ベーラ・バルトーク(1881/3/25 - 1945/9/26)とボフスラフ・マルティヌー(1890/12/8 - 1959/8/28)の弦楽四重奏曲第五番
B. B. の弦楽四重奏曲第五番(1934)
1. アレグロ
2. アダージョ・モルト
3. スケルツォ アラ・ブルガレーゼ ヴィヴァーチェ
4. アンダンテ
5. フィナーレ アレグロ・ヴィヴァーチェ
エリザベス・クーリッジ財団の委嘱
1ヶ月ほどで仕上げた作品。シンメトリカルというか回文に近い形式。
第1楽章は変ロ音を反復する第一主題、跳躍するハ音の第二主題、旋律的ニ音の第三主題、展開部はホ音が主音。再現部は嬰ヘ音主音のの第三主題が上下反行形で、第二主題変イ音主音の反行形、そして第一主題が変ロ音反行形。全全音音階の上昇。
第2楽章は夜の音楽その一、トリルの会話で開始。
第3楽章はスケルツォ、ブルガリア風、主部が4+2+3/8拍子、トリオは3+2+2+3/8拍子。第2楽章からのパロディ的引用あり。
第4楽章は夜の音楽そのニ、第2楽章の変奏でピチカートの会話で開始。
フィナーレは第1楽章の主題の変形を反転したロンド=ソナタ形式、中間部第1楽章第一主題による長大なフーガ。創作力爆発。
B. M. の弦楽四重奏曲第五番(1938)
1. アレグロ・ノン・トロッポ
2. アダージョ
3. アレグロ・ヴィーヴォ
4. レント - アレグロ
こちらは(も)政治的状況故初演は1958年にプラハでって事になったそうだ。第四番でもちょっと感じたがかなり不機嫌な音楽になってきた。第1楽章から不協和音と打楽器的な曲想が目立つ。1stの保続音でヴィオラとチェロにブレーキがかかってゆくコーダが印象的。これはヴァインベルクか?というエモーション。哀切な歌は第2楽章も続く。1stのモノローグをヴィオラのピチカートと弱音器トレモロの2ndとチェロ。ピチカートのリズムはいつしか強迫観念の様な三音モチーフになって中間部は恐怖を感じさせる。スケルツォもいたって不機嫌。随所に溜息や短い金切り声が。序奏は1stからチェロに受け継がれるメロディ、主部はユニゾンで決然と。ルーセルの第二交響曲の世界かも。最後はゆっくりな歩みながら力強く終わる。こちらも思い出した。