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ブイクックモールからブイクックスーパーONLINE!にzip(zoom in pivot)した話

こんにちは!ヴィーガンスタートアップ🥕ブイクックで働くyuhaです。

普段はヴィーガン商品専門通販サイト「ブイクックモール」を運営しているのですが、実はつい先日、軽くzoom in pivotをし、ヴィーガン商品専門ネットスーパー「ブイクックスーパーONLINE!」を3日間限定でリリースしたので、その記録を残しておこうと思います。
「起業の科学」で言うところの課題の特定〜MVPリリースまでをしたので、具体例のひとつとして参考になれば嬉しいです。

※この内容は音声でも聴くことができます。お好きな方でお楽しみください。


課題の発見(CPF)

2021年10月にリリースした、ヴィーガン商品専門のモール型通販サイト「ブイクックモール」
まずは4ヶ月運用し、出店者管理画面を作成したり、商品数を1000以上揃えて業界最大級にしたりと、細かいアップデートを繰り返しながら様子をみていました。

そしてこの4月から、より注力する特定のユースケースを3つ発見して、尖らせたUX改善を施して7月以降に運用していこう、と計画していました。

仮説構築

まずは仮説を立てるために、3月までにブイクックモールを利用してくださったユーザーの動きを見に行きました。

まずは今までの購入履歴を見に行き、プロフィールと購入商品を見て、どんな属性の人がどんな目的で利用してくださったのか、それぞれの人に対して仮説を立てました。
全部立ててみるとある程度似たようなユースケースの人が出てくるので、グルーピングして、それぞれ数名にヒアリングさせていただきました。

作成したリスト(全て仮名です。)

この時、知りたかったことはざっくり下記5つ。
・プロフィール
・ブイクックモールでのお買い物の目的
・日常の食品系のお買い物をどうしているか
・課題仮説の検証
・解決策仮説の検証

この時はまだなんにも知らない状態なので、ペルソナを立ててリーンキャンバスを書くために、ざっくり概要を知ることが一番の目的。
一般ユーザーの方に何度もお時間をいただけるわけではないので、1回のヒアリングでなるべく色んなことを検証したく、軽く解決策もあてて反応を見れるように「課題仮説」「解決策仮説」も用意しておきました。

この時点で8ユースケース、各4名くらいサンプルになりそうな方を挙げ、複数ユースケースに該当しそうな方もいたので合計15名ほどにヒアリングしに行きました。

グルーピング後

ヒアリング終了後、リーンキャンバスをアップデート。
ユースケース候補3つに絞り込んでいきました。

ここから絞り込みっ

絞り込みのプロセスはこんな感じ。
・聞いた感じ課題が深そうなもの
・NetflixのDHMモデルに当てはめてプロダクト戦略として優先度づけ
・優先度つけたプロダクト戦略をホールプロダクトの段階に当てはめて整理
yamottyさんのpodcastも面白かったよ! 

出典:https://280group.com/product-management-blog/whole-product-concept-a-quick-guide-for-the-expert-pm/

絞りこんだ3つのユースケースのリーンキャンバスをさらにアップデートし、「ターゲット・課題・価値要素・解決策」を明確にしていきました。

手書き文字がきったないのは見逃してください

と、いくつかのユースケースに対する解決策を考えているうちに、おおまかな課題は同じであることが判明。

ブイクックモールの存在で、ヴィーガン商品が各社サイトでばらけているから情報を知ることができず、購入できないという課題は解決できた(はず)なのですが、その次にまた深い課題がありました。
結局商品の発送元がばらばらなので、送料が各社に対して発生してしまい、複数商品を買いたいのに送料が高くて諦めざるをえないことです。

いくつかのユースケース・ターゲットの課題を深ぼっていくと、結局この課題に行き着くことが多くありました。
小手先で「詰め合わせBOX」や「特集でまとめて配送」などの解決策を出しましたが、解決したい課題は同じなのに、ユースケースごとに機能レベルで小さく解決策を分けていることが気持ち悪くて、元になっている深い課題を解決しないといけないのでは……?
という結論を出しました。これにより事業計画が変わることになったり。

解決策の決定

そこで、今回解決したい課題は「いろんなヴィーガン商品を試したいのに、送料がブランドごとに別々にかかり、高くて買えない」ことに決定。
対して提供したい価値は「送料一括で複数ブランドから買い物できる」こと。

ここで、この課題にあたりそうなターゲットを新たに3パターン出し、それぞれのリーンキャンバスを書き、さらにヒアリングさせていただきました。
この時検証したかった項目は下記の3つ。
・課題仮説
・解決策仮説
・今までの代替行動の際の、商品の選び方・基準

今回は3タイプ出しました!

ヒアリングを元に、一番課題が深そうな方が見つかったので、その方をターゲットに決定。
その方がやっていた代替手段や、これまでのPOPUP (ブイクックスーパー)での検証結果を踏まえ、解決策は「複数ブランドの商品を送料一括で買える、ヴィーガン商品専門ネットスーパー」に決定しました。

整理するとこんな感じ。
ターゲット:家族が気に入るヴィーガン商品を見つけたい、共働きの妻
課題:家族が気に入るヴィーガン商品を見つけるために、いろんなブランドのヴィーガン商品を試したいが、送料が課題で買えていない。
価値:複数ブランドの商品を、送料なるべく低く購入できる
解決策:「複数ブランドの商品を送料一括で買える、ヴィーガン商品専門ネットスーパー」

解決策の検証(PSF)

次に検証したいことは、解決策を提供する形とコンテンツ。
まずは他社を参考に、ありえそうなフィーチャー(機能)を書き出し、もりもりのプロダクトをfigmaで作成してみます。
この時、並べる商品(=コンテンツ)も同時に検証したかったので、実際に開催するとしたら並べたい商品もピックアップして埋め込み。

他社を並べてみて….
フィーチャーを書き出し
当初の機能もりもりプロトタイプはこちら

プロトタイプを作る目的は、検証相手になるべく具体的にイメージをしてもらい、具体的なフィードバックをもらうこと。
実際に提供する形に近づければ近づけるほど良いと思っています。
機能&中身違いで複数パターン作成し、いざヒアリングへ!
(UIデザイナーじゃないけど、この段階で誰かと連携するの苦手すぎ&スピード感重視&転がりながら進めていた状態すぎて、UIは全部自分で作成しました。)

今回検証したかったことは下記3つ。
・価値&解決策の検証
・MVP作成にあたり、フィーチャーの優先度をつける
・並んでいたら嬉しい商品

この時一番のターゲットにヒアリングすることが時間が合わず難しかったので、サブターゲットの方数名にお時間いただきヒアリングしました。
そこでつけた重要度がこちら。
重要度と、マスト機能を決定しました。
マスト機能は、スコープ的にその機能の実装が間に合わなければリリース日を後ろ倒すと判断するもの。価値を届けるために絶対に必要な機能です。

こじつけながら優先度をつけたよ!

並べる商品は、ブイクックモールの商品群を参考に、ネットスーパーのターゲット用に少しアレンジして検討。
最終的に11店舗、70商品を取り揃えることにし、各社に協力依頼の連絡を始めました。

取り扱い商品を決めた時

ここまででだんだん要件が固まってきたので、ついにMVP準備に入っていきます。やっとだ……!!!!

MVP準備

ここまでくればあとはやるだけ。
まずは今回のMVPで検証したいことを策定し、リリース準備を進めていきます。

今までの検証で分かった下記の項目をまとめ、素人が作ったプロトタイプを元に本番用のデザインを作成していただきました。

この時メンバーに共有したのは下記の項目。
・ターゲット
・課題
・価値
・解決策
・MVPで検証したいこと
・MVPとしてのマスト機能
・優先度づけしたフィーチャーリスト
・MVPリリースまでのスケジュール

上記の項目を元にデザイナー大塚さんエンジニアカズさんとキックオフmtgをし、内容とスケジュールのすり合わせを行います。

この時、デザインdocを作成したらよかったなあ、と思い、途中で導入しました。メンバーに何かを依頼する時、デザインdoc、作るべし!

さらに実装を進めていく途中で、実装工数と照らし合わせながら改めてリリース時点のスコープ決めを行いました。

そして完成した本番UI

MVP検証

さて、やっとここまできました、、、
準備していたMVPも、7月22-24日の3日間限定でのリリースが決定!

ついにリリース!

今回のMVPで検証したいことは、下記2つでした。
・解決策として合っていそうか
・話題の商品があることが購入きっかけになるか

リリース前に、どうなったら解決策として合っていそうかの検証基準を作っておきました。
もともとブイクックモールの方で海賊指標(AARRR)を明確にしており、そこでも「送料確認画面での離脱」が対処したい課題として上がっていました。

今回のMVPのターゲットは、「ブイクックモールに登録したことがあるけど、送料が課題で諦めてしまった人」も対象です。
そこで、検証基準は「送料確認画面での離脱率の半減」に決定しました。

検証基準とは別に、今回は、購入者の人数を目標として設定。
人数の部分は、いままでブイクックモールで開催した特集での実績と、今後PMFまでの流れを考えた時に今抑えておきたい最低限の人数、という基準です。

検証結果

無事、離脱率も購入者も達成することができました🎉

開催時の反応や購入者の動きから新たな発見も多く、世に出して検証することのインパクトの大きさを実感できました。
ご購入いただきました皆様、ありがとうございました!!!!!

たくさんのお声をいただきました!

前日の予告時の反応から、急遽押し出すコピーを変更して各種デザインを作り直したり、
開催中のお問い合わせ多発した問題に対し、すぐに対処法を検討&実装したいり、とばたばたな3日間でしたが、開催中も改善サイクルを回せてとてもよかったです。

ぱんぱんの業務用冷凍庫。買い足しました。

MVP検証の1回目を終えて、発送の体制を整えつつ、今後のPMFに向けてのシナリオを考え中です。
この「ブイクックモールONLINE!」を起点に、「送料を理由にヴィーガン商品を諦めなくていい未来」を作っていきたいと思っています。
全体最適な物流システムが主な今の世界で、ヴィーガン最適な物流システムをブイクックが先頭に立って作り上げていけるよう、構想を練っています。

ヴィーガンの課題に向き合い、まるっと解決できるプロダクト作りをしたい方、ぜひお力をお貸しください!
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ちょっとボリューミーになってしまいましたが、この記事が何かのお役に立つと嬉しいです!それでは!

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