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建物の保存というのはままならないなあと
建物保存の理由
建物というのは目的があって建築され、用途に従って活用されていくものです。
建築主の意向に沿い、デザインを凝ったり計画に工夫を凝らしたり、伝えたいものの象徴性を持たせたりと、単なる『器』以上の付加価値が付くことも良くあります。
そしてそういった付加価値に人々の興味や象徴、利便性をみて、有名建築物として認知されてゆくものだと思います。
そして建物は年数がたつほど劣化しはじめ、維持しようとするとそれなりにコストがかかります。
ゆえに古くなってゆく建物を保存する理由がそれなりにないと、『残そう』とか『使い続けよう』とか『後世に伝えよう』とはならないものと考えます。
保存のためのしくみなど
国宝や重要文化財といった文化的な価値が認められると、ある程度保存してゆく目途が立てやすくなります。ただしこれ、防災対策にコストがかかり、火気使用なども結構制限されます。
また、保存を主眼に置くために元の用途での利用が出来なくなる事もあります(これはまあ、本来の用途が必要なくなった時も利用は無くなりますが)
他にも町並み保存による助成があったり、財団が設立されてその保存の一環として建築物があったりというケースもあります。
もちろん個人所有で自分たちの資金で維持してゆく事もありますね。
残念ながら消えてゆく建物の方が圧倒的に多い
後世に向けて『保存』される建物というのは、歴史的な価値や芸術的な価値を認められて残っているケースが殆どで、住宅系はそういった保存建物から外れてしまうと、ほぼ『保存』という枠からは外れます。
それらは昔の良さを残したリノベーションなどで、形や使われ方が変遷しながら使い続けるといったケースが多いかと思います。こういった場合は保存というよりは『利用』という範疇かなと。
言い方を変えると残すための『意義』がメインか、使い続けるための『魅力』を取るかが違いを生むように思います。
そのため役目と興味を失った建物は、早々に消えてゆくのが常です。
気分やお気持ちでは建物は残せない
昔は気に入った建物が徐々に失われていくのを寂しく思っていましたが、年を経るにつれて「ああこりゃ無理かあ……」と諦め気味に眺める事も増えました。
現実問題として、保存にはお金かかりますからね。場合によっては維持するための技術継承も含まれることもありますし、一筋縄ではいきません。
それだけに、気になる建物の保存が決まったニュースにほっとしますし、残すための努力を重ねた方々には頭が下がります。
本当に、みなさんありがとうございます……
datoko