活字中毒
どうも、すっかりご無沙汰しています。
仕事が繁忙期で、書き込む前にエネルギーを消費していました。
今日は私の趣味のことを書こうと思います。
先日ネットでお仲間の書き込みを見つけて嬉しくなったことがあります。曰く、「歯磨きの時に歯みがき粉の裏の成分表を読む」、「国語の教科書は早々に読み終える」そうです。
皆さんはドレッシングやソース等の説明の文字を読むのって、好きじゃありませんか?
私は大好きです。フルーツグラノーラを食べながら、裏面の商品説明のところをまじまじと読んでしまう……なんて、日常茶飯事。一人でご飯を食べているなら、新聞やタブレットなどでとにかく文字を追いかけてしまいます。
そんな私みたいなタイプを指して、「活字中毒」と世間では呼ぶそうです。
思えば子どもの頃、学校で教科書や副読本を配られると、必ず国語の教科書と、道徳の副読本(※1)だけは持ち帰ったその日に読み終えたものでした。(難しい説明文などはその限りではありませんが……(苦笑))
当時は、文字を読むのが苦手な子以外は、皆そうしているだろうと思っていました。ですが、どうもそうではないらしいですね。
ネットの発達した現在になり、色んな人が気軽にそうした意見を交わしている様子を見て、やっと実感として分かってきました。
子どもの頃からとにかく本が好きで、治療が痛くて嫌いだった病院通いも、親から「頑張れたら、好きな本を買ってあげるから」と言われて何とか通っていたくらいでした。
自分にとって本当に幸運だったのは、文字の読み取りが苦痛なくできたことでしょう。だから、例え現実が楽しいことばかりではなくても、文字を通して様々なキャラクターに心を寄せ、現実から適度に距離をとることができました。それに、自分が現実では知りえない世界のことを知ることもできるのです。
ただ、最近ふと思ったことがおります。どうも私の気のせいでなければ、子どもの頃より本が読めなくなってきている気がするんです。年を取ったからだ、社会人になったからだ、体力が衰えてきたからだと世間の声に賛同しつつも、本当にそれだけなのかと内心では疑問でいっぱいでした。
その疑問の答えのようなものが見つかった瞬間がありました。
二週間前のことです。図書館通いの最中に本を物色していました。あちこち目移りして、規定の数より借りたくなってしまったため、適当に近くの椅子に腰を下ろしました。ここで読めるなら試しに少し読んでしまおうと、パラパラとめくり始めました。
ふと気がつくと、一冊の小説を読み終えていたのです。それも、短時間で。
何故だろう、と思ったのは一瞬でした。ああ、そうか、と何となく腑に落ちたのです。
読むのを妨げられることがないからです。
休日の図書館は、仕事の連絡も(ほぼ)来ないし、周りから呼び止められることもないし、自分の気を散らす余計なものもありません。目の前の本だけに思いきり集中できます。
なんてストレスフリーなんだ!!
私はすっかり感動してしまいました。
実は社会人になってから、本を借りる習慣こそ続いていたものの、借りた本を読みきらず、延長を続けることが日常のようになってしまっていて、悔しい思いをしていたのです。
そんなこんなで、昨日も図書館で本を二冊、読破してきました。
山口恵以子さんの『婚活食堂』と、秋吉理香子さんの『灼熱』です。
『婚活食堂』は、訳あり元占い師が直感から始めたおでん屋にまつわる、短編連作集みたいな感じです。人と人とが繋がり合い、心を通わせ合い、としていく姿にほっこりさせられます。2時間もかからず読めました。
秋吉さんは以前映画化した『暗黒女子』の作者です。その作品と、『放課後に使者は戻る』、『自殺記念日』を拝読してきましたが、この新作もとてもとても面白かったです……!
夫を喪った妻が、その死の真相を探るために疑惑の医師に近づくことにしました。偶然手に入れた他人の顔を使って。
この設定からして実に心をくすぐられるのですが、内容も非常に面白い展開をしていき、45分ほどで読み終えました。まさかそんなに早く読み終わるとは、とびっくりしています。
ここ最近、読む際の集中力が若い頃より鈍ってきたな~としょんぼりしていたのですが、工夫次第で昔のように読めることが分かり、読書の楽しみを思い出しました。
読書の秋とも言いますし、たくさんの本に触れていきたいなぁとしみじみ感じる今日この頃です!
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蛇足な余談ですが、本を読む機会が減ったのは、ネットで活字を追いかけられるようになってからだと思います。具体的に挙げるならTwitterや、小説サイトですね。根拠は特にありませんが、どこでも気軽に活字に触れられるから、活字への欲求をそこである程度発散できてしまっているような気がします。
中学の頃はインターネットの敷居が高く、中々利用する機会がもてませんでした。その頃の自分は活字触れたさにそれこそたくさんの本を読みました。宗田理さん、乙一さん、山田悠介さん、片山恭一さん、市川拓司さん、さだまさしさん、吉本(現よしもと)ばななさん、他にもたくさん。
まだまだ、生きている内に読みたい本がたくさんあるのだから、ネットとの関わり方をもう少し、考えないといけないように思います。
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※1 (昨年、学校教育上で教科とされるまでは、教科書のようなあの道徳の読み物は副読本と呼ばれていました)