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中国の児童体験施設

背景、現状:
・中国では、長く一人っ子政策の影響が大きく、また近年は、中国経済の急速な成長により、経済的に余裕がある上流・中流層が大変多い。その結果、自身の子どもには、よりよ将来のために、日本以上に教育費をかける傾向が高い。
・中国では、児童の教育環境は日本ほどではなく、「児童」が遊べる場所や施設は非常に少ない。そのような状況・環境下で、中国の経済急成長とともに、青少年の教育・娯楽施設は急増している。
・中国政府は、現在100万人以上の都市に1館、科学館を建設中である。全土に300以上の科学館を建設・あるいは建設中であり、そのほぼすべてに、児童(0-7歳程度)を対象にした体験施設を付随させている。市民に安心安全で、遊べる場所をつくっている。
・実際に、私は、紹興市、福建省、山東省などの科学館に児童向け体験施設を設計を行った。
・また、民間に目を向けると、中国のデベロッパーは、全土に、オフィス・住宅・商業施設を建設しており、他との差別化・特徴化をするため、「文化・商業複合化」の施設開発を行うことが一般的になっている。日本のショッピングモール内にキッズ系の職業体験施設(キッザニア)やミニ室内型娯楽施設などを併設するのを参考にしている。
・近年開発されたショッピングモールは、ほぼすべて、なんらかのキッズ体験室が併設されていると言える。

好まれる内容:
・科学館に併設されるキッズスペースの内容としては:
  水・砂遊び、城、船、ボールプール、まち(仕事体験)、防災安全
  農家自然(農業疑似体験)、童話の森、体育運動体験
  科学系(音、光、運動)、児童の感覚・知覚
  地域の伝統文化歴史を主題にした体験(京劇など、音楽芸能)
  簡単な工作ワークショップ 。。。など、日本とほぼ同じと言える。

現在、中国では、「防災・安全」に対する関心が非常に高くなっている。
日本は、消防などが担当する「自然災害中心の防災館」は多数あるが、個人的な意見としては、「防災・交通安全・生活安全」をまとめて、子どもや老人、科学向けに体験できる施設とすべきである。
児童向けに、防災、交通安全、家庭での事故・ケガなどの防止安全をまとめて、行うのが多くなっている。
私は、成都市に青少年向けの防災教育館を設計した。(もちろん、交通生活の安全も含んでいる。)

※この「防災安全」を重視する傾向は、今後、アジアの全体に広がっていくと思う。韓国では、日本式の防災館(ソウルに児童館に併設して存在)がすでにある。
まだ具体的に言えないが、現在、私は東南アジアで防災館の建設プロジェクトを始めようとしている。(メインターゲットは、青少年・家族)
「防災安全」テーマは、民間も注目しており、以前に、中国の民間企業から、青少年向け「防災安全」テーマパークの相談を受けたことがある。(現在、中断と聞いている)

・日本や欧米の最新事例を詳細に調査参考にして、中国国内に展開しようとしている。一時期、「キッザニア」を参考に、職業体験が流行した。セガ・ナムコなども進出している。また、イオンは、モール展開に、自社ブランドのキッズ施設を必ず加えている。
・後楽園「あそぼーの」は、非常に参考にされている。
・興味深いところでは、親子で楽しめる「ABCキッチン」も、人気がある。
・今後は、中国の教育方針でもあり、STEAM教育啓発を意識し、キッズ向けの「ものづくり教室」のような再来性・継続性の高いプログラム展開が増えていくと思われる。
このような分野は、日本の教育企業(「公文」など)などが力を入れていきそうな気がする。(今でも、「しま太郎」教材は人気)
・つまり、日本と大差がない。。。。と言える。差があるとすれば、「規模・大きさ」であろうか。。。日本を参考にしながら、多少荒っぽく、巨大につくる。。。という感覚である。

具体的事例:
長沙恒大童世界(Kids World)
卡通尼楽園(Catoon Paradise) イオンモール内
Aeon Fantasy(企業)
 https://www.fantasy.co.jp/
快楽之都kuailezhidu(HAPPY CITY ) 中国版キッザニア
比如世界 http://bj.beyou.cn/
翻斗楽(Funduzzle ) 室内遊び場

万達集団 中国を代表するデベロッパー
  https://www.sankeibiz.jp/business/news/140825/bsk1408250500002-n1.htm  「万達宝貝王」など

北京科学館、上海科技館、福建省科技館。。。など、全国の科学館

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