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釧路を3時間ほど散歩しました

先日、流氷を見るために網走に訪れたのですが、その帰路の途中、飛行機の待ち時間が3時間ほどあったので、立ち寄った釧路市内をぶらぶら散歩してきました。

本当は釧路湿原に訪れてタンチョウを観察しにいっても良かったのですが、冬の北海道で車を運転するのは雪に慣れない軟弱な東京都民にとってはリスクが高いので、市内をそぞろ歩くにとどめました。

釧路駅の様子。ホームも多く大きな駅なんですが、止まる列車は一両編成のものが多く、なんとも言えないローカル感が伝わってきます。私も網走から1両編成の釧網本線で釧路まで訪れました。
一面の雪景色ですが、それでも網走とかに比べると雪がかなり少なく感じます。そのこともあってか立派なビル施設も目立ち、釧路は大きな街、少なくとも網走と比べると見た目は大都会、という印象を受けます。

まず最初に、駅から目に入ったハロンズ釧路に訪れました。JRAや地方競馬、ばんえい競馬等の馬券が購入できる施設。
建物の外に人影がなく営業しているのかかなり不安でしたが、中にはそれなりに人がいました。おじいさんだらけでしたが、若い人もそれなりに居て一定の需要はありそうな感じでした。

ハロンズのビルには「釧路日劇」と看板にありますが、このビルは昔は映画館が入っていたビルのようで、そちらが撤退後に居抜き?で場外馬券売り場が運営されている、ということのようです。この近辺は昔は映画館が立ち並び、市の娯楽の中心だった、ということもあったのでしょうか。
今はその面影はおぼろげになり、釧路の映画館は駅北部に位置するイオンシネマのみが現存しているようです。多くの地方都市でよく見かける風景ですね。

泉屋

釧路の代表的なグルメとしてすぐに思いつくのは、和商市場の勝手丼と、泉屋のスパカツ。この日は日曜日で和商市場が開いていなかったので、否が応でも泉屋に訪問です。
釧路駅周辺は基本的に人を見かけるのが稀ですが、泉屋の中は大賑わいで、14時ころに訪れたにも関わらず席待ちの行列ができてました。

スパカツ

スパカツは、熱々の鉄板プレートの上にミートソースのパスタが乗っていて、さらに大量のとんかつがトッピングされている代物です。寒い釧路ではこの熱々のパスタが全身を温めてくれ、度を越したハイカロリーな糖質が全身に脂肪を蓄えてくれます。まあでも美味しいは正義。私も最近少食だったのですがぺろりと平らげてしまいました。

私は10年ほど前に短期集中的に何度か釧路に訪れていたのですが、その時にももちろんスパカツをいただいてました。長い歴史を経て、一切変らない見た目と味。

10年ほど前に食べたスパカツ

周りの釧路市民と思われる方々も概ねスパカツを注文しており、地元の人に長く愛されている料理なんだなと嬉しくなります。

泉屋を出て、幣舞橋方面に歩いていくと、なぞのモニュメントがそこかしこに。美川憲一に、水森かおり。この地にちなんだ歌を歌っているようで、モニュメントに近づくと大音量で歌が鳴り響きます。

美川憲一「釧路の夜」
水森かおり「釧路湿原」
よく地方都市で見かける既視感あるモニュメント
幣舞橋

幣舞橋を超えたあたりに、石川啄木にちなんだ施設「港文館」があるので訪れてみました。
石川啄木は一つどころにとどまらず職を転々としていますが、釧路にも釧路新聞の社員として数ヶ月(76日間)滞在をしていたようです。

さいはての 駅に下り立ち
雪あかり
さびしき町に 歩み入りにき
港文館

港文館は、当時の釧路新聞本社を再現した記念館ということです。中には石川啄木ゆかりの展示の数々がありました。
当時の貴重な新聞や写真の展示など、なかなか興味深いものが多かった印象です。
啄木の釧路滞在はそこまで長くはないですが、彼の代表的なクズエピソードのきっかけとなった芸妓「小奴」と出会ったのは、ここ釧路だったようです。ゲスいので写真は撮らなかったのですが「啄木と女性」みたいな展示もあり、詳しくそのいきさつ等も書かれていました。

館内には、昔の人がまとめたミニコミ誌みたいなものが参考展示で置いてあり、石川啄木に対する研究や、釧路で作られた詩歌の一覧集、(1980年代くらいの?)釧路の地図とともに石川啄木ゆかりの場所を紹介する冊子などが置かれていました。これを読むのが楽しくて、居心地もよかったので、港文館には1時間くらい滞在させていただきました。

港文館は、落ち着いた佇まいで、手作り感のぬくもりも感じられ、とても良い場所だったと思います。北海道の各都市の人はなぜここまで啄木を愛するのかちょっと私には測りかねますが、とても啄木への愛着を感じさせる良い雰囲気の場所でした。
港文館は入場料は無料。僕もそれに甘えてなんのお金を落とすこともなく満喫してしまいました。すみません。

時間も頃合いになったので、人がほとんどおらず廃墟のような感じだったフィッシャーマンズワーフをかすめて、釧路駅まで歩いて向かいました。

釧路は霧の街、そして夕日の街、ということで、夕暮れ時の釧路はなかなか東京では目にしないような独特な色合いの日暮れを迎えます。

幣舞橋から
釧路駅近く

そんな釧路の風情を残り香に、空港に向かい、東京へ戻りました。
わずか3時間の滞在でしたが、意外といろいろな事が楽しめたように思います。また近いうちに腰を据えて訪れたいです。

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