子どもに最初に与えるものは荷物にならない方がいい。
私の名前(本名)は、母がある本の主人公からつけた。
それを知ったのは小学校でよくある『名前の由来をきいてくる宿題』からであったのだが、小学生向きではない小説だったので内容は知らなかった。
名前の由来を知った先生が「読んでみたい」と母から本を借りてくれた。先生が興味を持ってくれたのは嬉しく、誇らしかった。
先生に本を手渡してから何度かもう読んだのか確認した。
しばらくたってから本を返してくれる時に、先生が話す主人公はまったくもって私じゃないことに気がついた。
そりゃそうだ…!!
私と本のなかの女の子は違う。でも母はこんな子になって欲しいと思ってつけたように話してくれた。その期待に添えてるんだろうか…知るのがこわい。
先生が返してくれた本は、わざわざ扉がある方の本棚にしまって1度も読んでない。自分が母になった今の今まで。
子どもの名前は由来とか考えずに、可愛いと思う響きに格好いいと思う漢字でつけた。なんなら偶然『花』と『風』が入っていたので、末っ子には『月』がつく名前をつけた。けっこー適当で直感的。でもとっても気に入ってる。名前は親からの最初のプレゼントとか言うけれど、軽くて本人が自分でどこまでも自由に走ってってくれるようなそんなものをあげたかった。もし由来をきかれたら、そんな話をしてあげられたらいいな。