上村 楽園

小説を書いて生きていきたい未小説家。4年以内に文学賞を取りたい。ジャンルはミステリー、…

上村 楽園

小説を書いて生きていきたい未小説家。4年以内に文学賞を取りたい。ジャンルはミステリー、純文学が多いです。速読を得意としています。BiSH好きです。

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レフト イズ ライト 密室蒸発事件

【あらすじ】 左利き専用のホテルでホテリエとして仕事を始めたばかりの宇羽川くんは、史上最高のホテリエを目指している。彼には人の顔を憶えられない欠点があるが、耳の記憶力、持ち前の観察眼と推理力で、言葉は冷たいが気の利く保安部の女性 神野さんと共に、ゲストルームのドアが開かない謎に挑む。二人は推理と行動力でドアを開けることに成功するが、実はその裏でゲストが密室から蒸発するという事件が起こっていた。そして、そのゲストは死を予感させるメモを残していた。宇羽川くんと神野さんはゲストを助

    • お目当ての本をどう探せばいいのだろう?

      書店で   こんなふうな本を読みたい 例えば「経済学の定番」だとか「回復する病気で入院している友達に本を持って行きたい」 こういう時は お目当ての分野の棚近くで作業をしているベテラン風の書店員さんに質問してみましょう。 タイトルまで知っている場合は、 新刊書店だと、紀伊国屋さんなどはサイトで和書の検索をできます。 神保町の書店の蔵書もサイトで検索できます。 図書館で こんなふうな本を探しているというときには、 相談カウンターなどにいる司書さんに訊きましょう。 地元の図

      • 注目されている本を読んでみた2024.10

        「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」ファンボルムさん 韓国の小説です。 冒頭の一文を収集しているので、書いておきます。 「閉店時間を間違えてきたと思しき客が書店の前をうろうろしていた」 仕事を辞めて あてもなく書店を始めたヨンジュ(女性)。最初は無気力だったけれど、本に囲まれて本を読んで元気になってくると、少しずつお客さんも入って来て、常連のお客さんとの交流も愉しみになってくる。いい仕事をするのは給与と休日が必要だとの経験から、高めの給与だけれど休日のしっかりある契約でバリスタを雇

        • 自分の小説世界を広げるために フランス篇

          日本に暮らして日本の小説を読んでいると どうしても日本の小説世界が枠として意識されがちになると思います。 日本では 「この小説変わってるー」と思われても、 世界中の読み手には「どこかで読んだ技法や表現だな」と思われているかもしれません。 日本生まれの日本育ちで日本にしかルーツがない作家だから狭いということにならないように 海外に旅行や移住などをできればいいのですが、諸事情でできない人もいますよね。上村もそうですが、海外の小説を読むことでなんとか埋めようと思っています。 今回

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        レフト イズ ライト 密室蒸発事件

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        • 長編小説の詰め合わせ 或いは ごった煮
          5本
        • この小説はBiSHでできている
          4本

        記事

          ショートショート「殺人邸の狂気」

           闇バイトの高校生が殺されるために殺人邸に入っていく。 今朝の新聞に、深夜 住宅に侵入した強盗犯二人のうち一人が、住人(鴨居)の返り討ちに合い、死んだ、と書かれている。  強盗犯の二人は、当日初めて顔を合わせたことがわかっている。闇バイトに募集した高校生だった。  報酬を受け取れるかどうかもわからないのに、この手の犯罪に手を出す人間は多い。そして、実行犯の検挙率は九割六分を超えている。つまり、捕まる確率がかなり高い。そういうことも知らずに応募しているのだろう。 「闇バイトで

          ショートショート「殺人邸の狂気」

          今年のノーベル文学賞はハンガンさん。本人も予想外だったそうで。韓国は音楽に続いて文学も国際的に人気が出ていますね。今年も上村は「今年のノーベル賞作家はまだ読んでいない」状態でした。くーん。「菜食主義者」「少年が来る」「別れを告げない」をそのうちに読みます。

          今年のノーベル文学賞はハンガンさん。本人も予想外だったそうで。韓国は音楽に続いて文学も国際的に人気が出ていますね。今年も上村は「今年のノーベル賞作家はまだ読んでいない」状態でした。くーん。「菜食主義者」「少年が来る」「別れを告げない」をそのうちに読みます。

          今年2024年もノーベル文学賞の発表が近づいてきた

          上村は毎年、「発表前に読んでいた」自分に酔いたいので、ブックメーカーの上位に載った作家さんを読むようにしています。 もちろん、時間が足りなかったり、詩人に多いのですが日本語訳が出ていなかったり、劇作家なのに研究書の日本語訳だけが出ていたりする作家さんもいるので、全員は読めません。だから、発表前に読んでいたと言える年は、少ないかな。 今年の有力と言われている作家さんを出身地別に書いてみます。故郷は最初のアイデンティティだと思いますし、亡命作家などもいるので、今どこに暮らしてい

          今年2024年もノーベル文学賞の発表が近づいてきた

          短編小説「青にすすめ」

           わたしは子どものころから深い青が好きだった。とにかく深い青が目に付いたら買いたくなる。おじさんやおばさん 隣のクラスの子にも青が好きだと言っていたくらいだ。わざわざ隣の県の水族館までアオザメを観に行きたいとお母さんに言ったこともある。  赤 黄色 青を思わせるのに、わたしは運動会では かけっこが苦手だった。 「位置に付いて」 付いた。まだ止まっていなさい。赤 「ヨーイ 」 前傾姿勢になって右腕を前に出した。そろそろだよ。黄色  「パァン―--」 スタートしなさい。 青 他の

          短編小説「青にすすめ」

          最近noteで読みがいのあった小説 2024.9

          「通り魔犯の元彼女」(Sophie さん) note創作大賞2024の中間選考を通過した作品です。 結婚指輪を買ったすぐ後に、通り魔に遭遇。その犯人は中学生の時に好きだった男性、というところから始まる物語です。 卒業以来の生活や、犯行の動機を探ろうと、女性はいろいろなところに出かけます。行動力のある人です。頭でっかちではないし、ロジックでもないし、内面は感情がメインで書かれているんです。 過去にいい人だったという印象は、どんなにか時間が経過しても、変わらないものなのかもしれな

          最近noteで読みがいのあった小説 2024.9

          創作大賞2024 中間選考を突破した作品で惹かれたタイトル

          これから少しずつ読んでみようと思っています。 エッセイ部門 学年1位の女の子が「勉強なんてやめてしまえ!」と言われて / りりあ (読了) 銀河鉄道みたいな数学だった / 黒木郁 (読了) きっと、恋をしていた / 廣瀬翼(つー) 母と推し活 / YASU 色気を自在に操る子 / mina  (読了) タイムマシンランドセル / とき子 癖の盗人 / つる・るるる 貧乏にはお金がかかる / 藤村聖子 Shoko Fujimura (読了) がめつい娘と父の日 / ミーミー

          創作大賞2024 中間選考を突破した作品で惹かれたタイトル

          ショートショート「めでたい」

          「ただいま帰りました。」 「お帰りな さい……」 母親が私の隣にいる男性に長く視線をとどめている。 「え?あ やだぁ なになになに ちょっとぉ どういうこと?どういうことなの?」 「ん?」 言ってなかったっけ? 「え?」 隣に立っている洲本も何が何だかわからない様子で戸惑っている。 「もう~ ロータさーん サシミが初めて男性をわが家に連れて来たわよー 一大事よー 早く早くぅ」 母親が父親を呼んだので、奥で物音がして、なんだなんだという声が聞こえてきた。 「え?」 「さあ、あが

          ショートショート「めでたい」

          無人書店についての雑感

          無人書店が増えているとは最近よく聞くことです。 本の自動販売機、ネット書店などは購入者からすれば、無人書店です。 24時間買えるところも同じです。 無人書店では、たぶん好きなページを試し読みできるところは、前の二つとは違いますね。 リアルな書店では、未知の本との出会いがあるとはよく聞きます。 それはまるで関係のない本が並んでいる時なのか、そうでないのかよくわかりません。 最近はテーマごとに本を並べる書店も多いので、関係のない本との出会いは少なくなるのかなあと思ったりもします

          無人書店についての雑感

          最近noteで読みがいのあった小説2024.8

          「便りの先に」(島本葉 さん) 創作大賞2024の応募作です。 第一話は期間中に読んでスキしたのですが、時間を取れず、続きは最近読みました。 郵便碁を通して 遠くの人との交流を描いた作品です。 肉体系のゲームでは、特にクライミングやボード、卓球などで競った人たちがお互いの技を楽しんでいる、心の底から健闘を称えあう様子が見られます。連歌、碁や将棋、ポーカーなどの思考重視のゲームでは、昔からお互いの知識や発想、精神力などを認め、楽しみ、喜び合っていたのでしょう。そんなことが思われ

          最近noteで読みがいのあった小説2024.8

          松岡正剛さんが逝去していたと知りました。教養があって世に出ている そういう少ない方のお一人でした。「千夜千冊」のサイトはよく利用していたし、お人柄も素敵だなと思っていました。たくさんいるお弟子さんがそれぞれの領域で、お仕事を引き継いでいってくれることでしょうが、さみしいものです。

          松岡正剛さんが逝去していたと知りました。教養があって世に出ている そういう少ない方のお一人でした。「千夜千冊」のサイトはよく利用していたし、お人柄も素敵だなと思っていました。たくさんいるお弟子さんがそれぞれの領域で、お仕事を引き継いでいってくれることでしょうが、さみしいものです。

          自分の小説世界を広げるために 中欧

          日本に暮らして日本の小説を読んでいると どうしても日本の小説世界が枠として意識されがちになると思います。 日本では 「この小説変わってるー」と思われても、 世界中の読み手には「どこかで読んだ技法や表現だな」と思われているかもしれません。 日本生まれの日本育ちで日本にしかルーツがない作家だから狭いということにならないように 海外に旅行や移住などをできればいいのですが、諸事情でできない人もいますよね。上村もそうですが、海外の小説を読むことでなんとか埋めようと思っています。 今回

          自分の小説世界を広げるために 中欧

          短編「推しと追っかけ」

           手元に三つのスタンプを押したA4の紙がある。昨日印刷したスタンプラリーの台紙で 自分の名前のところは空けてある。わたしが追っかけを十年やった もと君は今日で芸能界を引退してニューヨーク大学に留学してしまう。だから、最後にファンと直接話せる機会を作ってくれたのに、なのに、  五月で既に三十二度の渋谷。推し仲間だから悪い人間ではないだろうと警戒を緩めなければよかったなどと考えながら歩いていたら、熱中症になったのだろうか 少しふらふらする。これはいい わたしは道端に座り込んだ。

          短編「推しと追っかけ」