【インタビュー】未経験の26歳女性が農業法人『ベジ・アビオ』の社長に就任!トマトへのこだわりを聞いてきました
広報の平田です!
今回は、いつもと趣を変えまして…。
先月トマト栽培をしている農業法人ベジ・アビオの新社長に就任した、山崎代表取締役のインタビューをお届けします!
山崎さんは、社長に就任して以来、新潟のローカルTV番組『まるどりっ!UP』(https://www.uxtv.jp/programs/marudori/)などのメディアでも話題!
2020年にベジ・アビオに入り、営業職等を経て、26歳の若さでスピード出世した山崎さん!
実は平田、以前〝フードメッセinにいがた2021〟で、山崎さんとお会いしたことがありました…。
新社長就任のニュースを見て、
「お祝いのご挨拶がてら、お話を聞きに行っちゃおう!」
ということで、今回のインタビューが実現!
今は、農家不足も深刻ですが、一方で「農業を始めたい!」「農業で独立したい!」なんて素敵な若い世代もいらっしゃるとか何とか…。なので、平田も興味深々!
若くして農業を始めたきっかけや、これまでの経緯など、いろいろお伺いしてきました!
会社の人事異動がきっかけ?!社長になった驚きの理由
平田:山崎さん、今回はお忙しい中、インタビューにご協力いただきまして、誠にありがとうございます!そして、新社長就任おめでとうございます!
山崎さん:ありがとうございます!
平田:早速なんですが、貴社について教えていただけますか。
山崎さん:はい!株式会社ベジ・アビオは農業法人で、2016年に設立したベンチャー企業になります。社員は3人、他にも栽培を手伝ってくれるスタッフが7人の、合計10名で運営しています。
平田:山崎さんがベジ・アビオ様に入られたきっかけは、なんだったんですか?
山崎さん:人事異動です!(キッパリ!)
平田:え?
山崎さん:実は私、農業未経験なんですよ(笑)。小さい頃から、経営者や社長になりたくて…。NSGグループの経営者養成コースから、今の会社に入社したんです。そこにトマトを作っている部署があって、その部署に異動したのが理由です(笑)。
※NSGグループとは…新潟県に拠点を置く、学校法人や医療法人などを運営するグループ企業。山崎さんはNSGグループの〝経営者養成コース〟という総合職で入社し、今に至る
平田:そんな経緯があったんですね!ちなみに、経営者や社長になりたいと思ったきっかけは?
山崎さん:祖父と父が鉄工所を営んでいたんですが、それを見て育ってきたからですね。特に祖父の考え方が、ものすごく合理的で、その影響があります。あとは、昔から生粋の目立ちたがり屋でした(笑)。
学生の時から、学級委員長や剣道部の部長、生徒会長もやってきました。経営者や社長みたいな、リーダー職が大好きなんです!
平田:凄い!サラブレッドですね(笑)そんな昔からの夢だった社長に就任されて、1ヶ月経ちました。環境や心境の変化はありますか?
山崎さん:当たり前ですが、社内はもちろん、社外でも〝社長〟と呼ばれるようになりました。呼ばれることで、責任感を持つようになりましたね。
あと、元々は営業マンだったんですが、今は経営者として、自分で決断することが多くなりました。
そうそう!マスコミなどの取材も増えましたね。これは目立ちたがりとしては、とてもありがたいです(笑)。
平田:さすが生粋の目立ちたがり屋(笑)
今日のインタビューも、アポ取ったら、すぐOKしてくれましたもんね。こちらもありがたいです。
糖度は一般的なトマトの約2倍!自慢の〝とマとマとマと〟
ちなみに、会社ではトマトを作っているということですが、どういうトマトなんですか?
山崎さん:はい!自社ブランドの高糖度トマト〝とマとマとマと〟です。
平田:あのトマト(〝とマとマとマと〟ってスッと言えない…。)、美味しいですよね!すごく甘味もあるんですが、口に入れた時の〝プチン〟ってなる食感が、ものすごく好きです!
山崎さん:ありがとうございます!うちの自慢の子です!
糖度は10度くらいですが、高くなると13度くらいにもなりますよ!
※一般的なトマトは3~5度、13度は苺くらいの甘さ!
平田:そんなにもなるんですか?! あの〝とマとマ〟(まだ〝とマとマとマと〟って言えない…。)を作り始めたきっかけを、教えてもらえますか?
山崎さん:よく言われている話ですが、最近、農業に関わる人が減ってきているんです…。ハウスはあるんですが、冬になると使われない、野菜を作る期間が短い、なんて話も…。そこで!「冬でもハウスを使って、何か作れないか?」という発想からスタートしました。
新潟の農業の状況を調べると、フルーツトマトの生産者が少なかったんです!そこで、「フルーツトマトを作ろう!市場に出回る量が少ない冬に、楽しんでもらえるものを作ろう!」と思いました。ちょっと単純ですが、そういう理由です(笑)!
平田:なるほど、そうだったんですね~。〝とマとマと〟(惜しいっ!)の味の特徴を教えてもらえますか?
山崎さん:糖度は先ほど話した通り、すごく甘いんですが、味の濃さも特徴なんですよ!トマト自体のサイズを小さくして、甘味と味がギュッと凝縮されたものを作っています。
あとは、一口食べると〝プチン〟と弾ける果汁も魅力ですね。噛めば噛むほど美味しくなって、口の中に甘い香りと味が広がります!
平田:(ヨダレがダダ漏れです…。)お話を聞いてるだけで、もう…。生産者から見て、どんな調理方法が合うトマトだと思いますか?
山崎さん:味が濃いので、まずはそのまま食べてもらいたいですね!
火を通すと、より味が濃くなるので、料理に使うのもオススメです。
パスタやピザはもちろん、和洋中なんでもいけますよ。豚の脂なんかとも相性がいいので、酢豚もオススメです!
平田:酢豚ですか!(さらにヨダレで溺れそうに…。)今度やってみます!
農業未経験でもOK!〝スマート農業〟とは?
平田:山崎さん自身、農業経験がないと先ほど伺いましたが、ベジ・アビオ様が取り組まれている〝スマート農業〟も、経験や勘に頼らない農業だそうですね。〝スマート農業〟についても、詳しく聞かせてもらえますか?
山崎さん:はい!簡単に言うと、新しい農業技術とITを使って行うのが〝スマート農業〟です。農業というと、経験者の勘など、長い時間をかけて集めてきた、属人的な知識で実現されると思いますよね?
それがITを使うことで、過去の記録をデジタルなデータとして蓄積できるんです!効果的な光の当て方や、ちょうど良い最適な温度、水分やCO2の量なんかも算出してくれて、コントロールすることができるんですよ。
また、医療で使われている、〝アイメックフィルム〟というものも使っています。それを使うことで、溶液を吸いづらくして、より糖度が高く、旨味が凝縮したトマトを作ることができるようになりました!
こんなに難しいことをペラペラしゃべってきましたが(笑)、実は、会社の創業者が研究者なんです。「わからないことには原因がある」「わかるまで追求する」なんて考え方をする方なんですよね。それが、今のベジ・アビオのアイデンティティみたいになってます!
〝スマート農業〟のおかげで、今では経験や勘がなくても、より美味しいものを育てることができるようになりました!
あと、今は生産者の高齢化や後継者不足などで、農業はいろいろな問題を抱えていますよね?でも、この方法なら、私のような未経験者でも生産ができます!若い新規就農者が増えて、人手不足も解決されるんです。
トマトで農業の未来を明るくしたい!
平田:お祖父さん譲りの、合理的な考え方ですね!今後メインブランドの〝とマとマとマと〟(言えたっ!)を広めていくにあたって、考えていることはありますか?
山崎さん:この子たちを新潟だけでなく、全国にどんどん広めていきたいですね!〝とマとマとマと〟の魅力は、一回食べてもらえれば、わかると思うんですが…。、今の状況なので、あまりイベントが出来ないのが残念で…。
とにかく、食べてもらうまで、どうアピールするかが重要だと考えています!なので、自分が率先して、SNSで発信しているんです。
生産背景のストーリーや、デザインの良さなんかも伝えて、「農業っていいな!」と思ってもらえたら、うれしいです。このトマトの帽子も、イベントで目立つようにと、自分で作りました!
※新潟のローカルTV番組『まるどりっ!UP』に出演した時のSNSの投稿
平田:その帽子、自作だったんですね!トマトへの想いが、帽子からも滲み出ていますね…。
おっと!あっという間にお時間になっちゃいました。最後にひと言お願いします!
山崎さん:現在、農業界では、原油高の影響で、原料費などが値上がりし続けています…。そうすれば、生産物も高くなってしまいます。
私の会社のトマトも、昨年泣く泣く販売価格をあげました…。元々、少し高めのトマトですが、高くても美味しいものなら売れると信じています!
東京のイベントでトマトを販売していると、「新潟でもトマト作ってるの?」と言われますが、実際に食べてもらうと「美味しい!」と言って買ってくれるんです!美味しいものを作れば、産地に関係なく、高くても売れるんだなと思いました。
これからも、「美味しいトマトを作る」ということに、こだわり続けます!
そして、全国に「新潟でも美味しいトマトが作れる!」ということを、広めていきたいと思います!
・・・
というわけで、今回は新社長就任が話題の、ベジ・アビオさんへお邪魔してきました。
山崎さん、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました!
この美味しい〝とマとマとマと〟を皆さんにも食べていただきたいです!
これから益々、甘みを増してくるそうです。
一番美味しい時に、ダーンディッシュプロジェクトのお店でも提供できるよう、現在待機中です!
その時が来たら、またお知らせしますね!!
〜最後に(少し真面目なお話)〜
原油高の話もありましたが、現在、世界中で危機的状況が続いていると言えます。でも、食はなくてはならないものです!次世代に伝えていくことも、重要だと思っています。山崎さんたちがやっていることを、少しでも多くの人に知ってもらい、農業に関わる人・食に関わる人が増えてくれることを願っています!!
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