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Toute révolution est un coup de dés(すべての革命はのるかそるかである) ジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレ (1977)

 Toute révolution est un coup de dés(すべての革命は骰子の一振り〔のるかそるか〕である)とのタイトルは、19世紀フランスの歴史家ジュール・ミシュレの言葉との事。
 ステファヌ・マラルメの遺作、「賽(サイコロ)の一振りは決して偶然を排さないだろう」"UN COUP DE DÉS JAMAIS N'ABOLIRA LE HASARD"。ブーレーズの論考で初めて存在を知った記憶が。

一語あるいは数語のグループが見開きの紙面に配置されている。ロマン体とイタリック体、大きさが異なる計9種類の活字を駆使しており、他に類のない試みと言えると思う。いつもながら難解な詩句のマラルメですが「サイコロを振る」とは文学・詩作への挑戦、もっと広くは宿命に挑む人間の営みと考えられるでしょうか。
 「アン・ク・ドゥ・デ(骰子一擲)」と「アン・ク・デタ(クーデター)」の駄洒落のようにストローブ=ユイレは、それを「革命」の遂行と読み替える。


9種類の活字を9人に振り分けてマラルメの「本」を楽譜として扱い「活字」達を画面に配した10分の作品。ロケーションはパリのペール・ラシェーズ墓地、1871年5月パリ=コミューンに参加してこの墓地に立て籠り最後まで抵抗、逮捕されたあと壁の前で銃殺された147人に捧げらている。
 ストローブ=ユイレこだわりの同時録音、盛大に鳥達のさえずりが聞こえ、うちの猫君は気になってしょうがない様子。9人の出演者を意図的に多国籍、フランス語ネイティヴにしてないのも彼ららしい。正しい素材を扱うという彼ら独特の倫理はノーノにも通ずる。
 すべての人の営みは一発(un coup de)ギャグである。

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