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【PowerBIで可視化】報道の自由度第70位:日本メディアの低迷と他国比較
前回の記事では、日本の報道の自由度が世界ランキングで第70位に低迷している理由について、記者クラブ制度や福島第一原発事故における排他的な報道姿勢を中心に、過去のランキングデータを交えて考察しました。
2023年にはTableauを使って過去の報道の自由度ランキングデータをレーシングバーチャートを用いて可視化しました。今回は2024年度のデータを加えてアップデートする形でPowerBIを用いて可視化してみました。
データの準備
まず、各年のランキングデータをCSVファイルでダウンロードし、Power BIに取り込みました。データを確認すると、カラム名や構造が年ごとに微妙に異なり、一貫性に欠ける部分が見受けられたため、まずはデータラングリングと呼ばれるデータ整理のプロセスが必要でした。その後、複数のデータを結合して1つのデータテーブルに集約しました。データが年ごとに分散したままだと、今回作成しようとしている時系列グラフを生成することができないため、このプロセスは不可欠です。
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G7加盟国のランキングデータを可視化
まずはG7加盟国にデータを絞って時系列グラフを作成していきます。今回は2010年から2024年までの動きを見ていきます。
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2024年の時点のランキングは以下のようになりました。
ドイツ
カナダ
フランス
イギリス
イタリア
アメリカ合衆国
日本
日本(ピンクの線)は2017年以降、G7の中で一貫して最下位を記録しています。前回のNote記事でも触れたように、東日本大震災と福島原発事故をきっかけに日本の閉鎖的な報道姿勢が世界に明るみとなり、ランキングが大幅に下落しました。その後、2016年以降は70位前後を推移し、低迷が続いています。
GDPトップ15各国のランキングの推移
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今度はGDPトップ15各国にデータを絞って時系列グラフを作成していきます。2024年度のランキングは以下のようになりました。
ドイツ
カナダ
フランス
イギリス
スペイン
オーストラリア
イタリア
アメリカ合衆国
韓国
日本
ブラジル
メキシコ
インド
ロシア
中国
日本(ピンクの線)は15か国中、第10位です。この結果は、日本が依然として他の先進国に比べて報道の自由度が低い状況にあることを示しています。報道の自由度が社会全体の透明性や民主主義の質に直結する中、日本がこのランキングで10位にとどまる現状は、メディアの独立性や情報の公開性において改善が求められていると言えるでしょう。特に記者クラブ制度や政府とメディアの関係性といった構造的な問題が、ランキング上昇の大きな壁となっていると言えます。
日本の報道自由度ランキングが示す課題は、私たち一人ひとりにも関わる重要なテーマです。透明で公正な情報環境を築くために、あなたはどのような行動を起こせると思いますか?ぜひ、コメント欄でご意見をお聞かせください。また、この記事が参考になったと思ったら、シェアしていただけると嬉しいです!