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南魚沼の知る人ぞ知る名物 山家漬け。200年以上作り続ける『今成漬物店』を訪問。
広報の平田です!
今回は『海鮮居酒屋 魚魯こ』の小柳店長と『練馬鳥長・新潟』の尾形店長に同行した、食材めぐり第3弾。
※食材めぐり第1弾の記事はこちら
※食材めぐり第2弾の記事はこちら
今回向かった先は、南魚沼市。六日町商店街の一角にある『今成漬物店』にお邪魔しました。
今成漬物店は南魚沼市の知る人ぞ知る名物山家漬け(やまがづけ)を作っています。
山家漬けは、芳醇な香りと甘味のある熟成された味わいを楽しめるお漬物です。
今回は山家漬けを作っている蔵を見学させていただきながら、100年以上続く山家漬けの美味しさの秘密をお聞きしました。
山家漬けはなぜ美味しいのか?独自のこだわりに理由があった。
山家漬けの材料は錦糸ウリ、胡瓜、ワラビ、越ウリ、茄子など魚沼の地野菜や山菜です。
錦糸ウリの漬物が特に有名。口の中で糸のようにほどけるシャキッとした食感が特徴。
漬物用の野菜はひとつひとつ手作業で皮を剥き、種をくりぬきます。
丁寧に処理された野菜を、まず生漬けと呼ばれる塩漬けにします。
山家漬けの特徴に、シャキシャキとした食感があります。
あの食感は塩漬けすることによって産まれるそう。
次に行われるのが中漬け。
生漬けで野菜に染み込んだ塩分を抜く作業です。
塩抜きは通常水で行いますが、ここでは贅沢にも酒粕を使います。
しかも、地元が誇る日本酒八海山の酒粕だそうです!
水を使うと塩分と一緒に味が抜けるのが理由とのこと。
最後に行われるのが本漬け。
塩分を抜いた野菜に酒粕の味を染み込ませ、熟成させる作業です。
この作業の後は、最低でも3ヶ月以上寝かせます。
そして、ようやく完成!
山家漬けは、このように全て手作業で手間暇かけられて作られます。
作業場にも山家漬けの美味しさの秘密が!宝と呼ばれる場所へ潜入。
山家漬けは、200年以上前に建てられた蔵の中で作られます。
蔵に入ると井戸水が汲み上げられていました。
透き通っていて、ひと目でキレイな水だとわかります。
さらに蔵の中へと足を進めて行くと、そこには木桶が。
今成さんは、この木桶と蔵そのものが今成漬物店の宝だと言います。
木桶や蔵に住み着く乳酸菌などの微生物が、山家漬けの味を醸し出してくれるそうです。
蔵と木桶で手間暇かけて作られる山家漬け。
そんな山家漬けは、昔からたくさんの人々に愛されてきました。
越後が生んだ文人 會津八一もその一人です。
會津八一は新潟市の古町通生まれ。大正から昭和にかけて活躍した歌人です。美術史家・書家としても知られています。
山家漬けの名づけの親は、會津八一だそうです。
今成漬物店の創業者である今成隼一郎と會津八一に交流があったのがきっかけとのこと。
包装紙の文字も八一が書いたものです。
山家漬けは口に含んでみると、意外とシャキシャキして歯ごたえがあります。
そして、酒粕で漬けているのに驚くほど上品でまろやかな味わい!
程よい甘みがあり、どこか懐かしさを感じさせてくれる味でした。
「粕漬けが苦手」という方がぺろりと平らげてしまう話も納得です。
『今成漬物店』の山家漬けは、創業当時からの変わらぬ作り方を守るため、生産量が少ないそうです。
販売しているのは今成漬物店や限られたお店のみ。
見かけた時はぜひ手に取ってみてください。
忘れられない味に出会えるはずです。
『今成漬物店』の山家漬けのように、新潟各地に存在する食材や料理はまだまだあります。
これからもその土地独自の食材をご紹介して行きます。