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ドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906/9/25 - 1975/8/9)とミェチスワフ・ヴァインベルク(1919/12/8 - 1996/2/26)の弦楽四重奏曲 第十一番

D. S. の弦楽四重奏曲第十一番ヘ短調作品122(1966)
 ワシリー・ペトローヴィチ・シリンスキーの思い出に献呈
1. プレリュード(前奏曲) アンダンティーノ
2. スケルツォ アレグレット
3. レシタティーフ アダージョ
4. エチュード(練習曲) アレグロ
5. ユモレスク アレグロ
6. エレジー(悲歌)アダージョ
7. コンクルージョン(結語)モデラート - メノ・モッソ - モデラート
 第一楽章開始まもなく、チェロの奏でる訥々としたメロディがその後を支配する。第六楽章の「月光ソナタ」。

M. W. の弦楽四重奏曲第十一番ヘ長調作品89(1965-6) ヴィクトリア・ヴァインベルクに献呈
1. アレグロ・アッサイ
2. アレグレット - コーダ
3. アダージョ・センプリーチェ(アタッカ)
4. アレグロ・レッジェーロ
 第3楽章はメロディックながらソロ、ピアニッシモが多いし第1楽章後半と第2、4楽章は弱音器使用、短いシンプルなフレーズから構成されている。冒頭のおどけて聴こえるフレーズはラモーの「めんどり」、もしくはその編曲レスピーギの「鳥」の拝借だろうと。

同音反復と跳ね上がる音の組み合わせ。勿論油断は出来ない展開部ではそのまま異様な密度の恐怖の高潮、簡潔な再現部で終わる。第2楽章、一度はアレグロ・モデラートで書き上げるも破棄し書き直したとの事。影の様なワルツ=スケルツォとクラスターなコラールおよび強奏ピチカートのトリオの対比、トリオが戻って=コーダ。各楽器のモノローグが連なるアダージョ・センプリーチェ。スケルツォの雰囲気が戻るが、同音反復と跳ね上がる音が特徴のフィナーレ。何か取り返しのつかない事が起こってしまった後、R. V. W. の交響曲第6番ホ短調(1944-47)の終楽章、或いはヴァレリー・アファナシエフの奏するシューマン「クライスレリアーナ」終曲。


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