松岡正剛さん千夜千冊「心とトラウマ」より
我々と我々をを取り巻く世界を、大鉈をふるって
世界1・世界2・世界3に分けたのはカール・ポパーだった。
世界は三つある。
世界1は物理的な世界
素粒子、水素、土星、海、すみれ、シダ、リンゴ、キツツキ、チンパンジー、胃腸が含まれる。
世界2はわれわれの心や意識の世界
歓喜、食欲、嫉妬、生きている実感、疲労、劣情、恋、嘔吐感、呆然、死の恐怖が含まれる。
世界3は世界2が生み出した所産のすべて、知識のすべてによって構成されている世界である。
すべての科学と技術、すべての記号と言語、人間を巡る大半の哲学と思想と文学と芸術が世界3をつくっている。バッハとゲーテもカミュもここにいる。
これらの内のどれかが虚偽だとか虚構だということはない。三つの世界はそれぞれちゃんと実在していて、それぞれ相互作用を起こしているはずだ。
ところがその相互作用のことをまだ誰も説明しきれていないままにある。
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