も自分も傷つけることがある」ということを伝えます。
場面は変わり、瑠璃子はスクールカウンセラーを目指して親とも離れる環境を選んで関西の大学へオープンキャンパスに行くことに…。
母親が旅行を兼ねて付き添ってくれることになりますが、今までの関係性を一度話し合っていたこともあってわだかまりもなくオープンキャンパスを迎えます。
いつも通りグイグイ自分の思いを話す瑠璃子の母も、説明を補佐していた学生たちが「子どもよりでしゃばる親がいた」と噂話しているところに遭遇し、また娘を苦しめていたのではないかと考え込みます。
そんな母の姿にいつもの母でないと伝える瑠璃子は、母は母らしくいてほしいことを伝え、お互いに思っていることをぶっちゃけて話そうとアルコールを入れた女子会へ。瑠璃子は未成年なのでジュースとお菓子でしたが、買い物をする様子からも、そんなことが許されてこなかったような背景が感じ取れました。
そして瑠璃子の顔のアザの話になったとき、今まで聞いていた話と違う「瑠璃子という名前の由来」が覆る自分が生まれたときにはアザがなかったことを聞き、母の「周囲に責められたくなくて言えなかった」ことや、それでもいじめや不登校を「私達は乗り越えた」という無神経な言葉に傷つき、ホテルを飛び出す瑠璃子…。
その後にお互いに本音をぶつけ伝え合いますが、母親は母なりの周囲の目や自身が置かれた環境に苦しんでいた背景を知れるも、娘を苦しめていることに全く気づかない(悪気がない)のは、自分の価値観や正義感を押さえつけてしまう行動なんだろうなと感じますし、僕もそんなふうなことを家庭や職場でしていないだろうかと自問自答させられました。
ずっと母親との距離感や母に言いたいことを言えなかった瑠璃子が、最後にようやく言いたいことを言えた場面には心が苦しくなる部分はあれど、やっぱり親元を離れてみるのは大事なんだろうとも感じ、反面教師として母と娘の関係を捉えてみたり、進路について考えさせられるエピソードだったのではないかと思います。
このオープンキャンパスでの出来事を機に、瑠璃子は白川先生と話した「親との距離感」についての考え方や自分がなぜスクールカウンセラーになりたいのかという想いや夢をフリースクールで神田先生に語ります。
そこからは神田先生の誕生日を祝って花火をしたり受験勉強に打ち込んだりと時間は進み、無事に関西の大学に合格した瑠璃子は高校卒業の数年後、地元の関東に戻ってきました。
そこにはスクールカウンセラーとなって母校に勤務し、瑠璃子と同じく太田母斑にコンプレックスを抱えている生徒のカウンセリングをしている瑠璃子や結婚し2人目を妊娠中の白川先生、今でもたくさんの生徒に囲まれながら教鞭をとっている神田先生の姿が…。
顔にアザのある女子高生と相貌失認の教師が、お互いのコンプレックスの痛みをほどいてゆき、恋人として仲睦まじく次に向かっていく物語の最後は、とてもほっこりとした気持ちで満たされました。
青に、ふれる。 7巻 名言一覧
はい、対等になりたいです。親だけじゃなく…、誰にでも対等に接してくれる人がいて…。あたしもそうなりたい…って。
青山 瑠璃子
憧れにしたくないんです。おこがましいんだけど、いつか一緒に歩いていきたい…っていうか、その人はもう自立してて色んな経験してて、自分の夢を叶えてる。一緒にいられるようにあたしもそうならなきゃ…って。
青山 瑠璃子
“親”、“先生”、“友達”、“OB”。それぞれの“立場”があるんですよね。あたしは「何でも話して」「いつでも相談して」って言われるたび、嬉しい反面「この関係の人には話せないな」とか、「話しても困らせちゃうかも」って悩むことがあったから…。
青山 瑠璃子
それだけじゃなく、橋渡しもできたらいいな…って。親や先生ら友達にも話せるように、家や学校にも居場所ができるように、あたしも恩返しができるといいな。
青山 瑠璃子
違ってたらごめんだけど…、やっぱりママ待ってる間に何かあったでしょ。ママが自分の感情抑えてるの伝わってくるんだ。多分…、ママが思ってる以上に。
青山 瑠璃子
間違いとは言ってないよ。
ただ…、ママはもっと自分のことを最優先にしたらいいんじゃないかな。
青山 瑠璃子
ほら!!いつもあたしが話そうとするとママが先に話す!本当は怖いから聞きたくないんでしょ!?あたしの本音が!“ママは何もわかってない”って知るのが怖いんだよ。本当はずっと怖くて逃げてる。怖がってる人には話せないよ…。
青山 瑠璃子
じゃあ…、今のあたしは何なの?“誰も私のことなんか”って言うママの隣にいるあたしは何なの?
青山 瑠璃子
もう遅いよ。ママは自分勝手だよ。欲しい時はくれなくて、あげたい時は押しつける…!“乗り越えた”もそうだよ!あたしが今までどれだけ…っ、どんな思いで…っ、何で学校戻ったかわかる!?アザを気にしなくなったのなんでだと思う!?ママが“自分のせい”って責めるから、あのままじゃママが壊れると思ったから。
青山 瑠璃子
…あたしは、あたしの気持ち殺してきたよ。ママに見てもらえなくても聞いてもらえなくても、傷つかないように、強くならなきゃ、…って。
青山 瑠璃子
あたし…、ママがつらいのはあたしのせい、あたしがなんとかしなきゃって思ってた。でもさ、変えられるのって自分だけなんだよね。当たり前なんだけど。
青山 瑠璃子
“親だから”、“子供だから”許されることなんて、本当はないんじゃないかな。近い関係性だからこそ、ちゃんと“違うこと”を認めるっていうか…、尊重できた方がいいんだよね。
青山 瑠璃子
なりたい自分像が明確にあっても、家庭環境や経済状況ですぐには叶えられなかったり、“なりたい自分”になった後も心の苦しみが癒えない人達も見てきた。でもきっと望むゴールはひとつ。愛し愛され受け入れてもらうこと。誰よりもまず自分自身に。
青山 瑠璃子
今、あたしは自分の顔にアザがあって良かったと思う時もあるけど、これからも考え続けていくんだろうな。スクールカウンセラーとしても、青山瑠璃子としても。
青山 瑠璃子
夢って叶ってみるとあっという間なんですね。
青山 瑠璃子
あ…!いや避けたというか、ちょっと心の準備がしたかっただけで。
神田 野光
この感情はダメだ。でもどうしたらいいかわからなくて。脳が言うことを聞かないというか。…浮かぶんです。青山さんのことを思い出すと顔が浮かんでくる。
神田 野光
僕は人を思い出す時、髪型や服装しか浮かばないんです。でも青山さんは、声とか表情まで見えるような気がしてくる。
神田 野光
僕はそれでいいと思います。
過去を忘れるってことは、今が充実してる証拠だから。
神田 野光
僕、今はズルい奴になります。言語化できない感情ふくめ、今の自分を認めます。教師と生徒じゃなくなった時、青山さんとしっかり向き合えるように。
神田 野光
安心できていつでも帰れる場所ができたから、どこにでも行ける気がした。むしろ出て行かなきゃいけないと思った。俺が受けた恩は社会に返すんだ、と。
神田 野光
これから、もっと大きな夢を描きましょう。良ければ…、一緒に。
神田 野光
神田先生は真っ直ぐすぎです。感情って思ってるより伝わっちゃうものだし、隠そうと抑えようとすればするほど、爆発したり他人も自分も傷つけたりする。
白河
その感情、今は言語化しなければいいんですよ。
言葉にするとジャッジが入るから。
今はただ感じることを禁止しないで。
白河
自分のことを否定し続けると辛くなっちゃうから、自分が自分の味方になってあげないと。
白河
そんなことないよ。
環境を変えるってお互いにとって大事だと思う。
白河
大事なものって人それぞれだし、同じ人でも時間が経てば変わるものでしょ?
白河
いかがだったでしょうか?
『青に、ふれる。』は、青春ラブストーリーの中に「太田母斑」や「相貌失認」というセンシティブなコンプレックスをテーマに描かれた、作者:鈴木望先生に敬意を表して感謝を伝えたい最高の作品です。素敵なマンガをありがとうございました。
少しでも興味のある方は読んでみて損はないと作品だと思います!
それでは今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!