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【感想文】世界が変わる「視点」の見つけ方~未踏領域のデザイン戦略~(佐藤可士和)ページ数:181ページ 2019年著

【なぜこの本を読もうと思ったのか?(自分の弱みや足りない点)】


 
 
・自社にデザイナーがおり、マネジメントの立場としてデザイナーの仕事をしっかり理解したい為
 
 
【なぜそう思ったのか?】
 
 
・ノベルティ販売会社においてデザイナーが内製化されているのは実は強みなのだが、顧客に強みをうまく訴求できていない事実があり、
この課題を解決したい為
 
・御用聞きの下請け業ではなく、上流工程である提案型への転換を図る為

【感想文の文字数】
1,403文字/1,440文字(A4 1枚以内)


【❶結論】
【様々なカテゴリーを「デザインと言う名のナイフ」で切り取った様なイメージ】


本書を読んで凄く安心した事は、
今までやってきた経営コンサルティングの発想と何ら変わらないと言う事だ。
 
正直な所、デザインという言葉だけで遠くの存在に感じていたのだが、
デザインは
 
着眼点×表現力=デザイン
 
と言う事がわかり、
これを経営に置き換えると
 
戦略×戦術=成果
 
とまったく一緒と言う発見があった。
 
 
着眼点とは対象物をどの様に切り取る
(デザインする)かと言う発想であり、
 
感情
価値観
パッケージ
期間
 
 
など、作り手の切取り方によってアウトプットは大きく変わる。
 
 
美術館に並ぶ様々な作品も、
ある視点から切り取って''絵''として表現したものと言える。
 
 
この事から、デザインの出発点は着眼点であると言える。
何に注意を払ったかによってデザインの方向性が決まる。
対象物は変わっていないのに着眼点が違うとデザインは変わる。
 
 
例)スキンケア化粧品
着眼点➤毎日使う行為
表現力➤毎日行う行為だから、面倒な手間を省く➤ワンプッシュボトルとしてデザイン
 
 
ビジネスの下流にいる場合は、
着眼点が決まった後の限定された技術面でしか
関われず、利益率に苦しむ事が多い。
 
 
上流工程に行く為の着眼点を会社単位で仕組み化し、
その強みを顧客に訴求していく事が先決と認識した。


【❷要約】


本書はクリエイティブディレクターである著者が慶應SFCにおいて、
学生に対して毎年行っているゼミ内容をそのまま本にした内容になっている。
 
 
「未踏領域」と言う抽象的なテーマを用いて、
「防災」など毎年異なるテーマをデザインするチーム編成を行う。

限られた期間でまったく知らない人間同士で
一つのアウトプットを出していく事で、
過程で起きるリーダーシップと
プロジェクトマネジメントの難しさを経験させる構成となっている。
 
 
アウトプットへの道筋を以下の3ステップで体系的に学ぶ仕組みとなっている。
 
 
①   課題➤問題を解決するテーマ選定
②   コンセプト➤考え方の方向性
③   ソリューション➤課題解決となる具体的なアイデア、実行プラン
 
 
著者はトータルコミュニケーションをデザインする事を重視している。
トータルコミュニケーションとは、分業によるぶつ切りのサービスではなく、

商品の価値を考え、その商品がユーザーの手に取って体感してもらうまでの
一連のコミュニケーション自体を「デザイン」する事を仕事だと定義している。


【❸仮説】
【アートを具現化できる技術力だけ高めていれば良いのではないか?】


 

コンセプト力を鍛える事よりも表現力を高める技術力の方が大事という意見もあるだろう。
確かにどんなに良い着眼点を持っていても、
表現できる技術力がなければ心もとない。
 
 
しかしながら、私は「コンセプトはワイシャツのボタン一個目」だと思う。
二個目以下は技術だと考える。
 
 
一個目のボタンを掛け違えた状態で進めば進むほど、
元に戻す労力は尋常ではない。
ゆえに、最初のコンセプトが何よりも重要と考える。
 
 
新しい視点を持てと言われるとたじろぐかもしれないが、
決して難しい事ではなく、
ただ単に認識されていないだけで実は元々見ているのである。
試しに目を10秒閉じて「この部屋に赤色のものは何個ある?」と問いかけて欲しい。
 
 
皆さんも今見ている光景すべてを
正しく認識する事が難しい事がわかるだろう。
その状態でいきなりアウトプットを始めても、
やり直しになる事が想像にたやすい。
 
 
出発点を正しくおさようという事だ。


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