中国経典故事絵本翻訳(1)【九色鹿1】
中国語に興味が湧いたので、AliExpressで40冊ほどピンイン表記のある中国故事の絵本を購入しました。ホッチキス留めの薄い本なのでとても安価。
もちろん翻訳はついていないので、文節ごとにGoogle翻訳アプリで翻訳し(スマホで手書き入力できるのめっちゃ便利)、それをなるべく自然な日本語に直すという遊びを始めました。多少文法などが間違ってるかもしれませんが、そこはご愛嬌で😆
九色鹿
昔々、九色の毛皮の鹿がいました。頭には雪のように真っ白な角があります。
鹿はとても静かな場所に流れる澄んだ川のほとりにやってきて、いつも水を飲んだり草を食べたりしていました。
心優しい鹿にはとても仲の良い友達がいます。言葉を話すことができる白い鳥です。
ある日のことです。
鹿は川から突然、木のようなものが流れてくるのを見ました。その上に何か黒いものが見えます。白い鳥は様子を伺いながら言いました。
「人が川に落ちたんだ。木につかまってる」
鹿は居ても立ってもいられず、川に飛び込みました。そして溺れている男を自分の背に乗せて必死に泳ぎ続けました。鹿がやっとの思いで岸にたどり着いた時、川に落ちた男はあまりの恐怖に気を失っていました。
人を乗せて川を泳ぎ切った鹿はとても疲れていましたが、力を振り絞って山へと向かいました。そして霊芝をひとつ咥えて戻ると、それを噛んで薬にして男に少しずつ飲ませました。
すると男はゆっくりと目を覚ましました。
男は地面にひざまずき、両手をついて深く頭を下げました。
「あなたは私の命を救ってくれました。このご恩は必ずお返しいたします」
鹿は首を横に振って言いました。
「私は見返りが欲しくて助けたわけではありません。さあ、家へお帰りなさい。でも、ただひとつだけお願いがあります。私がここに住んでいることを誰にも言わないでほしいのです」
白い鳥は、男のために木に実った果実をたくさん取ってきました。 男はそれを食べ、もう一度丁寧にお礼を言いました。そして深々と頭を下げると名残惜しそうに家へ帰って行きました。
この国の王妃はある夜、夢を見ました。鹿の夢でした。
その毛皮は九色で、角は雪のように白い鹿です。 目を覚ました王妃は王に言いました。
「私は病にかかりました。治すためには、あの美しい九色の鹿の皮で作った敷き物が必要なのです。もしそれが叶わなければ、私は死んでしまうでしょう」
王は国中におふれを出しました。
『九色の鹿を見つけた者には、誰でも国の半分を与える』
そのおふれを見て大急ぎで王宮に駆けつけた者がいました。
鹿に助けられたあの男です。男は言いました。
「私は九色の鹿の居場所を知っております」
中国経典故事絵本翻訳【九色鹿2】につづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?