[再編集]新年はマスクのリスクの話から。
2020年、マスク品切れで思うこと。
新型コロナウイルスの拡がりと恐怖感によってマスクが不足している事態が多発しているのは誰でも認識していることですが、同時にマスクの長時間着用で体調を崩しているケースもちらほら見かけるようにました。
マスクをつけている状態は表情筋〜5つの筋群(他コラム参照)がわずかに過緊張している上に、あくびのような大きな動きができなくなるため過緊張症候群とも言えるような状態になりやすくなります。
そんな方が「なぜ頭が痛くなるのだろう?」「なぜマスクで疲れるのだろう?」・・・など調べていたらと思い、久々に編集して再掲しておきます。今では考えられないような内容も・・・
(以下、2019年1月の記事になります。)
マスクしている人、こんなにいた?
明らかに、ふえているような気がするマスク人口。
都市伝説「口裂け女」が流行っていたような頃はマスクして夜道を歩いていたら危ないヤツだと思われてたなどと聞きます。
それがいつしか、花粉症のせい?インフルエンザのせい?
マスクをして生活することが自然になってきたような気がしています。
データの上でも
マスクの売上は2000年以降どんどんと伸びており、商品も次々と増えているようです。目的も感染予防から、すっぴん隠し、花粉症などと用途も拡大。
変わった表現では伊達マスクというものが増えているようで。これは用途不明、なんとなく安心感があるから?マスクつけてることを言うそうです。
しかし、マスクは使い方によってはリスクを感じてしまいます。
マスクが作るTCH・うっ血症候群・口呼吸
実はマスクをしている時というのは
・顔を大きく動かせない
・力が入りっぱなしになる
・口呼吸になりやすい
という状態が続きます。
試しに、マスクをつけてアクビをしてみます。
…ズレます。なので、ほとんど大きな動きをしなくなります。
(関節ポンプ不足=うっ血)
(筋過緊張の未リセット→過緊張の亢進)
そして、マスクをつけた生活をして表情筋の動きに注目すると。
…ズレないように顔に力をいれています。
まるで、目が無意識にコンタクトレンズを調整するように、表情筋や咀嚼筋を過緊張にさせていることになります。特に側頭筋においては疲労が緊張型頭痛症状に移行していきます。
(過筋張の慢性化)
場合によっては、やや息苦しい時は口呼吸になっていることも。周囲から口ポカンが見えないので。つまり、過緊張による疲労的症状、易感染状態の2つを起こしている可能性はないでしょうか?
勝手に最悪なシナリオを作ってみる。
マスクにウイルスが付着、不適切使用※により内部へ。
→関節ポンプ不足のうっ血により鼻・口腔内粘膜は乾燥
(同時に長時間使用による緊張型頭痛などの疲労型症状の発症)
→口呼吸によりウイルス等が喉にダイレクトにイン
→乾燥による唾液の免疫作用低下
→うっ血により、免疫系の弱体化
→のどへの定着、感染
と、想像してみる。
そもそも一般的なマスクの網目に対してウイルスは相当小さいようなので根本的に効果も怪しい。
※マスクの不適切使用とは
・同じものを使い続けている→ウイルス、細菌つきっぱなし
・鼻を出すなど、正しく装着していない→効果なし
・必要のない場所でもつけている→マスクの方が汚染している可能性あり。
・マスクを手指で触る、人が触る場所に置く→さらに感染を拡げる。
…
感染対策はやはり
・絶対に粘膜に触れない。
・こまめに手指を洗浄・消毒する。
・人が触りそうな場所に触れない。
など当たり前のことを守るべきなのだと思います。
【提案】マスクの効果を引き出す使い方
①マスクの装着方などは正しく
②こまめに新しいものに替える
③時々外し、あごを動かし(あごリセット)でうっ血を解消する
④時々表情を大きく動かして筋張をリセットする
といったとこでしょうか。これからは感染症の季節であるし、ぜひ活用してもらえると嬉しいです。
マスク装着中の過筋緊張に気づくだけでも、使用意識が変わってくるはずですよ。
「新年はマスクから」初回 2019.Jan.9 最終更新2020.Mar.10
Text by 斉藤ヒロユキ
illustration by Moe Itoh(小児科専門医)