題名を思い出せない本の探し方
題名を思い出せないということは、著者も思い出せないことが多いと思います。この場合、なるべく具体的にいつ、どこで、だれが、なにを、どのように、どうしたとメモ書きしましょう。具体的にというのは、「女性」というレベルではなくて、「戯曲で双子の兄と入れ替わって男性の振りをする若い女性」くらいのことです。このくらいの情報があれば、ネットでは知恵袋、リアルでは神保町の古書店でなら、シェイクスピアの「十二夜」のことだと教えてくれると思います。
特徴的な登場人物の名前や能力やセリフや設定なども思い出せれば、かなり有望です。ゾシマという人が出てきた気がする。これはドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」です。
題名の一部や著者名の一部、国、ミステリーか純文学か絵本か、思い出せることはすべて書き出してみましょう。
探しにくい例)なんか宗教っぽいロシアの話
探しにくい例)このあいだ、どこかのラジオで誰かが紹介していた面白そうな本
探しにくい例)昔、書評の左ページに載っていた本
探しやすい例)超有名なロシアの作家が書いた長い小説で、兄弟がたくさん出てきて、ゾシマっていう人の遺体が臭かった。
探しやすい例)先週の日曜日の夜、「オールナイトニッポン」で紹介していた、外国の映画監督が描いた本。自伝かな。
探しやすい例)歯の付いた箱に上半身を食べられそうになっている女性が出てくるマンガ。(「フリーレン」です。知恵袋向きかな。)
探しやすい例)隕石が落ちてきて、時間が違う高校生の女性と男性が入れ替わる話。映画にもなっている。(「君の名は」)
探しやすい例)一年くらい前に毎日新聞の書評欄に載っていた外国の小説で、著者はたぶん韓国の女性。大きめの紹介だった。光州事件の話だったかも。(この例だと、毎日新聞のサイトで調べられると思います)
リアルで人に質問する
小さめの新刊書店でベテランっぽい人に質問する
大きな書店は、ビジネス書担当、文芸書担当のように、担当が分かれているんです。そして、この二つの分野は店長などの正社員が担当することが多いんです。女性の場合はわかりにくいんですけど、男性の場合はエプロンの下にスーツを着ていることもありますね。
大きな書店の正社員は短い期間で他の店舗に移ることも多いし、事務仕事が多いので、本の知識を更新する時間が少ないんです。そうでない人もいますけど。
だから、長く仕事をしていそうなアルバイトの書店員さんに質問する方が、探している本を知っている可能性は高いと思います。小さな書店の場合は、担当が分かれていないこともあるので、どの分野の本に関して質問しても大丈夫です。自分で棚に並べているので、憶えている本も多いんです。
神保町などにある古本屋さん
チェーンでない古本屋さんということです。
チェーンの場合、内容ではなくて、売れているかどうかや、傷み具合、発売日などを基準にして仕入れているので、内容には詳しくない可能性が高いんです。もちろん個人的に学んでいて詳しい人もいますけど。
都道府県レベルの図書館の司書さん
市長村町レベルの図書館だと、本を読まないけど、図書館に配属になったという人もいるし、民間企業と提携していて、短い期間しかそこにいない図書館員ということもあると思います。そもそも司書がいない図書館もあります。だから、なるべく大きな図書館に行って質問しましょう。
ネットで調べる
知恵袋
博覧強記の人がいて、教えてくれるかもしれません。
アマゾン本
特徴的なセリフを憶えている場合に、効果を発揮しやすいと思います。
図書館の蔵書検索
フリーワードやキーワードというところに検索したい言葉を入れると、
候補が出てきます。町の図書館と都道府県レベルの図書館では蔵書が異なるので、両方で検索してみましょう。
今、「ゾシマ」で調べてみると
東京都立図書館では「ドストエフスキ-を読む」(笠間選書。佐藤泰正編.笠間書院.1995年)という本が出ました。千代田区立図書館だと「カラマーゾフの兄弟を読む2」(清水孝純.九州大学出版会.1999年)という本が出ました。
これで あの本も探せますね?