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【イラストで星空話】 空に輝く宝石、惑星、ふたご座流星群。12月の星空のお話

都会でも明るい星が見つけやすい季節。
華やかな冬の星座を空に見つけると、
季節の巡りを感じます。
いつもは絵を更新していますが今日は、初めて記事を書いてみることにしました(ドキドキ…)。

近年はプライベートの生活環境が代わり星空案内人として観望会も参加できなくなってしまいましたが冬の星座が輝き、毎日絵を描いていると星を楽しむ方法を何かしらの形でまとめたくなりました。

読んだら少し星を見てみたくなるような、肩の力を抜いた手軽なお話を不定期に、イラストと共にお伝えできればと思います。


この季節の代表格。冬の大三角

まずは王道の冬の星のお話。
この時期を代表するアステリズム、それは冬の大三角です。

✴︎アステリズムとは:いくつかの星や天体を繋ぎ合わせて呼び名をつけたもの。
星座とはまた別で、特徴的な形から星を見つけやすく名付けられたり、古くから親しみを持って呼ばれてきた名前などがあります。

おおいぬ座のシリウス、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン。
すべて一等星なので3つ繋げた大きな三角形は見つけやすいです。

冬の大三角

古代は夏の暑い時期に注目されていたシリウス

全天には一等星が21個あります。
その中でもダントツに明るいのがシリウス。ギリシア語で「焼き焦がすもの」という意味からついた名前です。

夜明けのシリウス

その明るい輝きは古代エジプトでも夏にナイル川の氾濫時期を予測する暦の役割としても利用されていたそうです。
英語で熱い夏の日を「Dog Days(ドッグ・デイズ)」と呼びますが、夏の夜明け前に地平線に輝き始めるおおいぬ座の一番星と重ねてついた言葉とも言われています。

一等星が2つある豪華な星座オリオン

全88星座のうち一等星を2つ持っているのは オリオン座、みなみじゅうじ座、ケンタウルス座だけです。
暗い星だけの星座もたくさんある中、オリオン座は2つの一等星とその特徴的な星の並びで都会の空でも見つけやすく冬の空を華やかにしてくれる星座です。

オリオン座

オリオンのベルト部分に輝く三つ星、その下部分にあるオリオン大星雲。
年老いた恒星でいつ爆発してもおかしくないと言われているベテルギウス。
一つの星座でもワクワクする要素がたくさんで人気があるのも頷けます。

空に大きく輝く。冬のダイヤモンド


冬の大三角を起点に、さらに視野を広げてみてみると、他にも明るい一等星たちが輝いています。
オリオン座の右足に輝く一等星リゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンの他に
ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバランをつなげると夜空に大きな六角形が描けます。

冬のダイヤモンド

その形を宝石に見立てて「冬のダイヤモンド」と呼ばれるアステリズムがあります。空に輝くダイヤ…名付けた方、ロマンチックです。
ちなみに英語圏では「The Great Winter Hexagon(冬の大六角形)」という呼び名が主流のよう。

カラフルなダイヤモンド

恒星はその表面温度によって色も違います。
赤 〜 オレンジ 〜 黄色 〜 白 〜 青 の順に温度が高くなっていき、青っぽい恒星に至っては10000度を超えます。

カラフルな星

冬のダイヤモンドではリゲルやシリウスは青白く、アルデバランやベテルギウスは赤く、中間のカペラは黄色っぽく見えます。
星の輝きを眺めている中、そんな違いを見比べながらじっくり眺めてみると楽しいです。

この時期の見つけ方

実はこれらのアステリズムは年明けが見頃の本番。12月の今の時期は夜22時頃には南東の空に上がってくるので見やすいです。
スマホのコンパスや方位磁石があれば方角を確かめてみるのが良いかと思います。

12月6日 22時の空
  • 南東の方角に輝くシリウスが目に入ります。
    またはオリオンの三つ星が見つかります。
    三つ星の左上には赤っぽいベテルギウス。

  • シリウスから東の方向に目を向けると
    こいぬ座のプロキオン。大三角の完成です。

  • さらにプロキオンから斜め左上に目を向けると
    ふたご座の頭部分の二つの星の並び。

  • 二つの星をなぞって天頂近くまで見上げると、
    ぎょしゃ座の五角形の星の並び。
    明るい一等星がカペラです。

  • そこからまた南東方面に少し下りながら
    赤〜オレンジっぽいおうし座のアルデバラン。
    冬のダイヤモンドの完成です。

今の時期は惑星も明るく輝く

ダイヤモンド近くの木星と火星

ダイヤモンドの近くには、とても明るく輝く惑星たちも集合しています。
おうし座アルデバランの左側には木星が、こいぬ座プロキオンとふたご座ポルックスの間には火星が輝いているので、少しダイヤモンド本来の形よりも目立って見えそうです。
逆に惑星を頼りに他の恒星の位置も見つけやすいのでこの時期限定の惑星付きダイヤモンド?を楽しむ気持ちでみてみるのもありかもです。

ふたご座流星群が見頃

ふたご座

冬のダイヤモンドの星座繋がりで起こる天体イベントとしては来週12月14日に極大を迎えるふたご座流星群があります。
三大流星群と言われるうちの一つですが今年は満月直前の明るいお月様がおうし座のあたりに来るため観測条件は良いとは言えなそうです。
それでも冬の大三角、ダイヤモンド、惑星、月、流れ星。晴れたらこんなに豪華な星空を一度に楽しめちゃうかも。


12月13日 21時の空(流れ星はイメージ)

流星群極大(星が流れるピークの時間)は14日午前なので、今年の観測は13日金曜日の夜が良さそうです。流れ星の観測方法としては、ふたご座あたりが放射点ですが全天にぼんやりと目を向けて眺めるのがおすすめです。
月が明るすぎるなら手で少し隠しながら。

✴︎放射点とは:流れ星がある一点から放射状に飛び出してくるように見える一点のことです。その点がふたご座方面にあることからふたご座流星群、と呼びます。

今年は例年に比べて暖かい感じがしますが、
夜長いこと外でじっとしていると本当に寒いので私は毎年タイツ靴下重ねばき、ホッカイロにヒートテック、顔以外の肌を防寒具で覆い、アツアツのお茶かホットワインを持参して観ています(笑)

これでもかというほどの防寒具を

最後に

最初の記事、長くなりました。
ここまで読み進めていただいた方、ありがとうございます。
星はあまり興味がなかったという方も、普段から大好きですという方も、今夜の空を見上げてみようかなという気持ちになっていただければ嬉しいです。

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