ジャック・ティボーとヨーゼフ・ヨアヒム(1831/6/28 - 1907/8/15)
ティボーがベートーヴェンもブラームスでもヨアヒムのカデンツァを奏いているのは意外に思えた。
ティボーの著書「ヴァイオリンは語る」を読み返してみてもヨアヒムの名は出てこない。1898年(18歳)頃エドゥアール・コロンヌに見出され世に出るまでを描いた饒舌な自伝。幼少時に聴いたセザール・トムソン(1857/3/18 - 1931/8/21)の奏くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、ウジェーヌ・イザイ(1858/7/16 - 1931/5/12)との邂逅、パリ音楽院での恩師マルタン・ピエール・マルシック(1847/3/9 - 1924/10/21)の薫陶。
ウィキペディアでのマルシックに関する記載にさらっと「彼はヨーゼフ・ヨアヒムとも共演しており」と書かれてあった。英語版では弟子の一人に挙げてあった。なるほどね。例えばセザール・トムソンはベルリンフィルの初代コンサートマスター(1882)だったそうな。当然ブラームスやヨアヒムとの交流はあらあな。ちなみにブラームスのヴァイオリン協奏曲の初演が1879年元旦ライプツィッヒ、二重協奏曲が1887年10月18日ケルンで行われている。
ヨアヒムとフランスの関わりはどうか。
同時代フランスの弦楽器製作者、高く評価して自身も演奏していたとの事。
デゾルミエールの伝説的な「ペレアスとメリザンド」でメリザンドを歌うイレーネ・ジョアシャン、即ちイレーネ・ヨアヒム(1913/3/13 - 2001/4/20)は孫娘。父が次男でドイツ軍士官だったヘルマン・ヨアヒム(1866年生まれ)、母はヴァイオリニストだったシュザンヌ・シェニョー。シェニョーの父はジャン=フェルディナン・シェニョー。表紙はジャン=フェルディナン・シェニョー作〈草原の羊飼いの少女と羊の群れ〉1863年 北海道立帯広美術館蔵。
デゾルミエールとの共演は戦後も続き、1950年のライヴ録音あり。
ブーレーズの「水の太陽」の初演ですね。第二版かな。イレーネ・ヨアヒムが歌っとります。