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なぜポメラを開かなくなったのかの話をしよう

ポメラという製品をご存知だろうか?キングジムが発売している携帯メモ機である。インターネットにも繋げず、ただひたすらに文字を打つために開発された機械であり、書くことに集中したい一定の層から熱烈な支持を受けている製品でもある。

書くことに集中するための機能そのものは備わっており、執筆画面のアレンジや、メモの管理をある程度こなすことができ、パソコンやスマホにもそのメモを送ることができるという点で、現代に即したニッチなアイテムと言えるだろう。

悩みながらも以前一度購入し毎日のように使っていたことがあるのだが、その後半年余りで使わなくなってしまった。今回はそのことについて記事をまとめてみようと思う。


〇〇のためだけの機械とはどのような場合に活きるのか?

世の中にはニッチ向け商品が多数存在する。多くの人々が触れるものの最たるものが電子辞書であろう。キーボードはついているのに、メモを取ることもできず、ただ電子辞書を使うためのものでしかない。しかも英語用の配列になっているので、他の言語の辞書を引くときには意外と使いづらいという問題点もある。

ただ私はずっと電子辞書を使い続けている。これは、辞書を引く、という行為そのものには他の媒体との連関を検討する必要がないためである。つまり、何かに特化した機械というものは、それ自体で完結している必要があるのである。

しかしながら、Pomeraについて言えば、メモを書くとか原稿を書く、という行為はその機械そのものでは完結しない。たとえば、原稿を書くためには資料が必要である。メモを書く場合にも、自分の思考を書き留める以外の場合には大抵なんらかの参照先があるのである。しかしながらPomeraはこれを許容しない。

PKMと呼ばれるようなツールを使用しながらさ日常の執筆を進めていきたいと考えているため、この点において、執筆については専用デバイスは不要なのである。

キーボードが辛い

私はそれなりにガジェットが好きである。ガジェットが好きな人間は大抵キーボードにも拘り始めるものである。キーボードが好きな人間にとってPomeraのそれは辛すぎる。執筆作業がもはや苦になってくる。

キーボードというものは、昔は人々が良い万年筆を買っていたのと同様、執筆を促進するデバイスでなければならない。かくいう私もキーボードを押すのが楽しくてnoteを書いているようなところもある。

しかしながらPomeraはその携帯性を特徴としているため、キーボードにさして重要性が置かれていない。その結果として、押していて辛いデバイスになってしまっているのである。

キーボードにこだわるということは、それなりに筐体に厚みが出てしまい、幅も広くせざるを得ず難しくなるところだとは思うが、どうしても人間にとって、書くという行為に対するフィジカルな気持ちよさは譲れないものであり、私はPomeraを開かない人になってしまったのである。

おわりに

そんなことを書いてもなお、ポメラが素晴らしい製品であることには変わりないのである。


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