火遊
どうせ終わる恋なのに人間は何をそんなに望むのか。他人からの愛なんか、ロウソクと同じ。
例えその火を私がつけたとしても、いずれは消えてなくなる。溶けて変形したロウソクだけが残る。私が火をつけたせいで、そのロウソクは元には戻らない。予期せぬ風がその炎を襲ったり、炎に見とれていた自分の吐息で消えてしまったり。たとえ最後までその火を見ていたとしても、その火は自分からスっと消えていく。
残像だけが残る。
目を閉じても開いても、目に映る色に反比例して強く残る。 ただただ儚い。
もしかして私たちはその儚さに恋をしているのではないか、とさえ思う。
だから、他人を愛することに期待したくない。
運命には逆らえない。
もしそうするなら、いつか消えることを覚悟して、そうしなければならない。
そう考えると、やはり恋は火遊びのようなものだ。永遠に燃える炎なんて無い。