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まほろばVol.3「技能実習生と共に歩む」

2021年取材記録

2021年1月から連載が始まった信濃毎日新聞の「五色(いつついろ)のメビウス」。取材班に連絡を取り、紙面に取り上げられていた人たちとつないでもらった。個人研究の一環で取材した。

一次・二次産業は人手不足が進み、外国人労働者がいなければ成り立たないという声を多く聞いた。当時のニュースでは賃金の未払いやそれによる外国人労働者の失踪が問題として取り上げられ、労働環境が悪いイメージを持っていた。その一方で、話を聞いた雇用主側は試行錯誤を繰り返し良好な関係を築こうと努力をする姿があった。

社長と技能実習生 関係性の構築

2021年3月、長野県にある鉄工所に取材をした。

2014年~2017年に同社で受け入れた1人の技能実習生のアフマドさん。社長はアフマドさんの真面目で丁寧な仕事をする姿に感銘を受けた。母国に帰ったものの、戻ってきてほしいと声をかけた。

アフマドさんは特定技能として再来日し、同じ会社に勤務をする。社長は「誰よりも一生懸命」と仕事に向き合う様子に感心する日々。今後、新しい実習生を受け入れることを視野に入れ、「彼にリーダーになってもらい、新しいことに挑戦してもらいたい」と話した。「一生懸命に仕事に向き合ってくれる分、感謝の気持ちを示したい」とした。


2021年取材時のアフマドさんの様子

農業のこれから

大規模農家が多いK村。当時、K村における技能実習生への不当な扱いは何度もテレビや新聞に取り上げられていた。

取材したレタス農家は、当時中国、カンボジア、ベトナム、チリ、スリランカの5か国から来日した技能実習生を受け入れていた。社長は「外国人労働者はこれからの必要不可欠な存在」と話した。高齢化によって田畑を手放す人が増えると推測し、「外国人材とその田畑で大規模な農業をするようになるのでは」と今後の新しいかたちの農業について言及した。

取材後記

他にも多くの人に取材をした。刺激を受けることばかりだった。一人一人に物語が存在していることを実感する機会になった。それに寄り添おうとすることは小さな一歩だが大事にしたい。


信濃毎日新聞社「五色のメビウスー「外国人」とともにはたらき ともにいきる」

(西澤あかり)

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