パルジファル、ペレアスとメリザンド その1
この二曲とも得意にしてそうな指揮者は? 思いつくままに。
まずはアルトゥーロ・トスカニーニ(1867/3/25 - 1957/1/16)、パルジファルについてはバイロイト音楽祭で最も遅い、長大な演奏時間が記録されてます。ペレアスもイタリア初演では?というくらいの1908年ミラノ・スカラ座で指揮した記録を見つけました。BBC響とのパルジファル、ゆっくりなのにいつものトスカニーニの音色、またドビュッシーお好きそうで録音多いですよね。
次はアンドレ・メサジェ(1853/12/30 - 1929/2/24)、ペレアスを初演(1901年)した彼ですが、思った通りパルジファルのフランス初演(1914年)も担当していました。オペレッタの作曲家として軽く見られがちなその作品のバックボーンを感じさせる事実です。
ではバイロイトのパルジファルでは早い方で有名なリヒャルト・シュトラウス(1864/6/11 - 1949/9/8)は? 彼がペレアスを評価せず(「ずっとこんな調子のまま? 歌詞が勝ち過ぎて音楽が薄すぎる」)、パルジファルの悪しき(笑)影響を指摘したという話がロマン・ロラン経由で伝わっています。言い方はともかくどれも的を得ている。
ヴィットリオ・グイ(1885/9/14 - 1875/10/16)には称賛されたイタリア語歌唱のパルジファルがありなんとマリア・カラスがクンドリー役、またグラインドボーンでのライブでペレアスも残されており、こちらも個人的に愛してやまない、プーランクの歌姫でもあったドゥニーズ・デュヴァルがメリザンド役なのも含めてほんとにいい演奏ですよ。
デジレ・エミール・アンゲルブレシュト(1880/9/17 - 1965/2/14)はどうでしょう? 今の所パルジファルの演奏記録は見つけられませんが可能性は十分ありそうな。R.コルサコフ編曲でない原典版のムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」フランス語版なんて録音もあります。もう一つのペレアスの祖先ですね。
フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュ、古くはカール・ムックとかになると探してみる気も起こりませんが、クレメンス・クラウスならばペレアスありそうですけれど見つかりませんでした。
アンドレ・クリュイタンス(1905/3/26 - 1967/6/3)、当然両方とも得意に、しかしパルジファルの録音記録は貧しい録音しかないのが返すがえすも残念。
ピエール・ブーレーズ(1925/3/26 - 2016/1/5)、ペレアス、パルジファルどちらも画期的な演奏記録で一時代を画しました。両曲ともブーレーズ前ブーレーズ後、という表現が成り立つと思います。
個人的に好きという点、ブーレーズに負けないくらい両方とも得意にしてた方が。(この項続く...)