
丸の内OLにあこがれて
丸の内OLと言えば、Oggiとコラボしていたりファッション誌におけるあこがれ女子のポジションを不動のものとしている(と思う)。毎日のように髪の先から爪の先(ジェルコートは凶器になる)まで全身オシャレ装備に身を包み、守備力アップはハイブランドというとてつもないHPである。何をやっているかわからないため年収は不明なのだが、ランチ相場が1400円くらいのこの街で日々呪文のような外食メニューを食する。全国の小娘達から羨望のまなざしで見られている稀有な存在である。
残念ながら、これまでの私の社会人経験からはそんな聞いただけでくらくらするような女子の力なんてとてもじゃないけれどない。
そんな丸の内OLに遭遇できうまく奴らを擬態できたならば、アプリでドアップ爺さんからしかいいねされないこの日常を脱することができ、モテ街道まっしぐらなのではないかと思い立ち、丸の内にあるコワーキングスペースで1日働いてみることにしました。
とはいえ、女子力が底辺かつ消えそうな社畜力しか持ち合わせていない私にとっては丸の内OLに擬態することはとても難易度が高く、出がけに何回も着替えた挙句に最高気温が30度超えるって予報に合わせて適度にカジュアル性を残したユニクロTシャツにGUのパンツスタイルでハイブランドのバッグを携えることにしました(何がしたかったのか本気で迷った)。無駄なダメージを避けるためにラッシュアワーの満員電車はおろか、ヒールのある靴すらも回避して丸の内エリアに降り立った。
道中、いつ「お前は丸の内OLじゃない」とまわりのリーマンから刺されるのではないかとドキドキしながら出勤すると、行先はおろか道中にさえも期待した丸の内OLは生息していなかった。幻想だったのだろうか。
これではモテ師匠にモテを学ぶことなどできないではないか。
このように、人は一方的に期待して一方的に裏切られたと感じることがよくあるので慎重に行動するように念頭においておきたい。